オーストラリアから来た市長の娘に“マイクセクハラ” 辞任した美濃加茂市の副議長を直撃すると…「『今日は頑張ったな』という思い」

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「ここは一つ“がんばろう”という思いだっただけでありまして……」
【写真】週刊文春の取材を受ける永田前副議長
小誌取材に釈明するのは、岐阜県美濃加茂市議会の永田徳男前副議長(71)だ。
事件は、姉妹都市オーストラリア・ダボ市のマシュー・ディカーソン市長一行を歓迎する二次会で起きた。永田氏が、市長の娘の下腹部にカラオケのマイクを差し向けた“不適切行為”が明らかになったのだ。
当日は午後6時から一次会が開かれた。
参加者の一人が語る。
「永田氏のテーブルには、別の男性市議と、ダボ市側の女性2人、男性1人。英語を解さない男性市議が一人で酒を飲む中、女性陣は2人だけで話していた。永田氏はそこにスマホの翻訳アプリを駆使し、果敢に話しかけていました」
週刊文春の取材を受ける永田前副議長
主催者である美濃加茂国際交流協会の会長が語る。
「二次会でカラオケに行きたいというのは、ダボ市長のたっての希望でした。そこで永田さんには『二次会に参加してぜひ盛り上げてほしい』と頼みました」
そこで永田氏の心に火が点いてしまった。参加者のうち約20名がタクシーでスナックに移動。ダボ市長と美濃加茂市の藤井浩人市長が「イエロー・サブマリン」を歌い二次会の幕が開いた。永田氏は、「ダボ市長の息子に向かって娘の名前を叫び、両手を挙げて抱きつくようなジェスチャーをしていた」(別の参加者)。
その永田氏とダボ市長の息子が、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でも知られる「ジョニー・B・グッド」を歌った時だ。
「ソファ席に向かって右からダボ市長の娘、市長、妻が並んで座っていたが、永田氏は踊りながら軽快に娘の前に歩み寄った。そして、娘の下腹部のあたりに、サッとマイクを差し向けたのです」(別の参加者)
娘は両掌を上に向けて肩をすくめ、「what?」という表情で両親と目を見合わせた。背後の息子の動きは止まっていたという。別の市議がこれを撮影していた。
その後、藤井市長からダボ市に謝罪文を送る騒ぎに。ダボ市長はこう回答した。
「娘は驚き、私たち3人は不適切な行為に視線を交わしました。翌朝、私たちはこの件を簡単に話し合いましたが、それ以上の行動を起こすほど深刻ではないと考えました」
永田氏を直撃した。

「よろけたようになりましたね。決してやましい気持ちで行動に至ったわけではない。良かれと思って盛り上げたのですが、本当に申し訳ないなと思ってます」
――記憶があるのか?
「……一連のことで事細かに覚えているわけでは……。(その日は)『今日は頑張ったな』という思いでタクシーに乗って帰りました」
10日、永田氏は副議長を辞任。「不適切にもほどがある」セクハラ騒動だった。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2024年5月23日号)

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