ビッグモーター不正問題 渦中の社長「お客さん目線で」 利用者は「行くたびにトラブル」

中古車販売大手ビッグモーターが、故意に客の車を傷つけるなどして、保険金を不正請求していた問題。
会社トップの兼重宏行社長は、経営について、「お客さんの目線で行う」と語っていた。
ビッグモーター・兼重宏行社長「仕事をやっていく中で、お客さんにとって何が一番最高最善かなと。お客さん目線で、いろいろと考えていくと、結果的に今のような形になったわけですね。われわれ目線ではなくて、結果的には、お客さんに喜んでいただこうと」
ビッグモーターは、顧客の車を修理する際、ゴルフボールを靴下に入れて車体をたたくなどして故意に傷つけ、保険金の水増し請求を行っていたことが明らかになっている。
これは、兼重社長が言う「お客さんが喜ぶこと」とは、ほど遠い行為。
利用客は、どのように感じているのか。4年前に、ビッグモーターで中古車を購入したAさんに話を聞いた。
4年前に中古車を購入したAさん(静岡県)「結局、行く度に何かトラブルがある。(店に)もう行くのは怖い」
Aさんは、ビッグモーターの「乗るだけ安心パック」に加入。およそ4万円で、オイル交換や点検などが3年間無料になるサービス。
その中に、「こすれば保証」という、車に傷がついた場合、修理代を1万円まで値引きするサービスがあったが、店で使うことはできなかったという。
4年前に中古車を購入したAさん(静岡県)「傷があったので店に行ったら、『なんか使えないみたいです』と言われて、『えっ? なんで?』という話をして、『3万円以上の修理費じゃなければ使えません』という話になった」
Aさんの話では、「修理費用が3万円以上でなければ使えない」ということは、どこにも書かれておらず、店にそのことを訴えても、「使えない」の一点張りだったという。
4年前に中古車を購入したAさん(静岡県)「もっと上の方にクレームを上げたくても、メール問い合わせみたいのしかなくて、結局それがまた、代理店に差し戻されて、そこから電話がかかってくるみたいな負のループになるような感じ」
FNNが取材した元従業員は、長年に及ぶ会社のゆがみを指摘する。
元従業員「入社する時の面談では、風通しがいい会社だからというのを売りにしている会社ですけど、全然風通しよくないし。採用されて何カ月か働いたら、採用担当の人が各店舗に回るんですよ。半年働いてどうでしたかって。そこで『ちょっとしんどいですよね』という話を教育担当にしたらしいんですけど、その教育担当が、全部店長に言っちゃう。店長が、そのスタッフをもちろん怒るわけで、チクったなって。本当にそういう感じの会社なので」
そうした体質の温床となったのか。
斉藤国交相は、ビッグモーターから近日中にヒアリングを行い、法律に違反する疑いがあれば立ち入り調査も検討するとしている。