クマが変化「非常にまずい」「警戒心は薄れている」さらにこの時期は「山にエサがない」のに「農作物がなる」鶴岡市に出没したクマを捜索した専門職員が話す”今後のクマ”(山形)

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19日から鶴岡市の中心部にクマが出没したことについて、最前線でクマの捜索などにあたった担当者に話を聞きました。そこで担当者が感じていたのは徐々に変化してきたクマの生態でした。
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鶴岡市農山漁村振興課 小野寺レイナさん「人に対する警戒心が薄れている個体とか本来いてはいけない場所にまで入り込んでいるというのは非常にまずい状態ではある」
鶴岡市役所で鳥獣対策を担当する小野寺レイナさんです。
今回のクマの出没では現場にも出て、クマの捜索などを行いました。今の時期はクマの活動が活発な時期だといいます。
鶴岡市農山漁村振興課 小野寺レイナさん「一般的にクマの生態でいうと、今は山にエサがない時期なので、ちょうど春先の新芽もなくなり食べるものも無くなっている時期。一方で、農作物などがちょうど実っているというか農作物が実がなっている時期なので農作物を狙いやすい時期ではある」
これまでもクマが人里に出てくることはありましたが、今回、これまでにないほど街中にクマが出没しました。
■クマの生態の変化
感じていたのはクマの生態の変化です。
鶴岡市 小野寺レイナさん「人に対する警戒心は確実に薄れている。クマ自体の個体数も以前よりは徐々に徐々に少しずつは増えていると思うので、他のクマにやられたくない若いクマとかがクマのいない市街地にシフトしてきて、そういうところを生活圏にしつつある状態」
こうして街に出てきたクマ。今回、多数の目撃情報がありながら詳細な場所の特定に至らなかったことについては、今の街の姿にひとつの理由がありました。
鶴岡市 小野寺レイナさん「意外と隠れ場所が多い。私たちも一生懸命クマを探そうとして探索しているが、例えば空き家とかちょとしたやぶみたいなところ市街地でも意外と隠れられる場所があるので、そういったところで隠れながらひっそりと身を潜めている状態」
■今年はブナが大凶作で、さらに・・・
今年はクマのエサとなるブナが大凶作になる見込みです。小野寺さんは今後も街への出没は考えられるとした上で、身の回りの環境整備の重要性を訴えます。
鶴岡市 小野寺レイナさん「不要果樹とかを伐採していただいたりとか、そういったことでクマを寄せつけない環境をつくるような補助金をぜひ活用いただいて、クマを自分の家の庭に滞在させない環境を整備していただくということをお願いしています」
エサとなる樹木で不要なものを伐採するなどの補助金は、自治体のホームページなどで確認できるということです。
クマと人との距離が近くなる中、暮らしの中での対策が求められる状況になっています。

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