包帯が巻かれた足に残る痛々しい傷。まさかの暴行事件は、23日、栃木県の足利市議会で起きました。
足利市・小林貴浩市議:ちょうどこの辺で蹴られて、倒れ込んだ。診断は打撲とねんざ。
暴行を受けたのは小林貴浩市議(57)。相手は76歳で、議会最年長の三田研三市議(76)です。
足利市・三田研三市議:蹴ったのは俺が悪い。誰が何を言おうと俺が悪い。だけど、そう持っていったのが小林。
年の瀬の市議会で起きた暴行事件。きっかけは、市議団が市内の中学校を回り生徒に行う出前授業でした。
市議会は市議らに対し、授業の場で政治的な発言をしないよう求めていましたが、三田市議は守らなかったといいます。
足利市・小林貴浩市議:(三田市議は)自己紹介のときに「私は皆さんにお金を配れるように運動をしている人間です」とか、選挙に出たときの公約みたいなことを言い始めた。
そこで市議会は23日、議員懇談会を開き、三田市議に態度を改めるよう求めました。
事件が起きたのは懇談会の終了直後。三田市議の振る舞いを小林市議が注意したところ、強く蹴られたのです。
被害者本人は当時の様子を「(三田市議が)職員に対して暴言を吐いていたので、『あなたもいい年なんだから、いいかげんにしろ』と確かに強く言った。ここまで来て、前蹴りで思い切り蹴られた。激痛が走って、このまま倒れた」と再現しながら語りました。
蹴られたひざに残る生々しい傷。医師からは、全治3週間の診断を受けたといいます。
26日、「イット!」の直撃取材に三田市議は、暴行した理由の1つは懇談会での発言を小林市議に遮られたことだと主張しました。
足利市・三田研三市議:平気で俺がしゃべっているのに話をする。(Q.どの市議が?)小林だよ!俺が蹴っ飛ばしたやつだよ! 「お前やるのか」って小林が言ったから、「なんだ」って言って俺が蹴った。
小林市議から挑発を受けたとする三田市議。
足利市・三田研三市議:蹴っ飛ばしたことは事実だから申し訳ない。蹴っ飛ばした理由は色々ある。
出前授業で政治的な発言をしたとされることについては、こう反論しました。
足利市・三田研三市議:市議会議員が「こういうふうに言いなさい」とか、それを認めているような市議会議員ではどうにもならない。市は良くならない。
暴行を受けた小林市議は24日、警察に被害届を提出し受理されました。
はたして、暴行の引き金となった懇談会はどのようなものだったのか。出席した他の市議によると、お互いを罵り合うような言葉が飛び交っていたといいます。
出席していた別の市議:大人げないなと思って見ていました。こんなことより、市のために何かをした方がいい。
足利市民も「皆さん税金でやっている。市のことを考えてほしい」「もっと他にやることがある気がする」「暴力はいかん。議会なんだから言葉で勝負してくれないと」とあきれ顔です。
今回の事態を受け足利市議会は、年明け早々にも政治倫理審査会を開き、事実関係を確かめる方針です。