【阿部 恭子】学歴を気にしすぎる日本人…いまだ根強い「学歴信仰」が殺人事件を招くこともある「厳しい現実」

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学歴があれば「勝ち組」なのか?
月10万円の困窮生活、振り込め詐欺や万引きに手を染める、博士課程中退で借金1000万円、ロースクールを経て「ヒモ」に、日本に馴染めない帰国子女、教育費2000万円かけたのに無職……
なぜ高学歴でも生きづらいのか? 新刊『高学歴難民』では、「こんなはずではなかった」誰にも言えない実態の数々に迫る。
※本記事は阿部恭子『高学歴難民』から抜粋・編集したものです(登場人物は仮名で、個人が特定されることのないよう一部エピソードに修正を加えています)。
人生に迷ってしまった人々のために近年、高学歴ワークングプアが社会問題になりました。その背景には、日本社会が高度な専門性を有する人々を活かしきれていない現状があることは言うまでもありません。しかし、社会や制度が変わるには時間を要します。率直に、社会の変化に期待し続けることは、さらなる難民生活の長期化を招くだけです。状況を変えようとするならば、まず変化を求めなければならないのは、自分自身かもしれません。本書『高学歴難民』の目的は、教育や雇用を巡る社会的議論を展開することではなく、高学歴難民やその生活を支える家族の視点から、教育の意義や社会の課題、そして、個人の幸福について考えることにあります。本書『高学歴難民』で紹介する高学歴難民の事例では、生まれ育った時代背景、家庭環境、地域の実情や個人の価値観、さらには心の闇にまで可能な限り焦点を当てました。今まさに、難民生活の出口を探しているという方、家族やパートナーの難民生活を支えているという方、これから大学院進学を考えている方にとっても、キャリアという枠を超え、この先の人生を考える参考にしていただけければ幸いです。学歴社会は変化していても、学歴社会で育ってきた人々の中には、未だに根強い学歴信仰が残存しています。現在、日本で起こる殺人事件の約半数は、家族間で起きていますが、進路を巡る親子の対立から生じる事件が絶えない背景には、親の学歴偏重主義が隠れていることがあります。学歴は、子ども時代を犠牲にしてまでも手に入れなければならないものなのでしょうか。子どもや教育に関わる方々にも、ぜひ読んでいただきたいと考えています。つづく「月収10万円困窮生活…30代男性『高学歴難民』が『振り込め詐欺』に手を染めた『悲劇』」では、「これ以上、家族に迷惑を掛けられないと『振り込め詐欺』に加担」と題した30代男性へのインタビューから「高学歴難民」の壮絶な実態に迫る。
近年、高学歴ワークングプアが社会問題になりました。その背景には、日本社会が高度な専門性を有する人々を活かしきれていない現状があることは言うまでもありません。
しかし、社会や制度が変わるには時間を要します。率直に、社会の変化に期待し続けることは、さらなる難民生活の長期化を招くだけです。状況を変えようとするならば、まず変化を求めなければならないのは、自分自身かもしれません。
本書『高学歴難民』の目的は、教育や雇用を巡る社会的議論を展開することではなく、高学歴難民やその生活を支える家族の視点から、教育の意義や社会の課題、そして、個人の幸福について考えることにあります。
本書『高学歴難民』で紹介する高学歴難民の事例では、生まれ育った時代背景、家庭環境、地域の実情や個人の価値観、さらには心の闇にまで可能な限り焦点を当てました。
今まさに、難民生活の出口を探しているという方、家族やパートナーの難民生活を支えているという方、これから大学院進学を考えている方にとっても、キャリアという枠を超え、この先の人生を考える参考にしていただけければ幸いです。
学歴社会は変化していても、学歴社会で育ってきた人々の中には、未だに根強い学歴信仰が残存しています。
現在、日本で起こる殺人事件の約半数は、家族間で起きていますが、進路を巡る親子の対立から生じる事件が絶えない背景には、親の学歴偏重主義が隠れていることがあります。
学歴は、子ども時代を犠牲にしてまでも手に入れなければならないものなのでしょうか。子どもや教育に関わる方々にも、ぜひ読んでいただきたいと考えています。
つづく「月収10万円困窮生活…30代男性『高学歴難民』が『振り込め詐欺』に手を染めた『悲劇』」では、「これ以上、家族に迷惑を掛けられないと『振り込め詐欺』に加担」と題した30代男性へのインタビューから「高学歴難民」の壮絶な実態に迫る。

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