「保険証廃止してマイナカードへ一本化」政府のゴリ押しに反発の声 5年ごとの暗証番号更新に「ハードル高い」

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2020年には舘ひろしらタレントを起用した「マイナンバーカード」新CM発表会が開催された(写真・時事通信)
健康保険証を廃止し、マイナンバーカードに一本化する――との報道が波紋を呼んでいる。10月8日に「朝日新聞」が報じた「保険証廃止、24年秋にも 厚労省調整、マイナカード一本化 交付率5割届かず、対応課題」と題した記事で、2024年秋にも保険証を原則廃止し、その後はマイナンバーカードを保険証として使うことを、厚生労働省が調整しているという。
SNSでは
《国民から健康保険証を取り上げて、情報漏洩不安満載のマイナンバーカードを国民に強制するって、なんのパワハラですか》
《当初は持ち歩いたら危険!とか他人に見せちゃ駄目!とか言ってたよね。これからは窓口に診察券と一緒に出すの?どこで変わった!!?》
《マイナンバーカードは使いたい人が便利にどんどん使ってください。保険証はそれ単体でも使えるよう残してください。それだけです》
など、批判的な意見が圧倒的に多い状況だ。
「私は、保険証をマイナンバーカードにするということには、基本的に賛成です」
と語るのは、ファイナンシャルプランナーの塚越菜々子氏だ。
「実際に2024年秋、強制的に切り替わるかどうかは別として、いずれそうなっていくことは間違いないことでしょう。マイナンバーカードが保険証になることによって、高額療養費制度の『限度額適用認定証』申請の手続きが簡素化されたり、薬歴情報が一本化されたりして無駄がなくなるなど、個人的にも社会的にもメリットは非常に大きい。
反対している方たちは、強制的に変更される点に反発を感じているのではないでしょうか。強制ではなく、どちらかを選択できるということであれば、ここまでの反発はなかったかもしれません」
SNSにはほかにも
《寝たきりの方とか、意思表明ができない方はどうすればいいんだ?5年で暗証番号変更、10年で写真撮り直しとかってハードル高くないか?今の健康保険証の方がよほど使いやすい》
という声も。
「たしかに、マイナンバーカードには10年の有効期限があり、暗証番号を5年ごとに更新する必要があるなど、ある程度の課題はあります。保険証と一体化するにしても、使い方がわからない高齢の方も出てくるでしょう。そうした方をサポートする仕組みをしっかり整備したうえで、保険証のマイナンバーカードへの移行を進めるべきだと考えます」(塚越氏)
10月2日時点で、マイナンバーカードの申請者数は7011万人で、人口の55.7%まで増えた。だが、マイナンバーカードの保険証利用は2021年10月から本格運用が始まったものの、実際の利用はなかなか進んでいない。「日本健康会議」が2022年9月4日に公表したデータでは、マイナンバーカードの読み取り機を導入した医療機関や薬局は6万4965施設で、目標とする20万施設の32.5%にとどまっている。
今後も運転免許証との一体化が可能になるなど、マイナンバーカードの用途は増えていくが、我々もその使い方をしっかりと把握していく必要がある。

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