父が供述「娘を守りたかった」 多摩川遺体遺棄、容疑者逮捕1週間

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多摩川の河川敷で原唯之さん(46)の遺体を遺棄したとして、元交際相手の西高舞容疑者(32)=大阪府高槻市=や家族ら計5人が逮捕されてから6月1日で1週間を迎えた。4人が容疑を認め、一部は殺害についてもほのめかしているという。舞容疑者の元交際相手の遺体を家族ぐるみで遺棄したとされる事件。神奈川県警捜査1課は殺人容疑での立件も見すえ、全容解明を進めている。
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「娘を守りたかった」「妹がかわいそうだった」。捜査関係者によると、父親の昌浩(53)=千葉県船橋市=と兄の昌吾(34)=東京都大田区=の両容疑者は事件の動機について、それぞれそういう趣旨の供述をしているという。
遺棄容疑の否認を続けている母親の美保容疑者(51)=大田区=ですら逮捕後の調べに「(原さんが)死んでくれてよかった」と供述をしているといい、ある捜査幹部は「自分たちの行為を正当化する言葉が並んでいる」と憤る。
13年前から動画配信の活動をしていた原さん。その世界では古株として知られていた。2023年3月ごろ、インターネットを通じて知り合った舞容疑者と交際を始めたとされる。
捜査関係者によると、舞容疑者が交際中の宿泊代や遊興費をクレジットカードで支払い、その額は数十万円。容疑者側が原さんに返済を求めていたとの情報もあるという。同9月には愛知県警が舞容疑者に対する脅迫の疑いで原さんを逮捕。2人の関係は悪化の一途をたどり、同時期に交際も終わったとみられている。
しかし、火種はくすぶり続けた。原さんは2カ月後、自身の動画配信の中で容疑者側との金銭問題について「本人と話はついたのに。なぜ親が出てくるんだよ」。そう言って舞容疑者や家族への不満を吐き出していた。舞容疑者は逮捕後の調べに「配信で自分や家族のことを言われるのが嫌だった」とも供述しているとされる。
金銭問題を含めて複数のトラブルを抱えていたとされる原さんと舞容疑者ら。原さんは昨年12月16日前後、美保と昌吾両容疑者が暮らす舞容疑者の実家のアパートを訪問した後、足取りが途絶えた。防犯カメラの映像などから、同時期に父親、兄、交際相手の岩城周平(39)=高槻市=の3容疑者が実家近くでスーツケースを車に積み込み、1~2キロ離れた遺棄現場の多摩川河川敷付近まで運んでいたことも明らかになっている。
約2週間後の12月29日夜、2キロほど下流に流れ着いたスーツケースを釣り人が発見。原さんはその中で手足を縛られて亡くなっていたという。司法解剖の結果、死因は窒息死だった。
動画配信や金銭を巡るトラブルが事件の動機なのか。ある捜査幹部は「供述やインターネット上で臆測で語られていることだけではまだ全容は分からない。誰がどんな理由で事件を計画し、どのような役割分担だったのか。解明に向けて全力を尽くす」と話している。【宮本麻由、矢野大輝、横見知佳、柿崎誠】

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