ひろゆき「そもそも僕はSNSで情報を仕入れない」と笑うワケ

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SNSの普及に伴い、誰もが情報を即座に取得・発信できるようになった昨今。しかし、元日本マイクロソフト社長の成毛眞氏と巨大掲示板2ちゃんねる創始者のひろゆき氏は、情報取得のツールとして「SNSは使わない」といいます。それはいったいなぜなのか、みていきましょう。※本連載は、ひろゆき氏×成毛眞氏の著書『考えて生きる 合理性と好奇心を併せ持つ』(集英社)から一部を抜粋し、幻冬舎ゴールドオンライン編集部が本文を一部改変しております。
ひろゆき(以下ひろ):今回のテーマは「SNS時代の情報収集」なんですが、そもそも僕はSNSで情報を仕入れないという……(笑)。なぜかというと、一般の人が投稿する情報って基本的に無価値なことが多いじゃないですか。
成毛 眞(以下成毛):僕も同じです。一般人の情報は不正確なことが多いし、ゴシップにも興味がないので、僕はツイッターをやってないんですよ。フェイスブックはやっていますけどね。
ひろ:SNSで気になるニュースがあればチェックしますけど、それって情報源はニュースサイトです。SNSには頼ってないですね。
成毛:僕が意外と使っているのはテレビなんですよ。
ひろ:へえ、意外ですね。
成毛:僕のフェイスブックの投稿を見た人から、「成毛さんはいろんなことを知っていますね」と言われることがあるんですけど、そこに書いているのは意外と前日に見たテレビの内容だったりする(笑)。でも、みんなテレビを見てないから、僕は自動的に物知りキャラになる。
ひろ:うは、現代っぽい(笑)。ちなみに、どんな番組を見ているんですか?
成毛:今、面白いと思うのは、BS朝日でやっている『町山智浩のアメリカの今を知るTV』ですね。
ひろ:ああ、あれはマジで面白いっすよね。町山さんって情報収集能力や伝える能力も含めて、すげえなと思います。
成毛:ビックリしたのは、あるプロレス団体の特集ですね。野外リングでヤバい連中が戦うんですけど、割れた蛍光灯がそこら中に撒かれていて、バットには釘が打ちつけられている。思わず町山さんも「これ、シャレですよね?」と言ってしまうほど。
でも、全然シャレじゃなくて、試合が終わったら選手はお互い全身血だらけ。日本のBSだからいいのかもしれないけど、アメリカだと放送できないんじゃないですかね。
ひろ:僕が面白いと思ったのは、キリスト教プロテスタントの福音派を特集した回っすね。今や福音派はキリスト教プロテスタントの最大勢力になっていて、アメリカではすごい影響力があると。
成毛:あと、町山さんが白人至上主義団体に取材しに行ったら、そのリーダーが日本語ペラペラだったとか。やっぱり行ってみなきゃわかんないですよね。
ひろ:んで、あの番組って「アメリカ社会の今」を伝えていますけど、町山さんが見ていることはほかの国でも問題になっていたりするんですよね。例えば、トランプ前米大統領は右派のナショナリストだということで非難されてもいましたけど、移民排斥問題は実際に世界中で起きてるわけですし。
成毛:すごくわかります。その意味でもSNSがあの番組にかなうわけないですよ。僕はフェイスブックで半年に1回は「『町山智浩のアメリカの今を知るTV』を絶対に見よ!」と書いているんだけど、僕の友達もフォロワーも全然見てくれないんだよな。
見る価値があるのは「お金がかかっている」情報ひろ:成毛さんは、ほかにどんなテレビ番組を見ているんですか?成毛:NHKのドキュメンタリーが多いですね。『サイエンスZERO』や『コズミックフロント』『BS世界のドキュメンタリー』とか。もちろん『NHKスペシャル』も見ていますよ。ひろ:ああいう番組を見ていて思うのは、情報量の多さですよね。ネットの文字とは比べ物にならないですから。成毛:そのとおり。情報量という点では、文字は映像にはかなわない。ひろ:特にNHKはちゃんとした番組が多いっすよね。制作費にかなりお金がかかっているから、そのぶん情報もちゃんとしている。成毛:やっぱり財力があると違いますよ。ひろ:Nスペは、1本に4000万~5000万円かけるみたいなことを聞いたことがあります。成毛:昔、NHKがマイクロソフトの特集をしたときに、マイクロソフトのオフィスが入っているビルを撮影したいといって、ヘリコプターを2、3日借りてました。ヘリからの撮影だけで、最低でも1000万円くらいはかかったと思うんですが、実際に放送で使った映像はたったの5秒。あれには驚いたな~(笑)。