心当たりのない盗用を指摘されて名誉を傷つけられイベントも中止に追い込まれたなどとして、アニメ監督が盗用を指摘した女性に440万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁立川支部は13日、女性に121万円の支払いを命じる判決を言い渡した。
加藤紀子裁判官は「原告の社会的評価や信用に与えた影響は大きい」と述べた。原告は「少女革命ウテナ」など多数の人気作品を手がけたアニメ監督の幾原邦彦さん(58)。
判決によると、2022年4月~今年1月、幾原さん側がSNSに投稿したイラストを巡り、声優などを名乗る女性が「自分の作品が盗用されている」という趣旨のメールを幾原さんの仕事先のアニメ会社に送るなどした。幾原さんらが計画していたライブも警備上の理由で中止された。
判決は女性が送ったメールやSNS上の投稿など6件で名誉毀損(きそん)や業務妨害を認定。幾原さん側の画像と女性の描いた画像は類似しておらず、「盗用」の主張には真実性も真実相当性も認められないと判断した。