兵庫県知事を追及した元県議への虚偽発言を繰り返したなどとして、NHK党党首の立花孝志容疑者(58)が逮捕されました。元県議はSNSで誹謗中傷され、自殺とみられる形で亡くなっています。逮捕に至った理由や、今後の捜査のポイントを考えます。そこで今回の#みんなのギモンでは、「NHK党立花容疑者 逮捕の背景は?」をテーマに解説します。■兵庫県警から送検…車内での様子は?菅原薫・日本テレビ解説委員「党首が逮捕されるという、異例の事態となりました。今年1月18日に亡くなった元兵庫県議について嘘の発言を繰り返すなどし、NHK党党首の立花容疑者が名誉毀損(きそん)の疑いで9日に逮捕されました」

「10日午前、兵庫県警本部から送検される際にはメガネ姿で親指を立てたポーズを作り、(顔は隠さず)笑っているようにも見えました」鈴江奈々アナウンサー「このように撮影されているということを意識してだと思うんですけども、なかなかこういった状況で笑顔になるというのは、どういう心境だったのかなと疑問に思いました」■立花容疑者の発言は?…事件の経緯菅原解説委員「事件の経緯を振り返ります。今年1月に亡くなった元兵庫県議の竹内英明さんは去年、兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ疑惑などを百条委員会の委員として調査していました。しかし、竹内さんは斎藤知事を追及した後、SNSで誹謗(ひぼう)中傷の的となりました」「去年11月には県議を辞職。一方、立花容疑者は去年12月13日~14日、大阪府内で行われた街頭演説で『何も言わずに去っていった竹内議員はめっちゃやばいね。警察の取り調べを受けているのはたぶん間違いない』と発言していました」「これは事実ではない発言でしたが、翌月に竹内さんは亡くなりました。自殺とみられています」「さらに立花容疑者は竹内さんが亡くなった後も、Xに『竹内元県議は、昨年9月ごろから兵庫県警からの継続的な任意の取り調べを受けていました』と投稿したり、『竹内元県議はあす逮捕される予定だったそうです』と発言したりしていました」「これらの発言が今回の逮捕容疑となっています」■当時の県警トップが異例の言及森圭介アナウンサー「これを受けて兵庫県警のトップが立花容疑者の発言の内容を否定するというようなこともありました。一定の影響力があるからこそなんでしょうが、非常に珍しいことでしたよね」菅原解説委員「兵庫県警の村井紀之本部長(当時)はこのように話していました」村井本部長「竹内元議員につきましては被疑者として任意の調べをしたことはありませんし、ましてや逮捕するという話は全くございません。全くの事実無根でありまして、明白な虚偽がSNSで拡散されていることについて極めて遺憾」 「県警トップの発言そのものも珍しいですが、個別の事案についてここまで具体的に発言するのも異例中の異例でした。そして今年6月、竹内さんの妻が立花容疑者を夫の名誉を毀損したとして刑事告訴。告訴状が受理され捜査が続けられた結果、逮捕に至りました」■妻からの刑事告訴は6件…全てを立件斎藤佑樹キャスター「なぜこのタイミングで逮捕に至ったんですか?」菅原解説委員「捜査関係者への取材によると、立花容疑者が10月にドバイに渡航していて、証拠隠滅や逃亡の可能性があることが、警察が逮捕に踏み切った要因のひとつだということです」「さらに、警察は竹内さんの妻から6件の刑事告訴を受けていましたが、『心を病んで自ら命を絶つ、気の毒だが自業自得』など、告訴された全ての内容について名誉毀損の疑いで立件していたことも分かりました」瀧口麻衣アナウンサー「今後の捜査がどういうふうに進んでいくのか非常に気になりますね」■弁護士「重大性や悪質性を判断か」菅原解説委員「捜査関係者によると、立花容疑者は『発言した事実については争うつもりはない』と話しているそうです。今回の事件について、元大阪地検検事の亀井正貴弁護士に聞きました」「亀井弁護士によると、名誉毀損は普通、在宅事件として捜査や裁判を行うことが多い。