「悔やみきれない」生後4カ月の息子死亡 保育所次々落選…両親「誰もが安全な保育を」うつぶせ寝?保育施設は謝罪

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東京・世田谷区の認可外保育施設で2023年、うつぶせ寝の状態だった生後4ヶ月の赤ちゃんが死亡した。
両親が7日都内で会見し、「安全管理の全く不十分な保育所に大切な我が子を預けてしまった事をとても悔やんでいます。悔やんでも悔やみきれない思いがあります」と述べた。
両親によると、息子の真渚己(まさき)ちゃんは2023年7月生まれ。2023年11月から仕事に復帰するために、真渚己ちゃんを預けようと世田谷区の複数の認可保育所に申し込んだが、全て落選したという。
そこで認可外施設も含めて保育所を探したが、どこも枠がいっぱいだったという。ただ、区の認証を受けている認可外保育施設「託児ルームバンビーノ」で空きがあったため、11月末に申し込みをし、利用を開始したという。
そして、12月13日の午後に、真渚己ちゃんは亡くなったとしている。
真渚己ちゃんの死について、7日、世田谷区議会に報告がなされた。その報告によると、当時「託児ルームバンビーノ」には0歳が5人、1歳が3人、2歳が1人の合計9人の子どもがいて、職員は保育士資格を持つ施設長に加えて、臨時職員が2名の計3名いたという。
午後2時頃に、睡眠時間となったが真渚己ちゃんは寝付かず、午後2時50分頃には、施設長が一時外出した。職員が真渚己ちゃんを布団に寝かせ、15時15分頃に施設長が施設に戻った際、異変に気づいた職員が施設長に事態を伝え、施設長が救急通報したという。真渚己ちゃんは救急搬送され、死亡が確認された。
両親は、詳細を施設長と職員2人から聞き取った話として、職員の1人は施設長の息子で、この息子は「泣いていた子がうつ伏せに置いたあとで泣き止んだ」と証言しているという。
さらに、保育園に申し込む際のエピソードとして、「1歳に満たない他の園児達がうつ伏せで昼寝をしている状況があり、理由を尋ねると、施設長からは、うつ伏せだと寝付きが良いとの回答があった。そこで、窒息の懸念があるため、1歳になるまでは常に仰向けで寝かせるように強く要望しました」と話した。
このことなどから、両親は、「不適切な保育によるうつぶせ寝により窒息死した」と主張している。
施設側は取材に対し、真渚己ちゃんの状態について、「多分うつ伏せだったと思います」と話したが、職員は、はっきりとは憶えていないとしている。その上で、「仰向けだと起きてしまう赤ちゃんにはうつ伏せでもいいと職員に伝えていた。信頼して預けていただいたのに申し上げる言葉もありません」と謝罪している。
両親は、「認可保育所への入所がかなわず、私たちが仕事を継続するには他に選択肢はありませんでした。認可外とはいえ、区の認証を受けている施設なので、大丈夫であろうと思いましたが、結果として間違いでした。保育を必要とする誰もが安全な保育を受けられることを行政に対して強く望みます」と話した。

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