排泄音が部屋にひびきわたる…30代夫妻が建てる「新築2階建て」の間取りに隠されていた「決定的な欠陥」

あなたにはこの間取りの問題点がわかりますか?
一見すると、理想に見える間取りでも、じつは隠れた暮らしにくさがあった。
「間取りを変えると人生が変わる」。いままで3000件以上の間取り診断をしてきた建築士が間取りに潜んだ問題点を示します。『この間取り、ここが問題です!』より、第2回はキッチンの収納を考えて作られた間取りにどんな問題があったのか?
【前編(「大学教員の夫・営業事務の妻」30代夫妻が建てる「新築2階建て」の間取りに隠されていた「5つの欠陥」)より続く。】
前編で掲載した林さんの家の間取りは以下のような感じでした。どこに問題があったでしょうか。

1つ目は動線が複雑なことです。工務店は「ぐるぐる回れる回遊動線」と表現していますが、テーブルやソファ廻りの狭い空間を動き回られたら他の家族は寛げません。
2つ目は、キッチンから1m以内の背面収納が冷蔵庫しかないことです。3~4歩歩けばパントリーがありますが、よく使う食器や家電置き場としては少し遠いです。
3つ目は、キッチンのにおいがWICに入ってしまうことです。から揚げやてんぷら、焼肉などにおいがする料理の場合、衣類ににおいがついてしまい大変なことになります。
4つ目はトイレの音問題です。ダイニングに近いため排泄音等が気になりますし、ドアを開くとトイレが丸見えです。また水廻りへ行く家族にドアがぶつかる危険性があります。
5つ目は、ダイニングテーブルが邪魔して、和室からリビングにいる子供やテレビが見えないことです。

子供の様子やテレビを見ながら洗濯物を畳んだりアイロンをかけるといった家事ができません。リビングと一体化して利用できる間取りのほうが和室のよさを活かしやすいです。
これらの問題点を一気に解決したのが改善案です。和室とキッチンの位置を入れ替えることで、東西に長いLDKの型を採用しました。階段の位置も南北で反転しテレビの前を通らずに2階に行けるようにしています。このように変更することで、住宅の中心にメインストリートというべき動線を通すことができました。このメインストリートからは、他の家族の邪魔にならずに、2階・リビング・ダイニング・キッチン・和室・洗面室・脱衣室に移動できます。和室では、洗濯物を畳みながら家族と話したりテレビを見ることができます。

「この和室とWICの洗濯動線は、ママ友がみんな良いといいます」
と奥様が話してくれました。家事をラクしたいならオススメの間取りです。
和室は3・6帖と小さくなりましたが、布団を2組敷けるように寸法を決めたので、客室や将来の寝室として利用できます。また和室の窓はなくなりましたが、吹き抜けからの太陽光で十分すぎるほど明るいです。
トイレは、洗面所の奥に配置したため排泄音は聞こえにくくなりました。またキッチンには、2・7mの背面収納を確保しています。
入居して2年経過しお招きいただいた際に林さんからは、「工務店とまったく違う提案で最初は驚きましたが、とても暮らしやすくて快適」という感想をいただきました。
コロナ禍の工事でしたが、ミスもなく、とても良い工務店で家づくりができたと満足されています。
【もっと読む】「公務員夫婦」が建てた注文住宅…「理想の間取り」に隠されていた「3つの問題点」