高市氏が異例の党本部批判…奈良知事選で「県連推薦と別候補を応援」

自民党奈良県連会長を務める高市経済安全保障相は11日の閣議後記者会見で、県連の推薦で出馬した新人候補が敗れた県知事選を巡り、「県連推薦以外の方を党本部が応援したのではないかという疑問の声も上がっている」と述べた。
党本部の対応を批判する異例の発言で、党内に波紋が広がっている。
9日に投開票された奈良県知事選を巡っては、県連は高市氏の主導により、元総務官僚の平木省氏を推薦した。だが、現職の荒井正吾氏がこれに反発し、自民の一部県議らが荒井氏の支援に回る保守分裂選挙となった。この結果、日本維新の会が公認した山下真氏が当選を果たした。
高市氏は11日の閣議後記者会見で、「県連が分裂したように報じられることは、平木候補を全力で応援してくれた県連の皆様から耐え難いという声をいただいている」とし、約10分間にわたって持論を展開した。
知事選が告示された3月23日、荒井氏が出陣式で自民の森山裕選挙対策委員長から電話で激励を受けたという報道も紹介。「(党本部の対応を)検証するのも、党本部と県連の信頼をしっかりと構築していくためには大切なことだ」と主張した。
高市氏の発言について、自民幹部は「高市氏は県連会長だ。現職候補との調整を怠った自身の責任を棚に上げて、党本部に責任を転嫁するような発言は問題だ」と、不快感をあらわにした。