今回のように身柄を拘束して捜査するということは、SNSという影響度や社会的影響度の問題、これらを含めて重大性や悪質性を判断したのではないかということでした」「また、立花容疑者は別の事件で一昨年に有罪判決を受けていて、その執行猶予期間中に逮捕されたため、実刑になる可能性が高くなるといいます」■竹内さんの妻が会見で語ったこと菅原解説委員「立花容疑者の逮捕を受け、9日に竹内さんの妻がリモートで会見を開きました」竹内さんの妻「逮捕の報道が出たことで、主人の仏前に報告しました。刑事告訴を出して以降、どうなるのか不安や心配もありましたが、今はホッとしております」「亡くなって直後の発信がどういう意味を持つのか。それがずっと繰り返されて、これをきっかけにいろんなことが明らかになって、これ以上犠牲が生まれてほしくないと思います」菅原解説委員「竹内さんの妻は『今回、死者の名誉毀損ということはかなり踏み込んでくださった』とも話していました。亡くなった方への名誉毀損というのは立件のハードルが高いそうです」「刑法によると、亡くなった方の名誉毀損の場合、嘘であることが分かった上で発言したり、発信したりして名誉を毀損した場合でなければ罰しないということになっているそうです」「つまり、発言に対する立花容疑者の認識が、それが嘘だと思っていたのか、もしくは真実だと信じていたのか、その辺りが今後の捜査のポイントになってくると言えます」「この事件の一端でもある斎藤知事は『捜査中の件なのでコメントについては控えたい』とした上で、『SNSにおける誹謗中傷や事実でないことを述べることは、利用する誰もがすべきではないこと。これからもしっかりと広報啓発をしていきたい』と話していました」鈴江アナウンサー「今回、政党の党首が逮捕されたということで、今後司法でどういう判断が示されるか。立件のハードルは高いということでしたけれども、その影響力も大きいので注目したいと思います」菅原解説委員「今回の事件は、SNSの影響力や法規制のあり方など、様々な課題を私たちに投げ掛けています。NHK党の幹部は10日に会見を開き、『お騒がせし、心配をおかけしている皆様にお詫びします』と謝罪しています」(2025年11月10日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
兵庫県知事を追及した元県議への虚偽発言を繰り返したなどとして、NHK党党首の立花孝志容疑者(58)が逮捕されました。元県議はSNSで誹謗中傷され、自殺とみられる形で亡くなっています。逮捕に至った理由や、今後の捜査のポイントを考えます。
そこで今回の#みんなのギモンでは、「NHK党立花容疑者 逮捕の背景は?」をテーマに解説します。
菅原薫・日本テレビ解説委員「党首が逮捕されるという、異例の事態となりました。今年1月18日に亡くなった元兵庫県議について嘘の発言を繰り返すなどし、NHK党党首の立花容疑者が名誉毀損(きそん)の疑いで9日に逮捕されました」
「10日午前、兵庫県警本部から送検される際にはメガネ姿で親指を立てたポーズを作り、(顔は隠さず)笑っているようにも見えました」
鈴江奈々アナウンサー「このように撮影されているということを意識してだと思うんですけども、なかなかこういった状況で笑顔になるというのは、どういう心境だったのかなと疑問に思いました」
菅原解説委員「事件の経緯を振り返ります。今年1月に亡くなった元兵庫県議の竹内英明さんは去年、兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ疑惑などを百条委員会の委員として調査していました。しかし、竹内さんは斎藤知事を追及した後、SNSで誹謗(ひぼう)中傷の的となりました」
「去年11月には県議を辞職。一方、立花容疑者は去年12月13日~14日、大阪府内で行われた街頭演説で『何も言わずに去っていった竹内議員はめっちゃやばいね。警察の取り調べを受けているのはたぶん間違いない』と発言していました」
「これは事実ではない発言でしたが、翌月に竹内さんは亡くなりました。自殺とみられています」
「さらに立花容疑者は竹内さんが亡くなった後も、Xに『竹内元県議は、昨年9月ごろから兵庫県警からの継続的な任意の取り調べを受けていました』と投稿したり、『竹内元県議はあす逮捕される予定だったそうです』と発言したりしていました」
「これらの発言が今回の逮捕容疑となっています」
