クマの出没が相次いでいた円山動物園では11月12日、箱わなにかかったクマ1頭が駆除されました。連日侵入を繰り返していたクマと同一個体である可能性が高いということです。9日から閉園が続く札幌市中央区の円山動物園。(長野記者)「園内でクマが捕獲され、先ほど駆除されたということです」普段は家族連れなどで賑わう観光地で午前11時半ごろ、箱わなにかかったクマ1頭が駆除されました。動物園では9日から連日、クマの侵入を確認。
札幌市によりますと、12日に駆除されたクマは体長1メートル13センチのオスで、園内に出没していたクマと同一個体である可能性が高いということです。
近くの住宅街では12日朝。(向山記者)「玄関の目の前にはクマの足跡がくっきりと残されています」降り積もった雪にはっきりと残されたクマの足跡。(通報した人)「2階の窓からのぞいたらそれらしい足跡があったので警察に連絡した。クマスプレー。山菜採りに使っていたけど、いまは家の前で使うようになって。まさかこんな所にね」大きさ10センチから15センチほどのクマの足跡が、住宅街を歩きまわったように残されていました。通学の時間帯には町内会の大人たちが児童の登校を見守る様子もー(保護者)「生活がだんだん大変になってくるんですよね。バス停まで連れていくのが危ないけれど仕事もそれで休むと…子どもがそれでなにかあったら…」(山本記者)「パトカーいますね。住宅街のすぐそばですね。ここにクマ?!」住宅街でも連日クマの目撃が相次ぎました。(無線)「クマの目撃がありました。不要不急の外出は控えるようにしてください」真っ暗な冬の北海道。人の生活圏に忍び寄るクマに住宅街には緊張が走りました。この周辺では9日に円山動物園の敷地内でクマの足跡が見つかりーその後、北海道神宮の駐車場付近の道路や円山西町10丁目などの住宅街でも出没が相次ぎました。札幌市によると、円山西町で見つかった足跡をたどると動物園のフェンスにつながっていたことから、駆除されたクマは同一個体である可能性は高いとしています。それ以外の場所については、別の個体の可能性も否定できないとしています。専門家は駆除後もクマが再び住宅街に出没する可能性を指摘します。(北大獣医学研究院 坪田敏男教授)「冬眠に必要なエネルギーをためておく、体脂肪を蓄積しないといけないが、どんぐりや果実類が山の中にないとなると、彼らも必死にエサを探し回る。冬眠中にエネルギーが足りなくなるということを恐れて、いつまでもエサを探し続けるパターンがある。エサを求めて人里に出てくるクマもいると思いますので、もうしばらくは警戒しないといけない」札幌市は、閉鎖中の円山公園は25日に再開する予定で、円山動物園は安全確認後に再開見通しを公表するとしています。