野田元首相「岸田首相は異常なパーティー好き」 改革姿勢を追及

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

野党は26日、衆院予算委員会の集中審議で、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた岸田文雄首相(自民党総裁)の政治改革姿勢を引き続き追及した。立憲民主党の野田佳彦元首相は、首相就任後も頻繁にパーティーを開催した首相を「異常だ」「パーティーが大好きだ」などと批判し、自民の政治刷新本部長を辞任するよう求めた。野党は、前半国会の最大の山場と位置づける衆院政治倫理審査会(政倫審)が28日から始まるのを前に対決色を強めている。
派閥指示・秘書のせい… 言い訳のオンパレード
「(政治改革に向けた)対応は遅いし、的が外れている。ワールド・ベースボール・クラシック日韓戦の首相の始球式を思い出す。超スローボールの山なりで三塁側にいってしまった」。野田氏は予算委で、約1年前の首相の始球式を引き合いに、首相の改革姿勢を痛烈に批判した。
野田氏は、自民がリクルート事件を受けて1989年にまとめた「政治改革大綱」を首相自身も順守してこなかったことに焦点を当て、首相をただした。まず、大綱が党役員や閣僚の派閥離脱を求めているのに、首相就任後も「なぜ派閥の会長であり続けたのか」と追及。首相は理由の説明は避けた上で、裏金問題発覚後の自身の派閥離脱について「派閥が人事やお金と十分切り離されなかったことの表れで、私自身、反省しなければならない」と述べた。
さらに野田氏は、首相が就任後の2022年に自身のパーティーを7回開催したと指摘。「売り上げが1億5510万円。これは(自民の)武田良太議員に次いで第2位だ。利益1億3609万円。大規模パーティーに当てはまるじゃないか」と迫った。これに対し、首相は「勉強会だ」と釈明。「国民の疑惑を招きかねないような大規模なパーティーの開催自粛」を求めている大臣規範には抵触しないとの考えを示した。
11~12年に首相を務めた野田氏は「なぜ7回もやったのか。私はいつも金欠だが、首相になったからパーティーをやろうと思わなかった。異常だ。(首相は)パーティーが大好きだ」と厳しく批判。首相が、能登半島地震の発災から4日後の1月5日に経済3団体の新年会に防災服を着て出席したことを振り返り、「能登半島の人は(パーティー券を)買ってくれないかもしれないが、国民の命を守るのは首相だ。エネルギーの割き方が間違っている」と苦言を呈した。
野田氏は28日から始まる政倫審で自民が「非公開」を要求していることについて「誰も見てないところでつぶやいたことがなぜ説明責任を果たしたことになるのか」と公開を要求。首相に「完全公開でやれと指示したらどうか」と求めたが、首相は「適切に国会で判断される」と述べるにとどめた。
また、自民の政治刷新本部に安倍派議員が複数含まれていることに関し「汚れた雑巾では汚れを落とすことはできない」とも指摘。首相についても「リーダーシップがない。政治刷新本部長を辞めた方がいい。あなたが政治改革の障害となっている」と迫ったが、首相は「先頭に立って信頼回復に努める。本部長を続けるのは当然のことだ」とかわした。【森口沙織、鈴木悟】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。