森圭介アナウンサー「これを受けて兵庫県警のトップが立花容疑者の発言の内容を否定するというようなこともありました。一定の影響力があるからこそなんでしょうが、非常に珍しいことでしたよね」
菅原解説委員「兵庫県警の村井紀之本部長(当時)はこのように話していました」
村井本部長「竹内元議員につきましては被疑者として任意の調べをしたことはありませんし、ましてや逮捕するという話は全くございません。全くの事実無根でありまして、明白な虚偽がSNSで拡散されていることについて極めて遺憾」
「県警トップの発言そのものも珍しいですが、個別の事案についてここまで具体的に発言するのも異例中の異例でした。そして今年6月、竹内さんの妻が立花容疑者を夫の名誉を毀損したとして刑事告訴。告訴状が受理され捜査が続けられた結果、逮捕に至りました」
斎藤佑樹キャスター「なぜこのタイミングで逮捕に至ったんですか?」
菅原解説委員「捜査関係者への取材によると、立花容疑者が10月にドバイに渡航していて、証拠隠滅や逃亡の可能性があることが、警察が逮捕に踏み切った要因のひとつだということです」
「さらに、警察は竹内さんの妻から6件の刑事告訴を受けていましたが、『心を病んで自ら命を絶つ、気の毒だが自業自得』など、告訴された全ての内容について名誉毀損の疑いで立件していたことも分かりました」
瀧口麻衣アナウンサー「今後の捜査がどういうふうに進んでいくのか非常に気になりますね」
菅原解説委員「捜査関係者によると、立花容疑者は『発言した事実については争うつもりはない』と話しているそうです。今回の事件について、元大阪地検検事の亀井正貴弁護士に聞きました」
「亀井弁護士によると、名誉毀損は普通、在宅事件として捜査や裁判を行うことが多い。今回のように身柄を拘束して捜査するということは、SNSという影響度や社会的影響度の問題、これらを含めて重大性や悪質性を判断したのではないかということでした」
「また、立花容疑者は別の事件で一昨年に有罪判決を受けていて、その執行猶予期間中に逮捕されたため、実刑になる可能性が高くなるといいます」
菅原解説委員「立花容疑者の逮捕を受け、9日に竹内さんの妻がリモートで会見を開きました」
竹内さんの妻「逮捕の報道が出たことで、主人の仏前に報告しました。刑事告訴を出して以降、どうなるのか不安や心配もありましたが、今はホッとしております」
「亡くなって直後の発信がどういう意味を持つのか。それがずっと繰り返されて、これをきっかけにいろんなことが明らかになって、これ以上犠牲が生まれてほしくないと思います」
菅原解説委員「竹内さんの妻は『今回、死者の名誉毀損ということはかなり踏み込んでくださった』とも話していました。亡くなった方への名誉毀損というのは立件のハードルが高いそうです」
「刑法によると、亡くなった方の名誉毀損の場合、嘘であることが分かった上で発言したり、発信したりして名誉を毀損した場合でなければ罰しないということになっているそうです」
「つまり、発言に対する立花容疑者の認識が、それが嘘だと思っていたのか、もしくは真実だと信じていたのか、その辺りが今後の捜査のポイントになってくると言えます」
「この事件の一端でもある斎藤知事は『捜査中の件なのでコメントについては控えたい』とした上で、『SNSにおける誹謗中傷や事実でないことを述べることは、利用する誰もがすべきではないこと。これからもしっかりと広報啓発をしていきたい』と話していました」
鈴江アナウンサー「今回、政党の党首が逮捕されたということで、今後司法でどういう判断が示されるか。立件のハードルは高いということでしたけれども、その影響力も大きいので注目したいと思います」
菅原解説委員「今回の事件は、SNSの影響力や法規制のあり方など、様々な課題を私たちに投げ掛けています。NHK党の幹部は10日に会見を開き、『お騒がせし、心配をおかけしている皆様にお詫びします』と謝罪しています」
【みんなのギモン】身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)
【みんなのギモン】身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)