大阪府高槻市で2021年7月、会社員の高井直子さん(当時54歳)が自宅の浴槽で溺死した事件で、高井さんへの殺人容疑などで再逮捕された養子で無職の高井凜容疑者(28)が1日朝、勾留先だった大阪府警福島署(大阪市福島区)の留置場でぐったりしているのが見つかり、心肺停止の状態で救急搬送されたことが府警への取材で判明した。凜容疑者は搬送先で治療を受けているという。
「空白の18分間」に何が 留置管理に問題点は 府警は凜容疑者がひものようなものを使って自殺を図ったとみて詳しい経緯を調べている。 府警留置管理課によると、1日午前7時過ぎ、福島署3階にある留置場の一室で凜容疑者がぐったりしているのを、巡回中の署員が発見して119番した。一時は意識不明の状態で搬送され、搬送先の医療機関で治療が続いている。署員がこの約15分前に室内の様子を確認した際、凜容疑者は布団で寝ていたという。 凜容疑者は取り調べ担当の捜査員と雑談を交わす中で、「逃走を考えている」と発言したことがあった。府警は留置場での様子も踏まえ、逃走などが懸念される「特異被留置者」に指定。深夜帯の巡回数を増やして警戒していた。 凜容疑者は外資系の生命保険会社で保険外交員として働いていた時、顧客になった高井さんと知り合ったとされる。事件の約5カ月前、高井さんと養子縁組を結んだ。高井さんにかかっていた生命保険約1億5000万円の受取人になっていたほか、高井さんの預貯金など約1億円を相続している。 高井さんは21年7月、自宅の浴槽で亡くなっているのが発見された。防犯カメラ映像の捜査などから、凜容疑者の関与が浮上した。 府警は22年7月、高井さんとの養子縁組届を偽造した容疑で凜容疑者を逮捕。8月10日にクレジットカードの支払いを不正に免れたとする詐欺容疑で再逮捕し、同25日には高井さんへの殺人容疑などでの再逮捕に踏み切った。府警は凜容疑者が保険金や財産を目的に高井さんを殺害したとみているが、凜容疑者は取り調べに黙秘を続けていた。【郡悠介、洪香】
府警は凜容疑者がひものようなものを使って自殺を図ったとみて詳しい経緯を調べている。
府警留置管理課によると、1日午前7時過ぎ、福島署3階にある留置場の一室で凜容疑者がぐったりしているのを、巡回中の署員が発見して119番した。一時は意識不明の状態で搬送され、搬送先の医療機関で治療が続いている。署員がこの約15分前に室内の様子を確認した際、凜容疑者は布団で寝ていたという。
凜容疑者は取り調べ担当の捜査員と雑談を交わす中で、「逃走を考えている」と発言したことがあった。府警は留置場での様子も踏まえ、逃走などが懸念される「特異被留置者」に指定。深夜帯の巡回数を増やして警戒していた。
凜容疑者は外資系の生命保険会社で保険外交員として働いていた時、顧客になった高井さんと知り合ったとされる。事件の約5カ月前、高井さんと養子縁組を結んだ。高井さんにかかっていた生命保険約1億5000万円の受取人になっていたほか、高井さんの預貯金など約1億円を相続している。
高井さんは21年7月、自宅の浴槽で亡くなっているのが発見された。防犯カメラ映像の捜査などから、凜容疑者の関与が浮上した。
府警は22年7月、高井さんとの養子縁組届を偽造した容疑で凜容疑者を逮捕。8月10日にクレジットカードの支払いを不正に免れたとする詐欺容疑で再逮捕し、同25日には高井さんへの殺人容疑などでの再逮捕に踏み切った。府警は凜容疑者が保険金や財産を目的に高井さんを殺害したとみているが、凜容疑者は取り調べに黙秘を続けていた。【郡悠介、洪香】