生徒会長に10万円交付、元手に公約実現を…「主体的な課題解決」期待

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滋賀県の彦根市教育委員会は今年度から、市立全7中学校の生徒会長に10万円を交付する。
今秋行われる各校の生徒会長選挙で、立候補者が思い思いの公約を発表。当選者が10万円を元に公約を実現させる全国でも珍しい取り組みで、市教委は「子どもたちが主体的になって課題解決に取り組んでもらえれば」と期待している。(清家俊生)
市教委によると、約10年前から当時社会問題となったいじめ対策を中心に、7校の生徒会メンバーが集まって、各校の課題や解決策などを話し合ってきた。生徒たちから「7校で一緒に活動できないか」との要望が出てきたほか、保護者らからも「生徒会活動が形式的になりがちだ。自由度が少ない」「子どもたちの思いが、予算や仕組みの壁で実現できない」といった声が上がっていた。
市教委学校教育課は、こうした生徒のチャレンジを応援しようと、昨年度から予算確保や企画のアイデアを検討。市の財政が厳しい中、クラウドファンディング型のふるさと納税を活用して資金を調達することにした。7月22日から10月19日まで「ふるさとチョイスGCF」のプロジェクトを紹介するページで募っており、すでに87万円以上が集まっている。目標額は100万円で、達成した時点で終了となる。
市教委は、9~10月に行われる生徒会長選挙に向けてPRを始めた。市のホームページでは、「『ひこね』の中学生が地域、社会を変える!」のキャッチコピーが入った啓発ポスターを公開。公約は、各校のマスコットキャラクターの着ぐるみ制作などが想定されるが、同課の担当者は「大人にはない視点のものが出てくるかもしれない。今から楽しみ」と話す。
来夏には、各校の生徒会長が実現した公約を発表する報告会を開催する。西嶋良年教育長は「生徒は社会に出た後に必要となる多くのことを学び、大きな自信を得るはずだ。ぜひ子どもたちの挑戦を応援してほしい」と呼びかけている。

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