近隣住民や警察官ら4人の尊い命を奪った男が再び逮捕された。
6月16日に長野県警が再逮捕したのは、同県中野市の青木政憲容疑者(31)。青木容疑者は、61歳の警察官を殺害したとして5月26日に逮捕されている。再逮捕容疑は、別の警察官Aさん(46)を殺害した疑いだ。
「青木容疑者は、犯行の約1ヵ月半前にネット通販で『ボウナイフ』と呼ばれる刃渡り30cmほどの大型ナイフを購入していたことがわかっています。その頃から殺害を計画していたのかもしれません。
殺害された2人の警察官は、散歩中の女性2人が大型ナイフで刺されたとの通報を受け現場に駆けつけました。パトカーの助手席にいたAさんは青木容疑者から猟銃で左腕を撃たれ車外へ。直後に大型ナイフで心臓付近を深々と刺され亡くなったことが、ドライブレコーダーの映像などから判明したんです」(全国紙社会部記者)
『FRIDAYデジタル』は6月4日配信の記事で、青木容疑者が4人を殺害した凄惨な事件について詳しく報じている。再録し事件の背景や青木容疑者の戦慄の素顔を振り返りたいーー。
「女性が『助けて!』と叫びながら、血相を変えて走ってきたんです。後ろから追ってきた男は、女性の背中に大きなナイフでブスッと刺した。2回ですよ。男は3回目に女性の胸を刺すと、悠々と自宅のほうに去っていきました。振り向きもしません。迷彩服を着て黒いマスクをし、サングラスをかけていました」(事件の目撃者)
長野県中野市で痛ましい事件が起きたのは、5月25日の午後4時過ぎだった。散歩中の女性2人を刺殺し、駆けつけた警察官2人を猟銃で撃ったとして逮捕されたのは、同市に住む青木容疑者だ。
市議会議長を務めていた父(現在は辞任)とジェラート店を営みフラワーアート教室を開く母という、地元では有名な両親のもとで育った青木容疑者。社交的な親たちと違い、本人はとても内向的な性格だったという。
近隣住民の証言などから、戦慄の犯行におよんだ容疑者の素顔に迫る。
「友だちとつるんでいるところを見たことがないんです。本人もそれでかまわない、周りから浮いていても平気という印象でした。報じられているような『関係を拒絶する』という感じではなく、むしろ好んでいつも1人でいるようでした」(小・中・高の同級生)
青木容疑者は近隣の名門公立高を卒業後、1年浪人して東海大に合格し上京。しかし同級生の言葉どおり、周囲と打ち解けられなかったのだろう。都会の生活になじめず大学を中退し、地元に戻ってきたという。
「隣町の果樹園で働いていましたが、とにかく無口。10回声をかけても7~8回は無視です。たまに挨拶しても会話になりません。農作業はグループでやるケースもあるんですが、そんな時でも一緒に仕事せず1人で立っているだけ。作業した人が呆れるようなこともあったそうです」(近隣住民)
青木容疑者は、父親の紹介で地元のお祭り保存会にも入会していた。同会のメンバーが振り返る。
「神楽をひいたり、座敷で笛を吹いたり、飲み会にも参加していました。ただ、酒を注げば飲むのですが自分から話をするようなことはなかった。笛を吹いても、周りの人と音を合わせるようなことをしないんです。周囲になじんでいないから、いずれ辞めちゃうんだろうなぁとは思っていました。
休みが続き、辞める時も本人から挨拶はなかった。お父さんが一升瓶を持って来て『申し訳なかった』と謝り、退会することになったんです。徐々にフェードアウトして、連絡がつかなくなった感じでした」
青木容疑者が心を許していたのは愛犬だったようだ。
「(果樹園の仕事から)帰って来て、夜7時ごろ自転車に乗り結構なスピードで白い中型犬を散歩させているのをよく見ました。人とつき合わない分、犬に愛情を注いでいたんじゃないかな。バイクに乗って、犬を走らせているのを見たこともあります」(別の近隣住民)
家庭では特にトラブルはなかったとみられる青木容疑者。「『一人ぽっち』と自分を馬鹿にしていると思った」という動機から、散歩中の女性2人を殺害したという。周囲との関係が希薄な状況で、孤立感と被害妄想を膨らませていったのかもしれない。警察は、青木容疑者の日常的な行動について詳しく調べている。