髪色を自由にした約2割が「派手髪」に…同僚や利用客から好意的?“接客への姿勢”に変化はあったのかドンキに聞いた

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ディスカウント店の「ドン・キホーテ」が店舗従業員の髪色を自由にした後、約2割がカラフルな「派手髪」にしていたことが分かった。従業員の多様性を尊重する動きが広がる中で「ドン・キホーテ」は昨年3月、店舗で働く従業員の“服装ルール”を緩和し、髪色を自由にしていた。そして11月に店舗で働く従業員の“髪色”の調査を行い、その結果を12月13日に発表した。すると、調査の対象となった1804人の従業員のうち47.7%が「黒髪」で、「ブラウン」は33%、「派手髪(ゴールド、ブルー、ピンク、レッドなど)」は19.3%だった。

つまり髪色を変えている従業員は52.6%と全体の半数を超え、約2割が「派手髪」であることが判明したのだ。また「派手髪」の従業員のうち、25.0%が「金・ゴールド」の髪色であることも分かっている。さらに10代~70代以上までの全ての年代で、また都市部・地方を問わずまんべんなく「派手髪」の従業員がおり、年齢や地域に関係なく従業員が自由に髪色を楽しんでいることも分かった。そして「派手髪」の従業員の7割以上が、客や同僚から「ポジティブな反応をもらっている」とのことだ。「ドン・キホーテ」の運営会社、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)によると、「派手髪」の従業員は以下のようにコメントしている。・お客さまからオシャレだと言われたことはとても嬉しく感じました。自分が自分らしくいられる表現の一つであり、髪色だけで判断されないために、日々の仕事もきちんとやる意識が高くなりました。また、髪色のせいで「だらしない」とか「不潔」という印象にならないよう、身支度等、色々な部分も意識するようになりました。(50 代/パート・アルバイト/髪色:桃・ピンク)「派手髪」で目立っても、同僚や利用客からこれだけポジティブな反応があると、仕事のやりがいなどにも良い影響が出ているかもしれない。では「髪色の自由化」で店舗従業員の半数以上がヘアカラーを楽しみ、そして約2割が「派手髪」という状況になることは想定していたのか? また「髪色の自由化」によって、従業員の接客に変化は起きているのか?パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスの担当者に聞いた。「ドン・キホーテとしての意思や想いが広まっている」――「髪色の自由化」をする前には、髪色に関して、どんなルールがあった?髪色を染める場合は、茶系などで明るすぎない色(茶系、黄系で10トーン以下など))というルールがありました。――昨年3月に髪色を自由にした理由は?店舗からの要望がきっかけでルールが緩和されました。ルール緩和前についても、当社は企業理念の中で「多様性を認めること」大切にしてきました。そのため、店舗から要望があった際にも、その考えをもとにルール緩和を決定しました。――今回、店舗従業員の髪色に関する調査を行った理由は?去年のルール緩和後、新ルールの運用状況や従業員の髪色や心境の変化などを把握する目的で調査を行いました。ルールは緩和したものの、実態を正確に把握している状況ではなく、店舗運営や従業員の働き方へのメリットやデメリットも可視化されていなかったため、より働きやすい環境作りを推進するためにも、正確な状況の把握が必要と考えました。――今回の調査結果をどのように受け止めた?髪色の自由化により、従業員の個性の示し方が広がり、それによって多様性への理解が深まり、促進されている結果だと受け止めております。また、従業員の業務に取り組む意欲や私生活も含むモチベーション、ドン・キホーテへの就業意欲などを高めることに貢献しているとも捉えております。年代、性別、店舗エリア関係なく、ドン・キホーテとしての意思や想いが広まっていることがあらわれている結果だとも考えております。周囲からのポジティブな反応は想定外――店舗従業員の半数以上がヘアカラーを楽しむこと、約2割が「派手髪」という状況になることを想定していた?いずれも想定よりも高い比率でしたが、それ以上に、年代や店舗のエリアなど関係なく、髪色を楽しんでいる従業員がいることは新たな発見でした。――派手髪の従業員の70%以上が「客や同僚からポジティブな反応をもらっている」と回答したことは、どのように受け止めた?周囲からのポジティブな反応、特にお客様から積極的に好意的な反応をいただけることまでは想定していませんでした。こうした、周囲からの好意的な反応は、従業員自身の自己評価や自信の向上にもつながると思いますので、ルール緩和が、こうした面でも貢献できていることはうれしく思います。――「髪色の自由化」の効果を会社として感じていることは?店舗、社屋勤務など、様々な立場で感じることも多様かとは思いますが、従業員のモチベーションや自己評価の向上、自信の醸成、帰属意識やロイヤリティの向上、店舗の活気の活性化、多様性や他者を認める文化・雰囲気の広がりなどがあげられます。――「髪色の自由化」によって、従業員の接客に変化は感じる?「自由=自分で判断する機会」が増加することで、自己啓発や自己成長にもつながっているようで、接客面でも自信がついたり、アクティブで積極的な姿勢になっていたりする従業員が増えているようです。――今回の調査結果を受け、今後はどんな取り組みをしていこうと考えている?多様性を尊重することは、当社の企業理念にもある「変化対応」や「権限委譲」にも通ずる考え方でもあり、現状や既成概念にとらわれることなく、常に時代に合わせたブラッシュアップを大切にしたいと考えます。ドン・キホーテが実施した「髪色の自由化」は、ポジティブな効果をもたらしていることが分かった。今回の調査結果を受け、接客業の「髪色の自由化」の流れは加速していくかもしれない。
