埼玉県越生町で川を40年不法占拠している“巨大な建物”。建物の影響で周辺では水害が起き、周辺住民は苦しんでいます。長年にわたり、原状回復に至りませんでしたが、ついに町が法的解決に向けて乗り出しました。【写真を見る】「前の前の前の町長に許可得た」“口約束”を理由に40年間不法占拠された川 町が対応へ「訴訟を視野に」【調査報道】■町からの勧告書も無視…不法占拠の事実を否定する建築工事会社社長町が管理する川をまたいで立っている、緑や青の板が貼り付けられた巨大な建物。地元の建築工事会社のもので、40年も前から川を不法に占拠しているというのです。増築を繰り返してきたこの建物。近隣住民も中の様子はよくわからないといいます。
近隣町民「大雨が降ると水があふれてくるのが怖いです」流れる水の量が制限されてしまった川は、2022年7月の大雨で氾濫。近隣住民「お願いしたいのは身の安全ですよね」町は2022年6月までに原状を回復するよう会社側に勧告書を出していましたが…社長「勧告を出した人は(経緯が)わからない人が出しているの!前の前の前の町長かな。黙認するから、使ってもいいってことになってたの!」“前の前の前の町長”から“口約束”で川を使用する許可をもらったと主張。しかし、これを町は否定しています。Q周りの方が心配しているが社長「そんな人はいないよ!」Qご自身は悪いところは一切ない社長「うちのほうは対応はできているつもり。町のほうにも自信もって言える」Nスタでは、こうした状況を取材し、10月11日に放送。その後、勧告の期限から半年が経過しましたが、いまだに川は占拠されたままです。■重い腰を上げた町長 初開催の住民説明会で「“訴訟”を視野に入れて問題を解決したい」ところが放送後、事態は大きく動いていたのです!2021年に就任した新井康之町長が住民の元にやってきたというのです。そして川の不法占拠について、初めて住民説明会が開かれることに。近隣住民「これから先の工程を、ある程度示してくれと申し上げている。そうしないと住民は納得できないですよ」11月、Nスタは住民説明会を独占取材!参加したのは、川が占拠されている地域の住民約30人です。会の冒頭、町長から重大な発表が!新井町長「“訴訟”を視野に入れて準備してこの問題を法的にも解決したい、このように思っております」町はこれまで、少なくとも61回にわたり法的拘束力のない指導を行ってきましたが、ついに訴訟に向けた準備を始めるというのです。町はすでに10月に対策本部を設置。今後は対策本部の担当者が継続して対応に当たるといいます。しかし40年もの間、問題が解決されてこなかっただけに住民からは不安と不信の声が…近隣住民「ただ “指導してる、指導してる”で、ここまできてるわけですよ。私たちがお墓に入るまで、決着もつかないっていうことであれば、本当にこの町はどうかしているんじゃないかって、私たちはそういう認識をするわけです」Q訴訟となるとどのくらい年月、期間がかかる?新井町長「裁判所のペースになりますので、いつどのようになるかということは、ちょっとわからない状態でございます」いつまでに解決するのか…住民が一番知りたいことは明示されませんでした。近隣住民「満足はいかないね、全然。はっきりした答えが出てないんだもんね。少しずるいよな」近隣住民「どこまでやってくれるのかって感じ。早急に働きかけてもらわないと。期待はしています」今回開かれた住民説明会には、川を占拠している会社の関係者は参加しませんでした。近隣住民「もし反論があるなら話されるべきじゃないですか」近隣住民「欠席裁判みたいになっちゃったので、弁明の機会もあったほうがよかったかなと」Nスタは会社側に文書で質問をしましたが、12月19日時点で回答はありません。■町長「25年までの任期中に解決」弁護士「判決まで1年かからない」12月の町議会でも、この問題について町の姿勢が問われました。越生町議会水沢努副議長「越生町に法はあるのか、正義はあるのかを問う本質的な問題として考えているのか、そういう自覚があるのかどうか」町長に改めて解決の目途について尋ねると…新井町長「裁判を起こした以上、解決したいのは山々です」Q任期中に解決できるならしたい新井町長「そういうことですね」町長の今の任期は、2025年2月までです。訴訟の準備を進める町。提訴してから判決が出るまでにどのくらい時間がかかるのでしょうか。