「いつか捕まるとは思っていましたが、悪いことしたとは思ってないですね」──飄々とした雰囲気でそう語る男性の名は、沢村雅也氏(32)。昨年11月、都内の民泊施設を中心に乱交パーティを複数回開催したとして、売春防止法違反で警視庁に逮捕された主催者の一人である。この事件では沢村氏を始め、その恋人女性ら男女5人が逮捕されたが、沢村氏は主催グループのリーダー的存在だった。(※以下、一部性的な表現を含む記述があります。ご注意ください)
【写真3枚】主催したパーティなどについて話した黒髪に黒アウター姿の沢村氏。今後は「もちろんパーティの主催はしません」と語る 彼らがパーティの主催で稼いだ金額は10年間で実に6億5000万円以上。1月12日に保釈されたばかりという沢村氏が、週刊ポストの取材に応じた。「パーティの主催は2012年ごろからですね。1か月で多い時に15回。シティホテルや民泊でやっていました。もともと僕は性欲が強くて、18歳の頃からそうしたパーティに参加していたんです。当時、パーティに参加する女性は40~50代が多かったんですが、もう少し若い女性相手のほうがいいっていう男性は多いだろうなと思って。それで自分が主催側に回りました」(沢村氏。以下同) 誰もが気軽に遊べる場所を作りたかった、と沢村氏は主張する。「ルックスもコミュ力も関係なく、分け隔てなく遊べる場を作りたいと思ったんです。30歳まではカラオケチェーン店の営業職で働きながらパーティ主催をしていて、27歳の頃に脱サラ。以降は風俗店の店長をしながらパーティを開いていました」 当時から参加費用を募ってはいたものの“生業”ではなかったという沢村氏。パーティの主催だけで生計を立て始めたのは30歳の時だった。「風俗店を辞めて、その頃からセクシー女優が参加する日など、いろんな趣向を凝らしたパーティを開催するようになりました。SNSで参加者を募って、参加費は会によって5000円から6万円まで幅を持たせた。もちろん支払いは男性のみ。参加女性には僕が月額15万円から20万円支払ったり、1回ごとに3万円から5万円払ったり、女性ごとにまちまち。結果的にパーティの収益で生活していましたが、最初から営利目的でやってたつもりはないです」 莫大な金を生んだパーティ。いつか警察が来るだろうという予感はしていたと沢村氏は明かす。「11月6日の14時頃、浅草の民泊でパーティをしている最中でした。バーっと10名ほどの刑事が部屋になだれ込んできて、『売春防止法違反で現行犯逮捕する』って。“ついに来たか”と思いました。元々、性格上慌てるタイプじゃないので冷静にしていました。刑事からも『随分落ち着いているね、本当に初犯なの?』と聞かれた」 その後、留置所内では頻繁に取り調べを受けた沢村氏。1月12日に保釈されるまで、留置所内では淡々と過ごしていたという。「留置所での暮らしも、2日に1回の取り調べがある以外は本当に時間を持て余し、漫画の『キングダム』を全巻読んでいた。結局、留置所で年を越したけど、僕的には“だからなんだ”という感じでしたね。中にいた人は結構精神的に追い詰められている人も多く、睡眠薬を飲んでる人もいましたけど、僕は病むこともありませんでした。でも、唯一つらかったのは5日に1度しかお風呂に入れなかったことですね」 今は2月中旬に行なわれる予定の裁判を待つ日々だ。「当面、暮らすだけの蓄えはあるので。そのお金で食い繋いでいくことは数年はできるかなという感じです。今後はどんな仕事をしようとかは考えていません。でも、もちろんパーティの主催はしません。でも、参加はします。留置所からは1月12日に出てきましたが、その2日後にはパーティに参加したし、今日のこの取材前も別のパーティに参加していたくらいです。同種のパーティの摘発はこれからも続くと思いますけど、やめなければいけない趣味でもないし、怖くはないです。ただ、迷惑をかけたメンバーたちには謝らなくてはいけないな、と思っています」 そう言って不敵に笑うと、夜の街に消えていった。取材・文/河合桃子(ジャーナリスト)※週刊ポスト2023年2月24日号
彼らがパーティの主催で稼いだ金額は10年間で実に6億5000万円以上。1月12日に保釈されたばかりという沢村氏が、週刊ポストの取材に応じた。
「パーティの主催は2012年ごろからですね。1か月で多い時に15回。シティホテルや民泊でやっていました。もともと僕は性欲が強くて、18歳の頃からそうしたパーティに参加していたんです。当時、パーティに参加する女性は40~50代が多かったんですが、もう少し若い女性相手のほうがいいっていう男性は多いだろうなと思って。それで自分が主催側に回りました」(沢村氏。以下同)
誰もが気軽に遊べる場所を作りたかった、と沢村氏は主張する。
「ルックスもコミュ力も関係なく、分け隔てなく遊べる場を作りたいと思ったんです。30歳まではカラオケチェーン店の営業職で働きながらパーティ主催をしていて、27歳の頃に脱サラ。以降は風俗店の店長をしながらパーティを開いていました」
当時から参加費用を募ってはいたものの“生業”ではなかったという沢村氏。パーティの主催だけで生計を立て始めたのは30歳の時だった。
「風俗店を辞めて、その頃からセクシー女優が参加する日など、いろんな趣向を凝らしたパーティを開催するようになりました。SNSで参加者を募って、参加費は会によって5000円から6万円まで幅を持たせた。もちろん支払いは男性のみ。参加女性には僕が月額15万円から20万円支払ったり、1回ごとに3万円から5万円払ったり、女性ごとにまちまち。結果的にパーティの収益で生活していましたが、最初から営利目的でやってたつもりはないです」
莫大な金を生んだパーティ。いつか警察が来るだろうという予感はしていたと沢村氏は明かす。
「11月6日の14時頃、浅草の民泊でパーティをしている最中でした。バーっと10名ほどの刑事が部屋になだれ込んできて、『売春防止法違反で現行犯逮捕する』って。“ついに来たか”と思いました。元々、性格上慌てるタイプじゃないので冷静にしていました。刑事からも『随分落ち着いているね、本当に初犯なの?』と聞かれた」
その後、留置所内では頻繁に取り調べを受けた沢村氏。1月12日に保釈されるまで、留置所内では淡々と過ごしていたという。
「留置所での暮らしも、2日に1回の取り調べがある以外は本当に時間を持て余し、漫画の『キングダム』を全巻読んでいた。結局、留置所で年を越したけど、僕的には“だからなんだ”という感じでしたね。中にいた人は結構精神的に追い詰められている人も多く、睡眠薬を飲んでる人もいましたけど、僕は病むこともありませんでした。でも、唯一つらかったのは5日に1度しかお風呂に入れなかったことですね」
今は2月中旬に行なわれる予定の裁判を待つ日々だ。
「当面、暮らすだけの蓄えはあるので。そのお金で食い繋いでいくことは数年はできるかなという感じです。今後はどんな仕事をしようとかは考えていません。でも、もちろんパーティの主催はしません。でも、参加はします。留置所からは1月12日に出てきましたが、その2日後にはパーティに参加したし、今日のこの取材前も別のパーティに参加していたくらいです。同種のパーティの摘発はこれからも続くと思いますけど、やめなければいけない趣味でもないし、怖くはないです。ただ、迷惑をかけたメンバーたちには謝らなくてはいけないな、と思っています」
そう言って不敵に笑うと、夜の街に消えていった。
取材・文/河合桃子(ジャーナリスト)
※週刊ポスト2023年2月24日号