札幌・すすきののホテルで、首が切断された男性の遺体が見つかった事件から1週間が経過しました。
殺害された男性と同行していた人物の足取りのほか、犯人が入念な準備をしていたことが徐々にわかってきました。
(百瀬記者)「事件から1週間が経ちましたが、ホテルには規制線が張られ、いまも入ることはできません」
事件から1週間がたったきのう、現場となったホテルの前では警察官が聞き込みを行い、情報提供を呼びかけました。
犯人はいまも見つかっていません。
先週の日曜日、日中から物々しい雰囲気に包まれた歓楽街・すすきの。
ホテルの2階客室から男性の遺体が見つかりました。
(森永記者)「現場にブルーシートがかけられました。白い防護服を着た捜査員の姿も見られます」
車へと乗せられた遺体は、恵庭市の62歳男性と判明。
首は刃物のようなもので切られていて、頭部は見つかっていません。
現場は繁華街の一角で、ホテルなどが立ち並ぶエリア。
男性は部屋の浴室で殺害されたとみられています。
死因は出血性ショックで、体には致命傷とみられる刺し傷がありましたが、身を守る際にできる「防御創」はなかったということです。
世間を震撼させた猟期的で残酷な事件。
殺害された男性には同行した人物がいたことが分かっています。
(百瀬記者)「2人はこのあたりで落ち合ったのを防犯カメラが捉えていて、その後ホテルに向かったものとみられます」
捜査関係者によりますと、男性は今月1日、恵庭市内の自宅から札幌市内まで車で移動。
その後、午後10時半ごろに2人は合流し、ホテルに一緒に向かって入室。
翌日2日の午前2時過ぎに一緒にいた人物は1人で退室し、西方向へ向かったとみられています。
男性を殺害し、頭部や所持品を持ち去ったとみられるこの人物。
その犯行の計画性も見えてきました。
関係者などによりますと、この人物はホテルの入室時は大型の黒いスーツケースを持って白っぽい服を着ていましたが、
退室時にはリュックサックを背負い、その上から黒っぽい服を羽織るなど服装を変えていたということです。
さらに、男性の携帯電話も電源を切った状態で持ち去ったとみられることが捜査関係者への取材でわかっています。
元神奈川県警・刑事の小川泰平さんも入念な準備があった可能性を指摘します。
(元神奈川県警・刑事 小川泰平さん)「近くに家があるというより、防犯カメラが切れた地点で車両に乗り換えたんじゃないかなとみています。入念な下見か、このあたりに土地勘があるんだろうなと思います」
男性の頭部を持ち去った理由についてはー
(元神奈川県警・刑事 小川泰平さん)「手間をかけて切断して(頭部)を持って帰るというのは、被害者がどこの誰かわかるのを遅らせるため。逃走するために時間が欲しかったんだろうと思います。(事件が)長期化する可能性は当然あるのかなと」
捜査関係者によりますと、殺害された男性の体内からアルコールが検出されたことが新たにわかっています。
警察は男性が酒を飲んだあとに殺害されたとみて、240人態勢で犯人の行方を追っています。