ディスカウント店の「ドン・キホーテ」が店舗従業員の髪色を自由にした後、約2割がカラフルな「派手髪」にしていたことが分かった。
従業員の多様性を尊重する動きが広がる中で「ドン・キホーテ」は昨年3月、店舗で働く従業員の“服装ルール”を緩和し、髪色を自由にしていた。そして11月に店舗で働く従業員の“髪色”の調査を行い、その結果を12月13日に発表した。
すると、調査の対象となった1804人の従業員のうち47.7%が「黒髪」で、「ブラウン」は33%、「派手髪(ゴールド、ブルー、ピンク、レッドなど)」は19.3%だった。
つまり髪色を変えている従業員は52.6%と全体の半数を超え、約2割が「派手髪」であることが判明したのだ。
また「派手髪」の従業員のうち、25.0%が「金・ゴールド」の髪色であることも分かっている。
さらに10代~70代以上までの全ての年代で、また都市部・地方を問わずまんべんなく「派手髪」の従業員がおり、年齢や地域に関係なく従業員が自由に髪色を楽しんでいることも分かった。
そして「派手髪」の従業員の7割以上が、客や同僚から「ポジティブな反応をもらっている」とのことだ。
「ドン・キホーテ」の運営会社、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)によると、「派手髪」の従業員は以下のようにコメントしている。
・お客さまからオシャレだと言われたことはとても嬉しく感じました。自分が自分らしくいられる表現の一つであり、髪色だけで判断されないために、日々の仕事もきちんとやる意識が高くなりました。また、髪色のせいで「だらしない」とか「不潔」という印象にならないよう、身支度等、色々な部分も意識するようになりました。(50 代/パート・アルバイト/髪色:桃・ピンク)
「派手髪」で目立っても、同僚や利用客からこれだけポジティブな反応があると、仕事のやりがいなどにも良い影響が出ているかもしれない。
では「髪色の自由化」で店舗従業員の半数以上がヘアカラーを楽しみ、そして約2割が「派手髪」という状況になることは想定していたのか? また「髪色の自由化」によって、従業員の接客に変化は起きているのか?
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスの担当者に聞いた。
――「髪色の自由化」をする前には、髪色に関して、どんなルールがあった?
髪色を染める場合は、茶系などで明るすぎない色(茶系、黄系で10トーン以下など))というルールがありました。
――昨年3月に髪色を自由にした理由は?
店舗からの要望がきっかけでルールが緩和されました。ルール緩和前についても、当社は企業理念の中で「多様性を認めること」大切にしてきました。そのため、店舗から要望があった際にも、その考えをもとにルール緩和を決定しました。
――今回、店舗従業員の髪色に関する調査を行った理由は?
去年のルール緩和後、新ルールの運用状況や従業員の髪色や心境の変化などを把握する目的で調査を行いました。
ルールは緩和したものの、実態を正確に把握している状況ではなく、店舗運営や従業員の働き方へのメリットやデメリットも可視化されていなかったため、より働きやすい環境作りを推進するためにも、正確な状況の把握が必要と考えました。
――今回の調査結果をどのように受け止めた?
髪色の自由化により、従業員の個性の示し方が広がり、それによって多様性への理解が深まり、促進されている結果だと受け止めております。
また、従業員の業務に取り組む意欲や私生活も含むモチベーション、ドン・キホーテへの就業意欲などを高めることに貢献しているとも捉えております。
年代、性別、店舗エリア関係なく、ドン・キホーテとしての意思や想いが広まっていることがあらわれている結果だとも考えております。
――店舗従業員の半数以上がヘアカラーを楽しむこと、約2割が「派手髪」という状況になることを想定していた?
いずれも想定よりも高い比率でしたが、それ以上に、年代や店舗のエリアなど関係なく、髪色を楽しんでいる従業員がいることは新たな発見でした。
――派手髪の従業員の70%以上が「客や同僚からポジティブな反応をもらっている」と回答したことは、どのように受け止めた?
周囲からのポジティブな反応、特にお客様から積極的に好意的な反応をいただけることまでは想定していませんでした。
こうした、周囲からの好意的な反応は、従業員自身の自己評価や自信の向上にもつながると思いますので、ルール緩和が、こうした面でも貢献できていることはうれしく思います。
――「髪色の自由化」の効果を会社として感じていることは?
店舗、社屋勤務など、様々な立場で感じることも多様かとは思いますが、従業員のモチベーションや自己評価の向上、自信の醸成、帰属意識やロイヤリティの向上、店舗の活気の活性化、多様性や他者を認める文化・雰囲気の広がりなどがあげられます。
――「髪色の自由化」によって、従業員の接客に変化は感じる?
「自由=自分で判断する機会」が増加することで、自己啓発や自己成長にもつながっているようで、接客面でも自信がついたり、アクティブで積極的な姿勢になっていたりする従業員が増えているようです。
――今回の調査結果を受け、今後はどんな取り組みをしていこうと考えている?
ドン・キホーテが実施した「髪色の自由化」は、ポジティブな効果をもたらしていることが分かった。今回の調査結果を受け、接客業の「髪色の自由化」の流れは加速していくかもしれない。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。