不動産の訴訟に詳しい弁護士はーみずほ中央法律事務所三平聡史代表弁護士「我々は“争点”と言いますけれど、特に裁判所が判断するような争点はほとんどないと思うので、1年もかからない、半年くらいで終わっても全然おかしくないと思います」■不法占拠の会社社長も“住民のひとり” 町側「裁判を始めるまでの準備に時間かけたい」井上貴博キャスター:取材した古瀬ディレクターに聞きます。40年間という長い期間ですけど、ずっと住民のみなさんの声というのは届かなかったわけですか。古瀬真理奈ディレクター:これまで住民たちも、町に何度も掛け合ってはいたんですけれども、なるべく穏便に、話し合いでの解決を目指して対応してきました。町によりますと、会社側が威圧的な態度をとってくるなどして、話し合いが進まなかったといいます。そして、その間に大雨が起きて川が氾濫してしまったということで、やっと町側も重い腰を上げたというところです。役場には人事異動などがあり、継続して40年間対応してこなかったことが、問題解決できなかった要因ではないかと、住民の方は話していました。ホラン千秋キャスター:三平弁護士が、やろうと思えば1年でもできる、と言っていましたが、それぐらいのスピード感で町は対応していこうという気持ちなんでしょうか?古瀬ディレクター:ただ町は、この会社側も住民の1人というふうに捉えていますので、慎重に事を進めていければというふうに考えています。裁判を始めれば1年ぐらいと三平弁護士が話していましたが、町長などは、裁判を始めるまでに、ちゃんとした準備に時間をかけたいというふうに話していました。井上キャスター:口約束から全てが始まっているので、資料も残っていない。こういうことってほかの自治体にも多くあるのかなというふうに感じます。ただ第一歩として訴訟ということになりましたので、これからも取材を続けていきたいと思います。
埼玉県越生町で川を40年不法占拠している“巨大な建物”。建物の影響で周辺では水害が起き、周辺住民は苦しんでいます。長年にわたり、原状回復に至りませんでしたが、ついに町が法的解決に向けて乗り出しました。
【写真を見る】「前の前の前の町長に許可得た」“口約束”を理由に40年間不法占拠された川 町が対応へ「訴訟を視野に」【調査報道】■町からの勧告書も無視…不法占拠の事実を否定する建築工事会社社長町が管理する川をまたいで立っている、緑や青の板が貼り付けられた巨大な建物。地元の建築工事会社のもので、40年も前から川を不法に占拠しているというのです。増築を繰り返してきたこの建物。近隣住民も中の様子はよくわからないといいます。
近隣町民「大雨が降ると水があふれてくるのが怖いです」流れる水の量が制限されてしまった川は、2022年7月の大雨で氾濫。近隣住民「お願いしたいのは身の安全ですよね」町は2022年6月までに原状を回復するよう会社側に勧告書を出していましたが…社長「勧告を出した人は(経緯が)わからない人が出しているの!前の前の前の町長かな。黙認するから、使ってもいいってことになってたの!」“前の前の前の町長”から“口約束”で川を使用する許可をもらったと主張。しかし、これを町は否定しています。Q周りの方が心配しているが社長「そんな人はいないよ!」Qご自身は悪いところは一切ない社長「うちのほうは対応はできているつもり。町のほうにも自信もって言える」Nスタでは、こうした状況を取材し、10月11日に放送。その後、勧告の期限から半年が経過しましたが、いまだに川は占拠されたままです。■重い腰を上げた町長 初開催の住民説明会で「“訴訟”を視野に入れて問題を解決したい」ところが放送後、事態は大きく動いていたのです!2021年に就任した新井康之町長が住民の元にやってきたというのです。そして川の不法占拠について、初めて住民説明会が開かれることに。近隣住民「これから先の工程を、ある程度示してくれと申し上げている。そうしないと住民は納得できないですよ」11月、Nスタは住民説明会を独占取材!参加したのは、川が占拠されている地域の住民約30人です。会の冒頭、町長から重大な発表が!新井町長「“訴訟”を視野に入れて準備してこの問題を法的にも解決したい、このように思っております」町はこれまで、少なくとも61回にわたり法的拘束力のない指導を行ってきましたが、ついに訴訟に向けた準備を始めるというのです。町はすでに10月に対策本部を設置。今後は対策本部の担当者が継続して対応に当たるといいます。しかし40年もの間、問題が解決されてこなかっただけに住民からは不安と不信の声が…近隣住民「ただ “指導してる、指導してる”で、ここまできてるわけですよ。私たちがお墓に入るまで、決着もつかないっていうことであれば、本当にこの町はどうかしているんじゃないかって、私たちはそういう認識をするわけです」Q訴訟となるとどのくらい年月、期間がかかる?