今年10月、未成年だった実の娘に性的暴行を加えた父親に、富山地裁で懲役8年の有罪判決が出された。メディアの取材に対し顔出し実名で被害を訴えていた女性によれば、性的暴行は中学2年生から高校2年生までの間に8回ほどあったという。
この父親は判決を不服として控訴しており、女性は「裁判所の判決ですら父の心には届きませんでした」と無念の思いを口にしている。
だが、実の父親から性的暴行を受けた女性は、彼女だけではない。筆者はこれまで複数の女性に取材し、そのおぞましい被害を聞いてきた。
「うちの父も永遠に自分の罪と向き合うことはないですね」
富山地裁で判決が出た今回の事件を受けてそう語るのは、中学1年の時から10年以上にわたり、同居していた実の父親から性的暴行を受け続けていた会社員・長良朋香さん(仮名・31歳)だ。
朋香さんは両親と7歳年下の妹の4人で北関東の某所で暮らしていたが、朋香さんが小学校5年生の時、母親の浮気が原因で両親が離婚。浮気相手との再婚を考えていた母親が娘ふたりの引き取りを躊躇していたことや、父親が「家事や身の回りの世話をする人間が必要」と主張したことで朋香さんは父親のもとに残ることになった。
「父親は酒乱でDVがひどかったので、母が他の男性に走って家庭を捨てたのは仕方ないことだったと思っています。そもそも母は単なる顔見知りでしかなかった父に強引に身体を奪われて私を妊娠し、それがきっかけで結婚したようなものだったので、初めから私に対する愛情は薄かったのかも知れません。後でわかったことですが、妹は浮気相手の子どもでした……母が私を引き取らなかったわけです」
朋香さんが初めての性的暴行を受けたのは中学1年生の時だった。
「私がお風呂に入っていたら、酔って帰って来た父がお風呂場を覗いたので『やめてよ!』と洗面器を投げつけたら、逆ギレした父に浴槽から引きずり出され、脱衣所に押し倒されました。壁にガンガン頭を打ち付けられ、殺されるかと思いました」
行為後、父親は朋香さんに「お前にはこういう使い道もあったな」という言葉を投げつけたという。その時、朋香さんは、
「地獄の扉が開くのを感じた」
と語る。
翌日、身の危険を感じた朋香さんは隣町に住んでいた母親のもとを訪れて被害を訴えたのだが、母親は何の手助けもせず、朋香さんの保護も拒否している。
「最初は再婚相手への気兼ねなのだろうと思いましたが、『あの人とはもう関わりたくないの。ごめんね』と言われた時に見捨てられたと感じました。母にとっては私も父と同様に切り捨てたい人間だったんです」
「警察に言うからいいよ!」と朋香さんが言うと、母親は「そんなことしたって無駄だよ」と言い放った。
「仮に逮捕されたってすぐ釈放されるに決まっている。運良く刑務所に入ったところで無期懲役や死刑には絶対にならないから、出てきた時にもっとひどい仕返しが待ってるだけだよ……そんな風に言われました」
放心状態に陥った朋香さん。その後も、父親からの性的暴行は続いた。
「逆らえば暴力を奮われるし、財布を取り上げられたりするので、そうなると私は生活ができません。誰かに相談しようとか、福祉施設に逃げ込もうとかも考えましたが、母が言っていたように、事を公にしたことによる父からの報復が怖くて、言いなりになるしかありませんでした」
その後、朋香さんが行為を拒否すると、父は”朋香さんの友人”をターゲットにしようとしたという。続く後編記事『死装束の裾をまくり局部に小刀を…!”実の父”から10年以上「性的暴行」を受けた女性が「父の葬儀」で行った”凄まじい報復”』では、さらに朋香さんの実体験を詳しく見ていく。
【つづきを読む】死装束の裾をまくり局部に小刀を…!”実の父”から10年以上「性的暴行」を受けた女性が「父の葬儀」で行った”凄まじい報復”