福島県三春町の国道で2020年5月、清掃活動中の男女2人をトラックで故意にはねて殺害したなどとして、殺人罪などに問われた住所不定、無職盛藤吉高被告(53)の控訴審判決が16日、仙台高裁であった。
深沢茂之裁判長は、1審・福島地裁郡山支部の裁判員裁判の死刑判決を破棄し、無期懲役を言い渡した。
判決によると、盛藤被告は20年5月31日朝、郡山市の駐車場で盗んだトラックを無免許で運転。三春町の国道288号で時速約60~70キロに加速させ、路上で清掃活動をしていた会社員橋本茂さん(当時55歳)と同三瓶美保さん(同52歳)をはねて殺害し、そのまま逃走した。
1審判決は、事件の2日前に刑務所を出た盛藤被告が、新しい人間関係や仕事に不安を募らせ、刑務所に戻るために犯行に及んだと指摘。「人命軽視が甚だしい」として死刑を言い渡していた。