特定危険指定暴力団・工藤会のトップらが殺人罪などに問われ、1審で死刑が言い渡されている裁判の控訴審が13日に始まりました。ナンバー2の田上不美夫被告(67)は、独断で犯行を指示したと、一転して関与を認める主張をしています。
■全面否認するなか…1審で死刑判決
市民を襲うのもためらわない凶悪な組織として日本で唯一、「特定危険指定暴力団」に指定されている工藤会。
“修羅の国”とも呼ばれる北九州を拠点に数多くの事件を起こしたとされ、住宅街からはロケットランチャーも押収されています。
その工藤会に対し、2014年9月、福岡県警は工藤会の上層部をターゲットにしたいわゆる「頂上作戦」を展開。
トップの総裁・野村悟被告(76)とナンバー2の会長・田上被告を逮捕したのです。
2人は元漁協組合長への殺人罪、さらに県警OBや看護師ら一般市民を組織として襲撃した罪に問われています。
直接的な証拠が示されず、両者とも全面否認するなか、1審の福岡地裁はトップの指示があったと判断。
死刑判決を言い渡された野村被告は、裁判長に対して「生涯、後悔するよ」と威嚇しました。
■ナンバー2の田上被告 主張を一転
13日に始まった控訴審では、1審で無期懲役を言い渡されたナンバー2の田上被告が、これまでの否認から主張を一転させました。
田上被告:「2つの事件について独断で指示した」
野村被告が否認を続けるなか、田上被告は4つのうち2つの事件で、「自分が犯行を指示した」と関与を認めました。
田上被告:「ちょこっと刺してやれ、大事にはするなよ」「頬をはつって(たたいて)尻を刺せ、大きなけがはさせるなよ」
■田上被告にとって、野村被告は特別な存在
なぜ主張を変えたのか。工藤会の元組員は、次のように話しました。
元工藤会系組員:「(野村総裁の)死刑を回避させるためみたいな。実際の(指示)は野村総裁だと思います」
暴力団に詳しい専門家によると、田上被告にとって、野村被告は特別な存在だったと指摘します。
元山口組系組長 「五仁會」代表 竹垣悟氏:「田上会長というのは以前にも自分が実刑に行って、『野村総裁は関係ない、俺がすべてやった」と守ってますわね。それからものすごく野村総裁から信任を受けて、会長まで上り詰めた」
竹垣氏によると、1990年代ごろから2人は、工藤会傘下の同じ組織にいたといいます。
竹垣氏:「2人の絆は強いものがある。私は田上会長の自主的な判断だと思いますわ。最後の親孝行です」
トップである野村被告の死刑判決を覆すべく、「工藤会」側はある行動に出ます。
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