《「その場のノリ」で》ラーメン山岡家「ふたペロペロ男」逮捕 スシロー事件の“教訓”をなぜ学ばなかったのか?

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あれほど大きな騒ぎになったのに、またしても”事件”は繰り返されてしまった──。北海道釧路市のラーメン店『ラーメン山岡家』で、20才の男が水の入ったピッチャーのふたを舐める仕草をした様子がSNSで拡散。店の営業を妨害したとして、外川涼翔容疑者が威力業務妨害で逮捕された。その後、撮影した16才の少年も逮捕された。
【写真】20才男がピッチャーのふたをまさに舐める瞬間の写真。過去には店の天かすをそのまま食べる男や、甘ダレに醤油を差しこむ女らも
「店への迷惑行為で思い出されるのが、昨年1月にスシローで発生した『しょうゆペロペロ事件』です。この事件は、少年がスシローの店内で醤油差しや湯呑みをペロペロと舐める動画がSNSで拡散したもの。スシローを運営する親会社の株価が暴落して、時価総額で170億円が吹き飛び、スシローは少年に対して約6700万円の損害賠償請求を行いました。
その後、スシローと少年側で調停が成立し、訴訟は取り下げられましたが、ちょっとしたいたずらで一生を棒に振る事態もあり得ることが広く認識されました」(ネットニュース編集者)
今回のラーメン店での蛮行に対し、ネットには、
「学ばない人というのはやはり存在するのですね」「あれだけ社会問題になって大騒ぎになったのに、まだこんなことをやってる人がいるんですね」
と、驚き呆れる声が次々と上がり、
「非常識な言動には相応の罰や処分が下されるべき」「今後の見せしめになるような処罰を与えて欲しいものです」
など、厳罰を求めるコメントであふれた。
「親と学校が中高生あたりに迷惑防止の教育をしてほしい」「学校でこうゆうのも教えなきゃいけない時代になってきたのでしょうかね」 といった指摘も寄せられている。
迷惑行為によるSNSの炎上事件は、なぜ何度も繰り返されるのか。2000年半ばからネットニュースの運営に携わり、ネットの炎上事件を長年ウォッチしてきたネットニュース編集者は、今回の山岡家の事件について、「再生回数狙いの金目当てではないだろう」と推測する。
「ネットの歴史をたどると、コンビニの冷蔵庫に入ったり、飲食店の食材で遊んだり、おでんをツンツンとつついたりと、炎上のパターンは様々ですが、共通するのはとても短絡的だということ。騒動の主の反省コメントも、『こんなに騒ぎになると思わなかった』『友達に自慢したかった』といった幼稚なものばかりで、そこに計算は感じられません。決して言い訳にはなりませんが、今回の事件も“その場のノリ”で“面白そうだからやった”というのが真実に近いのはないでしょうか。
ネットでは、昨年のスシローの事件を引き合いに出す声が非常に多いですが、今回、騒ぎを起こした男や撮影した少年はスシロー事件のことなど知らないかもしれません。常に『なぜ同じことを繰り返すのか』というコメントが寄せられてきたのがネットの炎上の歴史です。炎上事件を起こすような人は、過去の炎上事件など興味がないのでしょう。
コロナ禍ではいわゆる“バカッター事件”がめっきり減り、若者もいい加減にネットリテラシーを身に付けたのかと思いましたが、どうやらコロナ禍で外食する機会が減っただけだったようですね。投稿する道具(スマホ)と投稿する場所(SNS)がある限り、迷惑動画による炎上事件は永遠になくならないでしょう」
外川容疑者は今回の件で、通っていた釧路市内の専門学校を退学処分となっている。北海道のUHBニュースの報道によると学校側の聞き取りに「その場のノリだった」と話しているという。山岡家は今回の件について地元警察署に被害届を出し「厳正に対処する」とコメント、外川容疑者の逮捕に至った。「ノリ」の代償はあまりに大きい--。

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