ラーメン店「一蘭」での器物破損動画 食べ物系迷惑動画より広範に悪影響?

天然とんこつラーメン専門店「一蘭」で、客が店内のおみやげ品コーナーのディスプレーを蹴って壊す動画が撮影され、SNSで拡散している。
一蘭では、“味集中システム”が導入されている。隣の客が見えないようカウンターを区切り、カウンター内の店員も見えないようすだれの仕切りがある。その上で、「周囲の音・声が気になる」などの客はボタンを押して店員を呼んで、その旨の木札を店員に提示するようになっている。そこまでして味わうことに集中できるようにしているのだ。
動画では男が「周囲の音・声が気になる」という木札を見て、「へー」と感心したふりをした後、「ライダーキック」とテロップが入り、店内のディスプレーを蹴り倒して騒音を立て、木札を投げ捨て、「はよ来てください ボケ」とのテロップが入って終了する。じっくりと動画編集までしているのだから悪質極まりない。
一蘭は15日、ホームページに「SNSで拡散された一蘭店舗での迷惑行為に関するお知らせ」とのタイトルで「昨年8月に関西地区の店舗にて発生した件に関する動画ということが判明いたしました。本件につきましては既に一定の解決をしている案件のため、詳しい内容につきましては公表を差し控えさせていただきます」と説明。その上で「今後も店舗運営を阻害する不適切行為や迷惑行為などが発生した場合は、顧問弁護士への相談や警察への被害届および防犯カメラ映像の提出、場合によっては損害賠償請求など、厳正なる対処をおこなってまいります」としている。
ただの迷惑行為ではなく、店内を破壊しているのだから、器物損壊と威力業務妨害の犯罪証拠動画と言える。
ただSNSや大手掲示板の一部の書き込みでは、ラーメンチェーン「ラーメン山岡家」の卓上ニンニクを直食いして、吐き戻す迷惑動画よりも、“生理的嫌悪感が少ない”という指摘もある。
しかし、飲食店関係者は「回転ずしの回ってるすし、すし屋のガリ、うどん店の天かす、牛丼店の紅ショウガ、ラーメン店の卓上ニンニクの迷惑動画は、店側の好意ながら、客の手の届くところに共用の食べ物を置いていたことの衛生面の危険性が改めて強調されたもの。店の努力で改善できます。しかし、店員が少ない店内を破壊する行為は、飲食店だけでなく、深夜の駅やコンビニなど、もっと広範に悪影響を及ぼす可能性がある」と模倣犯が続出しないか、警戒している。