数十万人の中国人スパイ、暗躍する北朝鮮スパイ…『VIVANT』監修者・元公安警察官が明かす「日本というスパイ天国」のヤバすぎる実態

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TBS日曜劇場『VIVANT』(毎週日曜の夜9時~)が熱い注目を浴びている。堺雅人が主演を務めるこの作品は、スパイの世界が舞台となっており、「警視庁公安部外事課」「CIA」「国際テロ組織」「ハッカー」などと興奮を掻き立てる要素が凝縮されている。元警視庁公安部外事課の勝丸円覚氏は『VIVANT』に公安監修として参画している。10年以上スパイハンターとして日本国内に巣食う各国スパイたちと対峙してきた勝丸氏にドラマ内で登場する「モニター」「スリーパー」について聞いた。
―ドラマ内ではスパイのことを「モニター」「スリーパー」と呼んでいましたが、どういう存在なのでしょうか。
モニターとスリーパー、その意味合いは異なります。モニターは、中国の情報機関の世界で言えば、情報機関員がリクルートした協力者たちを指します。中華料理屋の経営者やクリーニング店のスタッフなど、多彩な職業に扮して潜んでおります。成功したレストランオーナーやテレビの評論家、社会的地位を築いた人々にも網の目は広がっております。協力者たちがさらに新たな協力者を引き込んで、ネットワークが広がるのです。そして、自らがスパイ活動の一翼を担っていることに気付いていない者たちも存在します。
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―どうやってリクルートするのでしょうか。
日本に滞在する中国人をスパイとして引き入れる方法は、情報機関員が協力者にしたい人に連絡を取り、直接会う約束をし、「国のために」協力するよう説得します。その際に、どんな恩恵があるのかを伝えます。「親の年金が増える」「兄弟の昇進が早まる」などの具体的なメリットを提示します。さらに、報酬は情報の精度に応じて支払うことを提案します。
逆に断ると、脅しの言葉が飛び交います。「親や兄弟の未来が危うい」「家族の生活が困難になるかもしれない」と不安を煽るため、こうした圧力に抗するのは難しいのです。
―さすが恐怖政治の中国ですね。
中国の情報機関員は、協力者候補リストを手にしています。携帯電話の番号など、確かな情報を入手し、水面下で接触を続けています。その拠点は、江東区に位置する大使館関連施設の「教育処」です。ここで膨大なデータベースが形成されていると伝えられています。現役留学生だけでなく、これまで日本に滞在した個々の足跡が記録されているのです。日本滞在先から学校、卒業後の進路に至るまで、すべてが顔写真を添えてデータベースに刻まれていると言われています。この情報網を通じて、中国は日本に太い根を張り、数十万のスパイを存在させているのです。
―スリーパーに関しては、どういう存在なのでしょうか。
北朝鮮の将軍様のために日本や韓国で暗躍するスパイたちが「スリーパー」と呼ばれております。彼らの最大の使命は、将軍様から命令があった時に一斉に行動を起こせるように、常に万全の準備を整えておくことなのです。普段は一般市民としてひっそりと日常を送る彼らは、命令が下った瞬間に担当分野ごとに結集し、鉄道、発電所、ダムといった要所を狙って攻撃を仕掛ける。これが北朝鮮のスリーパーの最終目標なのです
今も、日本国内にはスリーパーが潜伏していると考えられます。彼らは高齢化しているかもしれませんが、依然として将軍様の命令を待ち望んでいるのです。
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―実際にスリーパーが立ち上がったことはあるのでしょうか。
将軍様の命令は、未だ一度も発せられたことはないのです。もしもスリーパーたちが立ち上がったら、どのような悲劇が起こるのかいいますと、過去、在日朝鮮人が数十万人いた時代に将軍様の指令が出ていたら、発電所で火災が発生し、日本中で停電が起こったでしょう。また奥多摩湖のダムでダイナマイトが爆発し、その堤防が崩壊すれば、町は水に呑み込まれ、壊滅的な災厄が襲いかかっただろうと予測されます。しかしそのような惨劇は、幸いなことに起こることはなかったのです。ただ今も、彼らは日本に潜伏しているでしょう。

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