文部科学省は14日、小学6年と中学3年を対象に今年4月に実施した全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の平均正答率などを公表した。
中学数学は48・8%で初めて5割を切り、中学国語の記述式問題の正答率は25・6%だった。
中学国語は全14問で、平均正答率は54・6%だった。問題の形式別にみると、選択式(8問)64・2%、短答式(2問)73・8%に対し、思考力や表現力を測る記述式(4問)の正答率は25・6%だった。中でも、物語の構成や展開について考えを論述する問題は最も低い17・4%にとどまった。この問題は27・7%が解答しなかった。
中学理科は、学習用端末を使ってオンラインで出題・解答するCBT方式で初めて行われた。個別の学力を詳細に把握することを目的に、生徒ごとに異なる出題をしたため平均正答率は出せなくなった。代わりに問題の難易度にかかわらず学力を比較でき、国際的な学力調査で用いられる「IRTスコア」を採用。今回の平均スコアは505点で、今後はこのスコアを基準に学力の変動を経年で把握できる。来年度以降、他教科でもCBT方式が段階的に採用され、移行後は教科ごとにスコアが示される。
小学校の教科全体の平均正答率は国語67・0%、算数58・2%、理科57・3%だった。
今年度の学力テストは約187万人が受験。文科省はこれまで平均正答率や問題の分析結果をまとめて公表してきたが今回は3回に分けた。都道府県・政令市別の成績は秋頃公表される。