2月14日のバレンタインデーでの定番商品といえばチョコレートだが、オンラインを通じたギフトではチョコレートの代わりに下着やネクタイといった雑貨を贈るケースも目立つなど、商品の多様化が進んでいる。
会員制交流サイト(SNS)などで受け取り専用のホームページアドレスをシェアすることで、手軽にギフトを贈ることができる「ソーシャルギフト」の活用を希望する利用者も広がる一方、会社などで配る「義理チョコ」が減少して家族や友人に贈るケースが増えるなど、贈る相手も変化している。
「ソーシャルギフト」の活用希望は3割超
ソーシャルギフトの関連サイトへの訪問者数が国内最大規模を誇る「ギフトモール」では、同社のサイトでバレンタインに関連する検索を行った利用者が実際にオンラインで購入した商品のカテゴリーについて、同社が運営する「オンラインギフト総研」が独自に分析。今年1月1~31日と昨年同時期とを比較し、実際の購入商品のカテゴリーごとの購入件数や購入価格について分析を行った。
購入商品の人気ランキングでは、1位が「チョコレート」(昨年1位)と不動の人気商品ではあるものの、2位に「ボクサーパンツ」(同11位)、3位には「下着」(同9位)がランクイン。昨年は54位だった「ネクタイ」も14位と上昇した。オンラインギフト総研では「今年は行動制限がないバレンタインで、今後は外出をしやすい状況にあることから、コロナ禍ギフトの特徴でもあった『おうち時間』を充実させるようなアイテムが相対的に減少した」とした上で、「外出時に使えるような?身に付ける雑貨?が躍進する結果となった」と分析する。
また、オンラインギフト総研では昨年12月25~27日に「ソーシャルギフトの利用意向調査」を実施。全国の20~59歳で回答のあった男女2400人(バレンタインに関しては回答対象を女性のみ1200人、ホワイトデーは男性のみ1200人にして算出)のうち、バレンタインデーで「ソーシャルギフトを贈りたい」と回答した割合は34・7%に達し、ホワイトデーでのソーシャルギフトの希望も26・7%だった。オンライン総研では「ソーシャルギフトは20~30代を中心に支持されており、身近な関係性の相手へのギフトに最適なツールとして利用されている」という。
「家族チョコ」が4割、「義理チョコ」は1割に満たず
一方、マーケティング調査を行っている「インテージ」が実施した調査で、「今年のバレンタインに『なにチョコ』(誰に向けたチョコ)を用意するか」を女性1325人から回答を得たところ、「家族チョコ」が41・8%と最多。次いで「自分チョコ」(13・2%)、「友チョコ」(11・8%)となり、「義理チョコ」は8・2%と1割を切った。
同社では、有職者の男女に「職場の義理チョコ」に対する考え方についても調査を実施(女性363人、男性825人が回答)したところ、「参加したくない」と回答した女性の割合が82・8%と8割を突破。男性も義理チョコをプレゼントしてもらうことについて「うれしくない」と回答した割合が61・4%に達するなど、男女いずれも否定的な見解が目立っていることが浮き彫りになった。
同社が運営する生活者研究センターの田中宏昌センター長は「(バレンタインデーを)『素敵なイベント』として捉え、友人や家族(夫)あるいは自分への『ありがとう・おつかれさま』を伝える機会になっている」と分析している。(浅野英介)