11月12日に行われた参院予算委員会での高市早苗首相(64)の発言が波紋を呼んでいる。共産党の小池書記局長(65)から、労働時間の規制緩和について“労働時間を短くするのが世界の流れで、自由に使える時間を持つのは、日本社会の大事な課題”と問われ、高市氏は「希望に応じて、育児や介護とも両立できる働き方を実現していくことは必要」と前置きした上で、こう答えた。
「私も今、睡眠時間はだいたい2時間から、長い日で4時間です。お肌にも悪いと思っております。でも希望に応じて仕事もできる、余暇も楽しめる、これが非常に理想的な姿です」
日本の平均睡眠時間は、OECD(経済協力開発機構)の’18年の調査によれば、7時間22分とされる。高市氏のあまりにも短い“睡眠時間2時間発言”には国会も騒然。高市首相といえば、首相就任後初めての衆院予算委員会が開かれた7日、勉強会のため午前3時に首相公邸に出勤したことが話題になったばかり。そのため、今回の発言はX上でも大きな話題となり、心配の声が多く集まってしまった。
《国民のためにも高市早苗首相には寝てほしい。》《睡眠時間2時間はあかんて!!》《睡眠2時間は本当に心配になるレベル。》《高市さん全然寝てないみたいだからちゃんと寝てほしいね 睡眠2時間だけ…?年齢考えてもさすがに無理よ》
寝る間も惜しんで仕事をしていたのは“前任者”も同じだったようだ。今年5月末、石破茂前首相(68)は出席した全国商工会連合会の会合でこう漏らしていた。
「1日3時間くらいしか寝ていない。なんでかというと、とにかくトランプ関税、コメ(価格を)下げろ、ガソリン代下げろ、電気代下げろ、消費税下げろということで」
しかし、寄せられた反応は高市首相と真逆だったようだ。
「また5月の参院予算委員会でも、『“寝るのも仕事のうち”とよくお叱りをいただくが、真に受けると大変なことが起こる』と十分な睡眠時間を確保できないことと話していました。石破氏が言うように当時は問題が山積みで、支持率も低く、寝る間を惜しんで仕事をしていたのは待ちがないでしょう。
しかし、石破氏の一連の発言にはXで《いい歳して寝てない自慢とか恥ずかしくないんですか?》《寝る暇あったら何かやれ!》と批判されるなど、“寝てないアピール”と捉えられてしまいました」(全国紙政治部記者、以下同)
両者とも睡眠時間はそこまで差がないはずなのに、なぜ石破氏には批判が殺到してしまったのか。
「石破内閣は政権が発足した直後こそ40~50%の支持率でしたが、首相就任直後の昨年10月の衆院選で大敗を喫し、その後少数与党の政権運営の難しさから人気が低迷。当時トランプ関税やコメ価格の高騰などで有権者の不満が噴出しており、自民党のなかでもリベラル派であるため保守層からの支持も薄く、“寝てない自慢”と受け止める人が多かったのでしょう。
いっぽう、高市首相は、現時点では一部世論調査で80%を超えるほどの高い支持率を得ています。まだ政権発足直後でもあり、明確な成果をあげているとはいえませんが、“初の女性首相”だけに有権者の期待感も高く、“頑張りすぎないで”と捉える人が多いのではないでしょうか。
とはいえ、支持率が低かったので致し方ない面もありますが、睡眠時間に差がないなかで、高市首相は褒めて、石破氏は叩くというのもどうかとは思いますが……」
くっきりわかれた両者の明暗。どちらにせよ高市首相の睡眠時間が少しでも増えるといいのだが……。