夏休みも終盤。宿題に追われるお子さんもいるのではないでしょうか。
【画像で見る】期限ギリギリなのに「やる気が…」そんな時に使える【ズーニンの法則】
ただ、AIが普及したことで、いざというときに頼る人もいるかもしれない「宿題代行」への依頼は減少してきているようです。
井上貴博キャスター:「夏休みの宿題」に関するアンケート調査を見ていきます。
【Q.子どもは夏休みの宿題いつ終わらせた?】(親1000人が回答)※株式会社NEXERと青山ラジュボークリニックによる調査
1週間以内:8.6%前半:25.4%後半:42.2%最終日あたり:17.8%終わらない:5.9%
【勉強や宿題でAIを使ったことはある?】(小中学生など1430人が回答)※ニフティキッズ調べ39.7%が、宿題でAIを使ったことが「ある」と回答。▼AIをどんな風に使ったのか・数学の問題の解説をしてもらった・宿題の丸付けをしてもらった・作文を作ってもらった
井上キャスター:アンケートによると、約4割の子どもがAIを使ったことがあるということです。様々な利用方法もあるようですが、採点する現役教師は、AIを使っていることを見抜けるのでしょうか。
▼香川県の小学校の先生たち「(計算で途中の式がなく)怪しいなと思ったことはありますが、子どもの能力によっては気づかないかも…。これまで気づいていないけど、AIを使っている児童はいると思う」▼大阪府の小学校の先生「宿題などでAIを使った場合、言葉遣いや理解度で確実に見抜けると思う。これまでにAIを使っている児童はいないはず」
井上キャスター:アンケート結果では、子どもの4割ぐらいがAIを使っているということなので、プロでも見抜くのは難しいのではないかと思います。街の皆さんは、AIを宿題に活用することをどう考えているのでしょうか。
30代「AIはまだ使ってないです。新しいものが始まったら、とりあえず使ってみてから判断はしたいと思っています」
中学2年生「実際AIに手伝ってもらって、案を出して、それをまとめて自分で作ったりするので、ありだと思います」
小学3年生「(Q.もしAIが読書感想文を書いてくれるなら?)半分…難しいところは書いてもらう」40代「それ自体を学校に提出してしまうのは、ちょっと違うかな」
小学6年生「(Q.読書感想文は宿題にありますか?)あります」40代「(Q.AIで文章を作ってもらうことは?)さみしいね、そういうのは」小学6年生「自分で文作りたいし、自分の文でやりたいので」
井上キャスター:AIでも、あるものをうまく利用して使うことは、ある程度肯定的に感じているのかもしれません。
実際に、親がAIに「夏祭りの様子のイラストを作ってください」と頼み、AIが出力したイラストを見ながら、子どもが宿題の絵を描くケースもあるそうです。
井上キャスター:AI活用が広がる中、宿題代行業者は今どうなっているのでしょうか。「宿題代行救急隊」の荒木聡代表によると、宿題代行の依頼は確実に減ってきているそうです。
「宿題代行救急隊」では、AIには困難な“自分らしさ”を演出する工夫をしているといいます。読書感想文の場合は、友人関係や部活動の経験、担任が知るエピソードを感想文に入れて、信頼性をアップするようにする。「AIではできないところを補完している」ということです。
AIで書いた読書感想文を「人間っぽく直してください」という依頼もあったそうですが、それは断ったといいます。
井上キャスター:夏休みの宿題、なぜ追い込まれないとやらないのでしょうか。
人間行動心理に詳しい明星大学心理学部の藤井靖教授によると、【パーキンソンの法則】というものがあるそうです。「人間は資源があればあるだけ使ってしまう」、つまり時間やお金も、あればあるだけ全部使ってしまいます。
「夏休みも1か月あるのなら、全部の期間を使おう」という考え方になるので、先にやる必要はなく、最終的に辻褄が合えばいいという考えになるそうです。「夏休みの宿題を後回しにしてしまう自分はダメだ」ということではなく、人間とはそういうものだということです。
それを理解した上で、解決策となるのが【ズーニンの法則】です。明星大学の藤井教授によると、最初の4分間がんばれば、やる気になってくるというものです。
4分間やるとドーパミンが出てきて、どんどんやる気になってくるそうで、嫌なことでもまず4分間やってみると、その後は惰性でできるようになるそうです。そのため親も子どもに対して「宿題やりなさい」ではなく、「まずは4分間頑張りなさい」と言うと、もしかすると子どもは言うことを聞くかもしれません。