相次ぐ企業トップの辞任 スノーピークの“既婚男性との交際及び妊娠”説明にハヤカワ五味氏「ここまで書く必要があったのか」

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ここ最近相次いでいる、企業トップの辞任。アウトドアメーカー・スノーピークの社長が既婚男性との交際と妊娠を理由に、また老舗和菓子店・船橋屋の社長が交通事故を起こし相手の運転手へ罵声を浴びせたとして、そしてかっぱ寿司の運営会社社長がライバル会社のデータを不正に入手したとして逮捕され、それぞれ辞任を発表している。
【映像】ここ最近で辞任した企業トップの面々 Twitterにあがるのは「業績不振で辞めるならわかるけど」「社長ってモラルない人多いの?」「企業イメージとしては大ダメージ」といった声。その会社の顔ともなる社長の不祥事は、企業全体のイメージダウンになりかねない。

1万人以上の経営者を取材した「週刊ダイヤモンド」元編集長でジャーナリストの松室哲生氏は、時期が集中したのは偶然だとした上で、「論外というか恥ずかしいのは、エネオスHDや船橋屋で、モラルというか人間性の話になってしまう」と話す。 そんな中、「いろいろな側面がある」というかっぱ寿司とスノーピークの問題について、4日の『ABEMA Prime』は議論した。■「機密情報の管理責任は中小企業だってわかっていること」 かっぱ寿司について、松室氏は「業界として未成熟なのだと、とにかく緩い。機密情報は管理しなければいけないし、管理する責任があることは中小企業だってわかっている。もちろん情報を取り出すのもまずいわけで、それが平然と行われていたことに驚きを禁じ得ない。ライバル企業からの引き抜きも、引き抜かれる人はもちろん情報は頭の中に入れておいて、移った先で何食わぬ顔で分析しながら役立てていく。機密情報の保護は厳格で、退任する時に一筆書かされるはずだ」と指摘。 一方で、「(原材料等が)値上がりしていて、業界自体が薄利多売だから非常に苦しい。好調なところとそうでないところの明暗が結構出てきている。苦しいところはいろいろな手を打たなくてはならず、モラルがないことを平然とやってしまうのは、それほど引き抜かれたことへのプレッシャーも強いのではないか」との見方を示す。 通信制高校ルークス代表の斎木陽平氏は「競合他社を出し抜こうという厳しい環境があったのは想像できるが、やはり超えてはいけない一線だったのではないか」と苦言を呈する。 実業家のハヤカワ五味氏は「謝罪と退場が一緒になっているが、それこそ会社の代表の場合、社長を辞めたとて株を持っていることが結構ある。辞めたことにみんな嬉しくなっているが、それでは本当に責任を取ったことにならないのではないか」と述べた。■「男性社長が女性を妊娠させるなんてこともあるのに、なぜここだけ取り沙汰されているのか」 スノーピークの問題について、松室氏は「娘さんが社長になった後、アウトドアのムードが出てきて、業績が上がる要素は多分にあったと思う。ただ、ここにきて下方修正して、ある意味でちょうどいいタイミングだったのではないか」と分析。 一方で、ハヤカワ五味氏は「男性社長が女性を妊娠させるなんてこともあるのに、なぜここだけ取り沙汰されているのかが本当にわからない。週刊誌に撮られていた可能性もあると思うが、それでもリリースにここまで書く必要があったのか。その時点では相手が既婚男性とは限らないわけで、正直、関係者の怒りみたいなものを感じてしまった」と違和感を口にする。 松室氏は「10年ぐらい前に取材したことがあって、その時はまだそんなに有名ではなかったが、非常にいい会社だと思った。高くていい物で成長してきて、それ自体はいいこと。ただ、ファンが多いので、“娘さんがどうした”ということが影響すると父親である前社長が判断したのではないか。先手を打ったというイメージだと思う」と推察した。 プロデューサーで慶應義塾大学特任准教授の若新雄純氏は「企業も上場すると公的な存在だと見られるが、そういうところでよく言われているのは“トップは実力や実績より分別だ”と。周りにいる乱暴だけど優秀な人が支えたり変革を起こしていく一方で、顔になる人には分別があってほしいとみんな言う。霞が関でも事務次官になれるのは分別がある人だというのが定石になっているらしい。スノーピークの社長も若くして優秀だったかもしれないし、続けていたらもっとよくなっていたかもしれないが、日本人の多くが大事にしてきた分別を失ったのだろう」との見方を示した。(『ABEMA Prime』より)
