岸田文雄首相は2月11日、慢性副鼻くう炎などの治療のため、都内の病院で内視鏡手術を受けた。異例だったのは国会開会中の手術で全身麻酔であることから、首相の臨時代理を置くことになった点だ。もう少し別のタイミングはなかったのか?などの声があがっているが、詳しい病状と、首相の考えについてレポートする。
【写真を見る】外遊先で“観光三昧”だった岸田総理の息子・翔太郎氏(32)「松野博一官房長官が10日の閣議後の記者会見で“首相の手術”を明かしたわけですが、少し前から、その情報は断片的に伝わってきていました。解散時期と首相の健康状態はトップシークレットですから、通常、首相や周辺はあれこれとけむに巻くような言動を取るものです。それにしても、現職首相が全身麻酔をして手術を受けるのは、戦後は例がないのではないかということで注視はしていました」
鼻をスッキリで、反転攻勢となるか? と、政治部デスク。もっとも、病名がダミーとかそういうことはないそうで、「鼻の疾患を専門とするクリニックの名前がわかったあたりから、鼻づまりが限界に来たのかもなぁという風に感じました」(同)完治には手術しかない「首相動静」欄を確認すると、2022年11月、12月、そして年明け1月と、このクリニックへ通院していることがわかる。「ここ最近は特にそうですが、映像を通じても首相の鼻が常に詰まっている感じが伝わっていたことと思います。風邪をこじらせ続けているようにも映り、一国のかじ取りを担う宰相としては何だか頼りなく見えたかもしれません」(同) 放置しても良くなることはないが、急激に悪化するというような状態ではないらしい。 であれば、手術時期の選択肢はもう少し別のものもあったのではないかと素人目には感じるところだ。「確かにそうですね。そこまで緊迫してないとはいえ国会開会中ですからね。年末の休みの間にでもできたのではないかという指摘は当然あると思います。”完治には手術しかなく、いずれどこかでやらなければならないという状況を薬の服用などで先延ばしにしてきたが、ついに我慢できなくなったのではないか”との見方があります」(同) 鼻が詰まっていては集中力に欠けるというのは、誰しも身に覚えのあるところだろう。首相の焦り「別の関係者に聞くと、“首相の焦り”を感じると言っていました。全身麻酔の手術をしても入院はせずに、通院とした点について、“健在ぶりをアピールしたかったのではないか”ということでした。去年、コロナに感染した時も早めにリモートで職務復帰して、元気さを演出しようとしていましたよね。あの時も、しっかり休めば良いのにとの声が結構あがりましたが、とにかく早く顔を見せようとした。支持率が思うように回復しない点を普段から気にしていることのあらわれかもしれません」(同) 他方、自民党の閣僚経験者によると、「5月に首相の地元・広島で開かれるG7サミットに向けて、首相は意気軒高ですね」とのこと。「前のめりではないかというくらいかなり気持ちが入っている。サミットの成果を強調することで求心力を高めたいとの狙いがあるのは間違いないでしょう。統一地方選、補選、そして晴れ舞台のサミットを迎えるにあたって懸念材料は出来る限り取り除いておきたい。その1つが今回の手術だったということでしょう。党内にはサミットを機に辞任するという”花道論”を吹聴する人もいますが、まったくそんなことはないと思いますよ」(同) 昨年後半からは閣僚の辞任が相次ぎ、最近では長男の政務秘書官・翔太郎氏の外遊時における観光問題、側近だった荒井勝喜秘書官のLGBTへの差別発言からの更迭と、秘書官関連での失点が重なっている。 懸案だった手術を終えたことで、反転攻勢に転じることができるか。デイリー新潮編集部
「松野博一官房長官が10日の閣議後の記者会見で“首相の手術”を明かしたわけですが、少し前から、その情報は断片的に伝わってきていました。解散時期と首相の健康状態はトップシークレットですから、通常、首相や周辺はあれこれとけむに巻くような言動を取るものです。それにしても、現職首相が全身麻酔をして手術を受けるのは、戦後は例がないのではないかということで注視はしていました」
と、政治部デスク。もっとも、病名がダミーとかそういうことはないそうで、
「鼻の疾患を専門とするクリニックの名前がわかったあたりから、鼻づまりが限界に来たのかもなぁという風に感じました」(同)
「首相動静」欄を確認すると、2022年11月、12月、そして年明け1月と、このクリニックへ通院していることがわかる。
「ここ最近は特にそうですが、映像を通じても首相の鼻が常に詰まっている感じが伝わっていたことと思います。風邪をこじらせ続けているようにも映り、一国のかじ取りを担う宰相としては何だか頼りなく見えたかもしれません」(同)
放置しても良くなることはないが、急激に悪化するというような状態ではないらしい。 であれば、手術時期の選択肢はもう少し別のものもあったのではないかと素人目には感じるところだ。
「確かにそうですね。そこまで緊迫してないとはいえ国会開会中ですからね。年末の休みの間にでもできたのではないかという指摘は当然あると思います。”完治には手術しかなく、いずれどこかでやらなければならないという状況を薬の服用などで先延ばしにしてきたが、ついに我慢できなくなったのではないか”との見方があります」(同)
鼻が詰まっていては集中力に欠けるというのは、誰しも身に覚えのあるところだろう。
「別の関係者に聞くと、“首相の焦り”を感じると言っていました。全身麻酔の手術をしても入院はせずに、通院とした点について、“健在ぶりをアピールしたかったのではないか”ということでした。去年、コロナに感染した時も早めにリモートで職務復帰して、元気さを演出しようとしていましたよね。あの時も、しっかり休めば良いのにとの声が結構あがりましたが、とにかく早く顔を見せようとした。支持率が思うように回復しない点を普段から気にしていることのあらわれかもしれません」(同)
他方、自民党の閣僚経験者によると、「5月に首相の地元・広島で開かれるG7サミットに向けて、首相は意気軒高ですね」とのこと。
「前のめりではないかというくらいかなり気持ちが入っている。サミットの成果を強調することで求心力を高めたいとの狙いがあるのは間違いないでしょう。統一地方選、補選、そして晴れ舞台のサミットを迎えるにあたって懸念材料は出来る限り取り除いておきたい。その1つが今回の手術だったということでしょう。党内にはサミットを機に辞任するという”花道論”を吹聴する人もいますが、まったくそんなことはないと思いますよ」(同)
昨年後半からは閣僚の辞任が相次ぎ、最近では長男の政務秘書官・翔太郎氏の外遊時における観光問題、側近だった荒井勝喜秘書官のLGBTへの差別発言からの更迭と、秘書官関連での失点が重なっている。
懸案だった手術を終えたことで、反転攻勢に転じることができるか。
デイリー新潮編集部