北朝鮮の大陸間弾道弾(ICBM)級のミサイルが18日夕、北海道松前町・渡島大島(おしまおおしま)西方沖の日本海に落下した。
周辺海域には昨年3月と11月にも飛来しており、地元の住民や漁業関係者は憤りを強くした。
北海道庁ではミサイル発射の一報を受け、午後6時半頃から危機対策課に職員が慌ただしく集まり、各地から状況を聞き取った。
午後8時半からは緊急の会議が開かれ、出張先からオンラインで参加した鈴木直道知事は「渡島大島周辺では多くの漁船が操業する。断じて容認することができない暴挙だ」と北朝鮮を強く非難した。
日本海を望む青森県深浦町の漁師で、県漁協青年部連絡協議会副会長の大川昭裕さん(29)は、「またか」とため息をついた。ミサイルが落下してきた時間帯は漁に出ていなかったが、「沖では身動きが取れず、逃げるに逃げられない。どうしようもない」と憤った。
防衛省によると、今回のミサイルは通常より高角度の「ロフテッド軌道」で発射され、66分間にわたり飛行した。同省はミサイルが日本海に落下する前に発射の事実を公表し、注意を促した。同省幹部は「昨年はミサイルの発射が相次いだが、今年に入り頻度が低くなっていた。発射の意図を丁寧に分析する必要がある」と語った。
北朝鮮による拉致被害者の家族会代表で、横田めぐみさん(拉致当時13歳)の弟・拓也さん(54)は18日、「何も有益なものを生み出さない挑発行為が繰り返されるのは非常に残念だ」とのコメントを出した。