「普段は混雑する夜7時でもガラガラの状態です。本部からの指示で回転レーンも停止となり、店内は静まり返っています」
こう漏らすのは大手回転寿司チェーン「スシロー」の都内店舗の店長だ。
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’23年1月下旬、同チェーン店舗を訪れた高校生の客が醤油さしや湯飲みを舌で舐める動画がSNSで拡散。”ペロペロ事件”として世間を揺るがす事件に発展した。
回転寿司評論家の米川伸生氏は、スシローを含む回転寿司業界全体の落ち込みを危惧している。
「今回の件で大手チェーンに限らず、業界全体で客数減は加速すると思います。スシローの株価が急落し、1日で時価総額約170億円を喪失しましたが、同業他社も経営悪化は避けられません」意外な会社へ飛び火この余波は意外な会社にも飛び火するかもしれない。音響機器メーカー「オーディオテクニカ」だ。米川氏が続ける。「同社は’80年代の経営危機に際して、自動でシャリを握るロボットの製造販売を開始。今では、同分野で業界トップクラスを誇っており、多くの回転寿司店に卸しています」Photo by iStockオーディオ業界は’22年に老舗オンキヨーが破産するなど衰退の一途を辿っているが、オーディオテクニカは「すしロボット」で安定した収益をあげていた。だからこそ今回の事件は大きな痛手だ。 「もはや回転寿司業界に新規出店の余裕などない状況です。すしロボットの取引が激減すれば、オーディオテクニカは大事な収益源を失ってしまうわけです」(米川氏)オーディオテクニカの広報担当者に事件による影響を聞くと、「回答は控えさせていただきます」とのこと。ペロペロ事件の波紋はまだ広がりそうだ。「週刊現代」2023年2月11・18日号より
「今回の件で大手チェーンに限らず、業界全体で客数減は加速すると思います。スシローの株価が急落し、1日で時価総額約170億円を喪失しましたが、同業他社も経営悪化は避けられません」
この余波は意外な会社にも飛び火するかもしれない。音響機器メーカー「オーディオテクニカ」だ。米川氏が続ける。
「同社は’80年代の経営危機に際して、自動でシャリを握るロボットの製造販売を開始。今では、同分野で業界トップクラスを誇っており、多くの回転寿司店に卸しています」
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オーディオ業界は’22年に老舗オンキヨーが破産するなど衰退の一途を辿っているが、オーディオテクニカは「すしロボット」で安定した収益をあげていた。だからこそ今回の事件は大きな痛手だ。
「もはや回転寿司業界に新規出店の余裕などない状況です。すしロボットの取引が激減すれば、オーディオテクニカは大事な収益源を失ってしまうわけです」(米川氏)オーディオテクニカの広報担当者に事件による影響を聞くと、「回答は控えさせていただきます」とのこと。ペロペロ事件の波紋はまだ広がりそうだ。「週刊現代」2023年2月11・18日号より
「もはや回転寿司業界に新規出店の余裕などない状況です。すしロボットの取引が激減すれば、オーディオテクニカは大事な収益源を失ってしまうわけです」(米川氏)
オーディオテクニカの広報担当者に事件による影響を聞くと、「回答は控えさせていただきます」とのこと。ペロペロ事件の波紋はまだ広がりそうだ。
「週刊現代」2023年2月11・18日号より