あと、カタールのテレビ局「アルジャジーラ」(AJE)もけっこう見ていますよ。ひろ:なんでまた?成毛:世界で一番中立なメディアだと思うからです。たとえ中東問題であっても。まあ、AJEは東アジアのニュースは知ったこっちゃなさそうですが、それ以外の世界の話題だと速報性は一番かもしれない。現場にカメラが出るのもCNNより早いときがありますよ。ひろ:確かに、アフガニスタン周辺の国や地域は、西側のメディアは遅かった気がします。成毛:で、今は中東などでも市民がスマホを普通に持っていて、何かあればすぐに撮影しますし、現地では「映像をAJEには提供するけど、CNNには提供したくない」という人も多いんです。それは、西側じゃないからという理由だけでなく、AJEはかなりのお金を払って画像や動画を買っているというのも影響している。ひろ:カタールは金持ってますもんね。成毛:画像も映像も金を持っているやつが最後には勝つ。こればっかりはしょうがない。ひろ:ってなわけで、見る価値のある情報は「どれくらいお金がかけられているか」が重要ですし、その点ではAJEも強いし、NHKも強い。成毛:そういうことですね。くだらないSNSなんか見ないで、金がかかっているメディアを見るべきだと思いますよ。1%が生み出した情報を“受け売り”した方がうまくいくひろ:今回のテーマは、編集部のリクエストで「自分の頭で考える方法」です。成毛:僕がやっている方法はシンプルです。評価の高いちゃんとした本を読んで、その本の内容を受け売りするだけ。ひろ:シンプルっすね(笑)。今回のテーマは「自分の頭で考える」ってことですけど、僕は自分の頭で考えないほうがよい派なんですよ。世の中、自分の頭で考えたほうがうまくいくのって、頭の良い上位1%の人だと思うんです。んで、残りの99%の人たちは頭の良い人が考えたものを、そのまま受け止めて使ったほうが断然よい。ってことで、成毛さんがやっている評価の高いちゃんとした本を読んで、それを話すってのは、僕の考えと共通しているのかなと思いました。ちなみに、受け売りする本を選ぶ基準はどんな感じですか?成毛:全世界的な自由民主主義国圏の中で評価が高く、ベストセラーになっているような分厚い本の翻訳本がよいと思います。値段的には2000円から5000円くらいでしょうか。ただ、月に何冊も読まなくていいですから。受け売りしたくなるような本は、数年に1冊くらいの感じで出ている気がします。で、その内容をドヤ顔で受け売りすればいいんですよ。ただ、自分から「この本の中身はこうでしたよ」とは話さない。概要にひと言つけ加えるくらいです。僕が言っている受け売りは、本に書いてあることをなんとなく解釈して、その話を自分が思いついたように話すということ。だから牋用じゃなくて犲け売りなんです。話しているときは「僕が思いついたんだ」くらいの勢いになっていると思いますよ。ひろ:あはは(笑)。でも、本をいっぱい読んでいると、なんの本から得た知識なのかわからなくなったり、引用元がこんがらがることはありますよね。んで、次第に自分が思いついたんじゃないかと勘違いすることもある。成毛:そうそう。それに本の受け売りをしていると、ときどき自分の思いつきが加わることもありますからね。だから、それを続けているとなんとなく賢そうに見えるというのが僕の戦略です。成毛 眞書評サイト「HONZ」代表ひろゆき実業家/インフルエンサー
ひろ:成毛さんは、ほかにどんなテレビ番組を見ているんですか?
成毛:NHKのドキュメンタリーが多いですね。『サイエンスZERO』や『コズミックフロント』『BS世界のドキュメンタリー』とか。もちろん『NHKスペシャル』も見ていますよ。
ひろ:ああいう番組を見ていて思うのは、情報量の多さですよね。ネットの文字とは比べ物にならないですから。
成毛:そのとおり。情報量という点では、文字は映像にはかなわない。
ひろ:特にNHKはちゃんとした番組が多いっすよね。制作費にかなりお金がかかっているから、そのぶん情報もちゃんとしている。
成毛:やっぱり財力があると違いますよ。
ひろ:Nスペは、1本に4000万~5000万円かけるみたいなことを聞いたことがあります。
成毛:昔、NHKがマイクロソフトの特集をしたときに、マイクロソフトのオフィスが入っているビルを撮影したいといって、ヘリコプターを2、3日借りてました。ヘリからの撮影だけで、最低でも1000万円くらいはかかったと思うんですが、実際に放送で使った映像はたったの5秒。あれには驚いたな~(笑)。
あと、カタールのテレビ局「アルジャジーラ」(AJE)もけっこう見ていますよ。
ひろ:なんでまた?
