沖縄県名護市辺野古沖で起きた転覆事故を受け、同志社国際高校は17日、京田辺市の同校で記者会見を行った。
【映像】記者が10分間・徹底追及した瞬間(実際の様子)
西田喜久夫校長は冒頭、研修旅行中の不慮の事故により高校2年生の女子生徒1名が亡くなった事実を報告し「在校生のご家族様をはじめ、関係者の皆様、その他多くの方々に多大なご心配、ご心労をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます」と謝罪し、哀悼の意を表した。
事故の経緯について、第一報が届いたのは3月16日の11時過ぎだったという。辺野古沖で見学を行っていた生徒18名のうち17名は救助されたが、安否不明だった女子生徒1名が心肺停止の状態で発見され、搬送先の病院で死亡が確認された。この事故では、船長を務めていた金井創氏も命を落としている。当時、現場付近には波浪注意報が出ていたが、学校側は「(金井氏から)特に言及はなく、出航に関しましての疑念も話されなかったということです。そこで、予定通りの工程を確認して生徒たちは乗船をいたしました」と説明した。
なぜ辺野古で研修を行ったのかという点について、西田校長は「辺野古は現代の沖縄が抱える基地問題の一つの縮図のような場所であり、それは、基地反対運動に生徒たちを巻き込むというような意図ではなく、少なくともそのような視点で基地に疑問を感じている方々がおられるという事実、その発見にあると考えております。京都にいてはなかなか感じにくい沖縄の実相を見せることによって各自がそのことの意味を考える機会としてほしいという思いで、今まで沖縄の研修コースとして辺野古を取り上げておりました」と話し、40年以上続く沖縄平和学習の一環であったことを強調した。2015年頃から辺野古の陸上での研修を開始したが、(同志社国際高と)同じキリスト教である金井氏(牧師/船長)から提案を受け、海上からの基地見学をプログラムに取り入れたという。
その後の質疑応答において、ある記者が学校側の安全管理や研修の正当性を巡り、約10分間にわたって追及した。
まず記者は、「各記者1質問のみ」という形式について、「別に1人1問はいいんですけれども、私、フジテレビの時に11時間以上の会見、最後までおりましたけれども、あの時はもう本当、皆さんが全部意見を質問されたんでね。それで長くなっちゃって1人1問になったんですが、このまま終わってね、『じゃあもう帰ります』みたいになったら困りますので、それはちょっとご留意ください」と指摘。
記者による追及は激しいものだった。
「2022年にKAZU Iの事故、ご存知ですよね?(北海道・知床半島沖で観光船が沈没した事故)あの事故が起きてから、これ(登録を)やんなきゃいけないことになってるんですよ。これ有償無償関係ないんです。どうして確認しなかったんですか? それから、こういう辺野古の住民の方、名護市辺野古に住んでらっしゃる方からお話を聞いたことはありますか? 校長先生のご認識で構わないんですけれども、辺野古の皆さんは基地の移設について賛成・反対、どういう状況になってるかというのは、ご確認されたことがあるでしょうか?」
これに西田校長は登録の確認はしていないとしつつ「私が直接現地で確認したことはございません。ただ、いろんな形で、沖縄の方々のご意見をお聞きすることはございます。また、報道等で辺野古周辺の住民の皆様の思いというのもいろいろな形で確認はしております」と回答。
さらに記者は「最初の登録制の部分の確認、『してない』というのは、これはもう義務なんですよ。有償、無償関係ないんですよ。これ、まず瑕疵じゃないですか? それから、保険はどうするんですか? そういうことを、だって、学校って確認するんでしょ? それと、昨日、現地の方で、金井(牧師/船長)さんところの団体の会見がありました。その時に向こうさんが言ってらっしゃったのは金井(牧師/船長)さんから言及したのではなくて、学校の方から言っていると話していたんですけれども、間違いなくそれ(海上からの基地見学)、金井(牧師/船長)さんの方から言ってきたということでよろしいんですか?」と質問。
西田校長は「『海上から見学することもできるよ』という話があったのは聞いております」と回答。
記者が「それから、保険の関係はどうですか?」と聞くと西田校長は「そこの部分に関しては、すいません」と謝り、記者は「なんでそれ確認しなかったんですか?」と厳しく追及。西田校長は「申し訳ありません。それは本当に、私どもの瑕疵と言えば、瑕疵」と謝罪した。
記者は続けて「それからもう一つ辺野古住民、これはね、はっきりこの場で言っておきますけれども、ほとんどの方が賛成ですよ、移設。一方的な意見ばかり聞かせるのではなくて、いろんな、多様な意見があるんだよとね、辺野古の住民の皆さんは賛成なんですよと、ほとんどが。これ、私、自分で確認しましたから。ほぼ全ての世帯回って、ほとんどメディア来ませんけどね。そういうことについてはどうお考えですか?」と迫った。
西田校長は「辺野古には限定せずに、アメリカ軍の基地があることに関して、またその辺野古移設に関して様々な意見があるということは事前学習の中では生徒たちにも説明しておりますし、そういう形の共有はしております」と回答。
記者は生徒たちが乗船した船についても指摘した。
「(金井船長の)『不屈』という船の名前からしたって、ご存知でしょ? 背景は。瀬長亀次郎さんの言葉ですよね。あの方、共産党の衆議院議員ですよね? 日本キリスト教団だっていろんな考え方の方いらっしゃるでしょ?(死亡した女子生徒は『平和丸』に乗船)平和教育はいいんですよ。僕は大賛成ですよ。僕も南部戦跡行って号泣しましたよ、はっきり言って。だけれどもね、こういういろんな多様な意見があって、いろんな考え方がある問題を全部収斂させて、教育させて、しかも抗議に使っている船に乗せて、同じ目線で見させるというのは。しかも、危険な場所で。実際にこういう事故が起きていて、しかも保険の有無もわからないで、登録制も確認しないで、そんなんでいいんですか? 本当に」
記者と学校側のやり取りは長時間位及んだが、記者からの質問形式に対する指摘を受け、司会者は「質問の形式のご指摘いただきました。ありがとうございます」と回答し「各記者1質問のみ」という形式は修正された。
(ABEMA NEWS)