「半ばあきらめている」公明党や創価学会から年始早々聞こえる暗い声

公明党や支持母体である創価学会内の雰囲気が年明けから重いという。7月に都議選と参院選を抱え、参院選と同日に衆院選を行う「ダブル選」も取り沙汰される中で、明るい未来が描けない状況なのだとされる。
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公明党はここ20年で30%ほど集票を減らしており、先の衆院選では比例代表での得票は600万を割り込んだ。石井啓一代表が落選したのは象徴的な“事件”だった。
「15年にわたって代表を務めた山口那津男氏(現在は常任顧問)の後継として石井氏が代表に就任したわけですが、2ヶ月に満たない在任期間で代表交代を余儀なくされました。去年の衆院選で公明党は11小選挙区の全勝と比例区での現有23議席以上の確保を目標にしましたが、小選挙区は4勝7敗でした。石井代表が落選したほか、公明にとって“常勝関西”とされる関西エリアで日本維新の会と全面的にぶつかって大阪の4選挙区で全敗。自民党派閥による裏金問題が逆風となり、巻き返しができないままでした」
と、政治部デスク。
「公明は一貫してクリーンな政治や平和な世界の実現を訴えてきました。異性とのトラブルやスキャンダルについても厳しい姿勢を取っています。裏金問題はクリーンさとは真逆ですし、自民が進める憲法改正は平和な世界の構築とは相容れないと解釈されがちで公明にとってマイナスに働くことが少なくない。支持母体の創価学会員も高齢化が進み、自民と連立を組んで共同歩調を取っていてもなかなか明るい未来を見出せないのが現状です」(同)
そんな公明を2025年に待ち構えるのが6~7月投開票予定の都議選と参院選だ。
「都議会の会派構成で公明は23議席で比較3党ですが、これは確保するのは容易ではないと見られています。都市部の選挙はこれまで以上に無党派層が極めて多く組織の力が発揮しづらいという点がまずあります。加えて去年の都知事選に出馬して2位となった石丸伸二元安芸高田市長が新党を立ち上げて都議選に打って出る計画があるとされ、票を食い合うことはないにしても候補としては脅威であることは間違いないようです」(同)
その後にやってくる参院選もまたかなり厳しい選挙が予想される。
「F、つまりフレンド票の獲得でかなり苦戦するのではないかと見られています。創価学会員が知り合いなどを通じて投票を促す行為なのですが、参院選では選挙区と比例代表に1票ずつ合計で2票を投じるわけですね。選挙区は投票用紙に候補者名、比例は政党名か候補者の個人名を書くことになるのですが、選挙区によっては自民側の候補を書くこともありますから、“お願い”の中身が複雑化していく。都議選での“お願い”も合わせればさらにややこしくなるので、“参院の比例については細かな依頼をやりづらい。半ばあきらめている”といった声も聞こえてきました」(同)
これに加えて参院選と衆院選を同日に行うダブル選が選択されれば、複雑さは増す。学会員の動きがさらに鈍ることが想定される。
「都議選と参院選の時点ですでに“ダブル”の状況で、これ以上の受け入れの余裕がある学会員があるとはなかなか思えないですね。学会としては、衆参ダブルは何としてでも避けたいところでしょう」(同)
実際、公明党の山口氏は8日、首相官邸で石破茂首相と会談後、記者団からダブル選について問われた際に「同日選挙は憲法が予想しているところではないと思う。参議院は半数ごとに改選され、衆議院はテーマがあれば解散が可能な仕組みとなっていて、それぞれ議会に鮮度のある新しい民意を取り込むという考え方に基づいている」「いっぺんに大量の民意を固定してしまうやり方は、望ましくない」などと述べ、早速、「衆参ダブル」を牽制する動きを見せている。
デイリー新潮編集部