新井町長「裁判所のペースになりますので、いつどのようになるかということは、ちょっとわからない状態でございます」いつまでに解決するのか…住民が一番知りたいことは明示されませんでした。近隣住民「満足はいかないね、全然。はっきりした答えが出てないんだもんね。少しずるいよな」近隣住民「どこまでやってくれるのかって感じ。早急に働きかけてもらわないと。期待はしています」今回開かれた住民説明会には、川を占拠している会社の関係者は参加しませんでした。近隣住民「もし反論があるなら話されるべきじゃないですか」近隣住民「欠席裁判みたいになっちゃったので、弁明の機会もあったほうがよかったかなと」Nスタは会社側に文書で質問をしましたが、12月19日時点で回答はありません。■町長「25年までの任期中に解決」弁護士「判決まで1年かからない」12月の町議会でも、この問題について町の姿勢が問われました。越生町議会水沢努副議長「越生町に法はあるのか、正義はあるのかを問う本質的な問題として考えているのか、そういう自覚があるのかどうか」町長に改めて解決の目途について尋ねると…新井町長「裁判を起こした以上、解決したいのは山々です」Q任期中に解決できるならしたい新井町長「そういうことですね」町長の今の任期は、2025年2月までです。訴訟の準備を進める町。提訴してから判決が出るまでにどのくらい時間がかかるのでしょうか。不動産の訴訟に詳しい弁護士はーみずほ中央法律事務所三平聡史代表弁護士「我々は“争点”と言いますけれど、特に裁判所が判断するような争点はほとんどないと思うので、1年もかからない、半年くらいで終わっても全然おかしくないと思います」■不法占拠の会社社長も“住民のひとり” 町側「裁判を始めるまでの準備に時間かけたい」井上貴博キャスター:取材した古瀬ディレクターに聞きます。40年間という長い期間ですけど、ずっと住民のみなさんの声というのは届かなかったわけですか。古瀬真理奈ディレクター:これまで住民たちも、町に何度も掛け合ってはいたんですけれども、なるべく穏便に、話し合いでの解決を目指して対応してきました。町によりますと、会社側が威圧的な態度をとってくるなどして、話し合いが進まなかったといいます。そして、その間に大雨が起きて川が氾濫してしまったということで、やっと町側も重い腰を上げたというところです。役場には人事異動などがあり、継続して40年間対応してこなかったことが、問題解決できなかった要因ではないかと、住民の方は話していました。ホラン千秋キャスター:三平弁護士が、やろうと思えば1年でもできる、と言っていましたが、それぐらいのスピード感で町は対応していこうという気持ちなんでしょうか?古瀬ディレクター:ただ町は、この会社側も住民の1人というふうに捉えていますので、慎重に事を進めていければというふうに考えています。裁判を始めれば1年ぐらいと三平弁護士が話していましたが、町長などは、裁判を始めるまでに、ちゃんとした準備に時間をかけたいというふうに話していました。井上キャスター:口約束から全てが始まっているので、資料も残っていない。こういうことってほかの自治体にも多くあるのかなというふうに感じます。ただ第一歩として訴訟ということになりましたので、これからも取材を続けていきたいと思います。
町が管理する川をまたいで立っている、緑や青の板が貼り付けられた巨大な建物。地元の建築工事会社のもので、40年も前から川を不法に占拠しているというのです。増築を繰り返してきたこの建物。近隣住民も中の様子はよくわからないといいます。
近隣町民「大雨が降ると水があふれてくるのが怖いです」
流れる水の量が制限されてしまった川は、2022年7月の大雨で氾濫。
近隣住民「お願いしたいのは身の安全ですよね」
町は2022年6月までに原状を回復するよう会社側に勧告書を出していましたが…
社長「勧告を出した人は(経緯が)わからない人が出しているの!前の前の前の町長かな。黙認するから、使ってもいいってことになってたの!」
“前の前の前の町長”から“口約束”で川を使用する許可をもらったと主張。しかし、これを町は否定しています。
Q周りの方が心配しているが社長「そんな人はいないよ!」
Qご自身は悪いところは一切ない社長「うちのほうは対応はできているつもり。町のほうにも自信もって言える」
Nスタでは、こうした状況を取材し、10月11日に放送。その後、勧告の期限から半年が経過しましたが、いまだに川は占拠されたままです。
ところが放送後、事態は大きく動いていたのです!
