世界最大の等脚類として、新江ノ島水族館(藤沢市)で展示されていたダイオウグソクムシが新種であることが判明した。台湾・台南大の黄銘志博士が新種と突き止め、冷凍保存資料を提供した水族館にちなんで標準和名を「エノスイグソクムシ」と命名した。和名に水族館の愛称でもある「エノスイ」が付いた生き物は初めてという。【因幡健悦】
2年連続でクラゲの新種発見 新江ノ島水族館 ダイオウグソクムシはダンゴムシやフナムシの仲間で、メキシコ湾や大西洋の深海に生息している。成長すると体長45センチになり、深海の生き物展示に力を入れている水族館では2007年に「世界最大のダンゴムシの仲間」として展示を始めた。
黄博士は19年8月末に水族館を訪ね、研究への協力を依頼。保管されていた冷凍標本などを持ち帰り、DNAや形状の分析から3年がかりで新種と特定し、8月9日に学術誌に論文を掲載した。 水族館によると、エノスイグソクムシはダイオウグソクムシよりもやや小ぶりで、後部が細くとがっているのが特徴。採取データなどから、生息エリアもダイオウグソクムシが水深数百~2000メートルなのに対し、水深600~800メートルとやや浅いとみられるという。 水族館では現在もメキシコ湾産のダイオウグソクムシを展示しているが、新種発見に伴い、説明板の表記を「ダイオウグソクムシ」から「ダイオウグソクムシ属の一種」に急きょ切り替えた。「ダイオウ」なのか「エノスイ」なのかの特定は現状では難しく、今後の研究課題だという。 水族館では、江の島周辺海域で採取したクラゲから2年連続で新種を発見している。3例目は長年、飼育していた生き物が実は新種だったというサプライズとなった。 国連環境計画などの発表によると、世界には約870万種の生き物がいるが、学名が付いているのは十数%程度とされる。未知の領域はまだまだ広く、水族館スタッフらは「今更だが、まだまだ知らない生き物の世界の奥深さに感動している」と語る。
ダイオウグソクムシはダンゴムシやフナムシの仲間で、メキシコ湾や大西洋の深海に生息している。成長すると体長45センチになり、深海の生き物展示に力を入れている水族館では2007年に「世界最大のダンゴムシの仲間」として展示を始めた。
黄博士は19年8月末に水族館を訪ね、研究への協力を依頼。保管されていた冷凍標本などを持ち帰り、DNAや形状の分析から3年がかりで新種と特定し、8月9日に学術誌に論文を掲載した。
水族館によると、エノスイグソクムシはダイオウグソクムシよりもやや小ぶりで、後部が細くとがっているのが特徴。採取データなどから、生息エリアもダイオウグソクムシが水深数百~2000メートルなのに対し、水深600~800メートルとやや浅いとみられるという。
水族館では現在もメキシコ湾産のダイオウグソクムシを展示しているが、新種発見に伴い、説明板の表記を「ダイオウグソクムシ」から「ダイオウグソクムシ属の一種」に急きょ切り替えた。「ダイオウ」なのか「エノスイ」なのかの特定は現状では難しく、今後の研究課題だという。
水族館では、江の島周辺海域で採取したクラゲから2年連続で新種を発見している。3例目は長年、飼育していた生き物が実は新種だったというサプライズとなった。
国連環境計画などの発表によると、世界には約870万種の生き物がいるが、学名が付いているのは十数%程度とされる。未知の領域はまだまだ広く、水族館スタッフらは「今更だが、まだまだ知らない生き物の世界の奥深さに感動している」と語る。