成毛:世界で一番中立なメディアだと思うからです。たとえ中東問題であっても。まあ、AJEは東アジアのニュースは知ったこっちゃなさそうですが、それ以外の世界の話題だと速報性は一番かもしれない。現場にカメラが出るのもCNNより早いときがありますよ。
ひろ:確かに、アフガニスタン周辺の国や地域は、西側のメディアは遅かった気がします。
成毛:で、今は中東などでも市民がスマホを普通に持っていて、何かあればすぐに撮影しますし、現地では「映像をAJEには提供するけど、CNNには提供したくない」という人も多いんです。それは、西側じゃないからという理由だけでなく、AJEはかなりのお金を払って画像や動画を買っているというのも影響している。
ひろ:カタールは金持ってますもんね。
成毛:画像も映像も金を持っているやつが最後には勝つ。こればっかりはしょうがない。
ひろ:ってなわけで、見る価値のある情報は「どれくらいお金がかけられているか」が重要ですし、その点ではAJEも強いし、NHKも強い。
成毛:そういうことですね。くだらないSNSなんか見ないで、金がかかっているメディアを見るべきだと思いますよ。
1%が生み出した情報を“受け売り”した方がうまくいくひろ:今回のテーマは、編集部のリクエストで「自分の頭で考える方法」です。成毛:僕がやっている方法はシンプルです。評価の高いちゃんとした本を読んで、その本の内容を受け売りするだけ。ひろ:シンプルっすね(笑)。今回のテーマは「自分の頭で考える」ってことですけど、僕は自分の頭で考えないほうがよい派なんですよ。世の中、自分の頭で考えたほうがうまくいくのって、頭の良い上位1%の人だと思うんです。んで、残りの99%の人たちは頭の良い人が考えたものを、そのまま受け止めて使ったほうが断然よい。ってことで、成毛さんがやっている評価の高いちゃんとした本を読んで、それを話すってのは、僕の考えと共通しているのかなと思いました。ちなみに、受け売りする本を選ぶ基準はどんな感じですか?成毛:全世界的な自由民主主義国圏の中で評価が高く、ベストセラーになっているような分厚い本の翻訳本がよいと思います。値段的には2000円から5000円くらいでしょうか。ただ、月に何冊も読まなくていいですから。受け売りしたくなるような本は、数年に1冊くらいの感じで出ている気がします。で、その内容をドヤ顔で受け売りすればいいんですよ。ただ、自分から「この本の中身はこうでしたよ」とは話さない。概要にひと言つけ加えるくらいです。僕が言っている受け売りは、本に書いてあることをなんとなく解釈して、その話を自分が思いついたように話すということ。だから牋用じゃなくて犲け売りなんです。話しているときは「僕が思いついたんだ」くらいの勢いになっていると思いますよ。ひろ:あはは(笑)。でも、本をいっぱい読んでいると、なんの本から得た知識なのかわからなくなったり、引用元がこんがらがることはありますよね。んで、次第に自分が思いついたんじゃないかと勘違いすることもある。成毛:そうそう。それに本の受け売りをしていると、ときどき自分の思いつきが加わることもありますからね。だから、それを続けているとなんとなく賢そうに見えるというのが僕の戦略です。成毛 眞書評サイト「HONZ」代表ひろゆき実業家/インフルエンサー
ひろ:今回のテーマは、編集部のリクエストで「自分の頭で考える方法」です。
成毛:僕がやっている方法はシンプルです。評価の高いちゃんとした本を読んで、その本の内容を受け売りするだけ。
ひろ:シンプルっすね(笑)。今回のテーマは「自分の頭で考える」ってことですけど、僕は自分の頭で考えないほうがよい派なんですよ。
世の中、自分の頭で考えたほうがうまくいくのって、頭の良い上位1%の人だと思うんです。んで、残りの99%の人たちは頭の良い人が考えたものを、そのまま受け止めて使ったほうが断然よい。
ってことで、成毛さんがやっている評価の高いちゃんとした本を読んで、それを話すってのは、僕の考えと共通しているのかなと思いました。ちなみに、受け売りする本を選ぶ基準はどんな感じですか?
成毛:全世界的な自由民主主義国圏の中で評価が高く、ベストセラーになっているような分厚い本の翻訳本がよいと思います。値段的には2000円から5000円くらいでしょうか。ただ、月に何冊も読まなくていいですから。受け売りしたくなるような本は、数年に1冊くらいの感じで出ている気がします。
で、その内容をドヤ顔で受け売りすればいいんですよ。ただ、自分から「この本の中身はこうでしたよ」とは話さない。概要にひと言つけ加えるくらいです。
僕が言っている受け売りは、本に書いてあることをなんとなく解釈して、その話を自分が思いついたように話すということ。だから牋用じゃなくて犲け売りなんです。話しているときは「僕が思いついたんだ」くらいの勢いになっていると思いますよ。
ひろ:あはは(笑)。でも、本をいっぱい読んでいると、なんの本から得た知識なのかわからなくなったり、引用元がこんがらがることはありますよね。んで、次第に自分が思いついたんじゃないかと勘違いすることもある。
成毛:そうそう。それに本の受け売りをしていると、ときどき自分の思いつきが加わることもありますからね。だから、それを続けているとなんとなく賢そうに見えるというのが僕の戦略です。
成毛 眞
書評サイト「HONZ」
代表
ひろゆき
実業家/インフルエンサー

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