2021年に就任した新井康之町長が住民の元にやってきたというのです。そして川の不法占拠について、初めて住民説明会が開かれることに。
近隣住民「これから先の工程を、ある程度示してくれと申し上げている。そうしないと住民は納得できないですよ」
11月、Nスタは住民説明会を独占取材!参加したのは、川が占拠されている地域の住民約30人です。
会の冒頭、町長から重大な発表が!
新井町長「“訴訟”を視野に入れて準備してこの問題を法的にも解決したい、このように思っております」
町はこれまで、少なくとも61回にわたり法的拘束力のない指導を行ってきましたが、ついに訴訟に向けた準備を始めるというのです。町はすでに10月に対策本部を設置。今後は対策本部の担当者が継続して対応に当たるといいます。
しかし40年もの間、問題が解決されてこなかっただけに住民からは不安と不信の声が…
近隣住民「ただ “指導してる、指導してる”で、ここまできてるわけですよ。私たちがお墓に入るまで、決着もつかないっていうことであれば、本当にこの町はどうかしているんじゃないかって、私たちはそういう認識をするわけです」
Q訴訟となるとどのくらい年月、期間がかかる?新井町長「裁判所のペースになりますので、いつどのようになるかということは、ちょっとわからない状態でございます」
いつまでに解決するのか…住民が一番知りたいことは明示されませんでした。
近隣住民「満足はいかないね、全然。はっきりした答えが出てないんだもんね。少しずるいよな」近隣住民「どこまでやってくれるのかって感じ。早急に働きかけてもらわないと。期待はしています」
今回開かれた住民説明会には、川を占拠している会社の関係者は参加しませんでした。
近隣住民「もし反論があるなら話されるべきじゃないですか」近隣住民「欠席裁判みたいになっちゃったので、弁明の機会もあったほうがよかったかなと」
Nスタは会社側に文書で質問をしましたが、12月19日時点で回答はありません。
12月の町議会でも、この問題について町の姿勢が問われました。
越生町議会水沢努副議長「越生町に法はあるのか、正義はあるのかを問う本質的な問題として考えているのか、そういう自覚があるのかどうか」
町長に改めて解決の目途について尋ねると…
新井町長「裁判を起こした以上、解決したいのは山々です」
Q任期中に解決できるならしたい新井町長「そういうことですね」
町長の今の任期は、2025年2月までです。
訴訟の準備を進める町。提訴してから判決が出るまでにどのくらい時間がかかるのでしょうか。
不動産の訴訟に詳しい弁護士はー
みずほ中央法律事務所三平聡史代表弁護士「我々は“争点”と言いますけれど、特に裁判所が判断するような争点はほとんどないと思うので、1年もかからない、半年くらいで終わっても全然おかしくないと思います」
井上貴博キャスター:取材した古瀬ディレクターに聞きます。40年間という長い期間ですけど、ずっと住民のみなさんの声というのは届かなかったわけですか。
古瀬真理奈ディレクター:これまで住民たちも、町に何度も掛け合ってはいたんですけれども、なるべく穏便に、話し合いでの解決を目指して対応してきました。町によりますと、会社側が威圧的な態度をとってくるなどして、話し合いが進まなかったといいます。そして、その間に大雨が起きて川が氾濫してしまったということで、やっと町側も重い腰を上げたというところです。役場には人事異動などがあり、継続して40年間対応してこなかったことが、問題解決できなかった要因ではないかと、住民の方は話していました。
ホラン千秋キャスター:三平弁護士が、やろうと思えば1年でもできる、と言っていましたが、それぐらいのスピード感で町は対応していこうという気持ちなんでしょうか?
井上キャスター:口約束から全てが始まっているので、資料も残っていない。こういうことってほかの自治体にも多くあるのかなというふうに感じます。ただ第一歩として訴訟ということになりましたので、これからも取材を続けていきたいと思います。