Twitterにあがるのは「業績不振で辞めるならわかるけど」「社長ってモラルない人多いの?」「企業イメージとしては大ダメージ」といった声。その会社の顔ともなる社長の不祥事は、企業全体のイメージダウンになりかねない。
1万人以上の経営者を取材した「週刊ダイヤモンド」元編集長でジャーナリストの松室哲生氏は、時期が集中したのは偶然だとした上で、「論外というか恥ずかしいのは、エネオスHDや船橋屋で、モラルというか人間性の話になってしまう」と話す。
そんな中、「いろいろな側面がある」というかっぱ寿司とスノーピークの問題について、4日の『ABEMA Prime』は議論した。
■「機密情報の管理責任は中小企業だってわかっていること」
かっぱ寿司について、松室氏は「業界として未成熟なのだと、とにかく緩い。機密情報は管理しなければいけないし、管理する責任があることは中小企業だってわかっている。もちろん情報を取り出すのもまずいわけで、それが平然と行われていたことに驚きを禁じ得ない。ライバル企業からの引き抜きも、引き抜かれる人はもちろん情報は頭の中に入れておいて、移った先で何食わぬ顔で分析しながら役立てていく。機密情報の保護は厳格で、退任する時に一筆書かされるはずだ」と指摘。
一方で、「(原材料等が)値上がりしていて、業界自体が薄利多売だから非常に苦しい。好調なところとそうでないところの明暗が結構出てきている。苦しいところはいろいろな手を打たなくてはならず、モラルがないことを平然とやってしまうのは、それほど引き抜かれたことへのプレッシャーも強いのではないか」との見方を示す。
通信制高校ルークス代表の斎木陽平氏は「競合他社を出し抜こうという厳しい環境があったのは想像できるが、やはり超えてはいけない一線だったのではないか」と苦言を呈する。
実業家のハヤカワ五味氏は「謝罪と退場が一緒になっているが、それこそ会社の代表の場合、社長を辞めたとて株を持っていることが結構ある。辞めたことにみんな嬉しくなっているが、それでは本当に責任を取ったことにならないのではないか」と述べた。
■「男性社長が女性を妊娠させるなんてこともあるのに、なぜここだけ取り沙汰されているのか」
スノーピークの問題について、松室氏は「娘さんが社長になった後、アウトドアのムードが出てきて、業績が上がる要素は多分にあったと思う。ただ、ここにきて下方修正して、ある意味でちょうどいいタイミングだったのではないか」と分析。
一方で、ハヤカワ五味氏は「男性社長が女性を妊娠させるなんてこともあるのに、なぜここだけ取り沙汰されているのかが本当にわからない。週刊誌に撮られていた可能性もあると思うが、それでもリリースにここまで書く必要があったのか。その時点では相手が既婚男性とは限らないわけで、正直、関係者の怒りみたいなものを感じてしまった」と違和感を口にする。
松室氏は「10年ぐらい前に取材したことがあって、その時はまだそんなに有名ではなかったが、非常にいい会社だと思った。高くていい物で成長してきて、それ自体はいいこと。ただ、ファンが多いので、“娘さんがどうした”ということが影響すると父親である前社長が判断したのではないか。先手を打ったというイメージだと思う」と推察した。
プロデューサーで慶應義塾大学特任准教授の若新雄純氏は「企業も上場すると公的な存在だと見られるが、そういうところでよく言われているのは“トップは実力や実績より分別だ”と。周りにいる乱暴だけど優秀な人が支えたり変革を起こしていく一方で、顔になる人には分別があってほしいとみんな言う。霞が関でも事務次官になれるのは分別がある人だというのが定石になっているらしい。スノーピークの社長も若くして優秀だったかもしれないし、続けていたらもっとよくなっていたかもしれないが、日本人の多くが大事にしてきた分別を失ったのだろう」との見方を示した。(『ABEMA Prime』より)

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