「トー横」暴行殺害事件 初公判で明かされた「凄惨集団リンチ」

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「(被害者を)正座させて暴行を加え、ろっ骨のほぼすべてを骨折させるなどしてショック死させた」
検察の冒頭陳述で明かされたのは、凄惨なリンチの様子だったーー。
9月20日、東京地裁で開かれた裁判員裁判の初公判。昨年11月に東京・歌舞伎町のビルで無職の氏家彰さん(当時43)を集団で暴行し殺害したとして、傷害致死の罪に問われているのは関口寿喜被告(27)だ。氏家さんと関口被告は、多くの未成年がたむろする歌舞伎町『TOHOシネマズ』横の、通称「トー横」に頻繁に集まっていたという。関口被告は、起訴内容を認めている。
「現場は新宿区役所前にある、11階建ての雑居ビルの屋上です。防犯カメラには、朝8時前に数人の若いグループに囲まれビルに入っていく氏家さんの姿が映っていました。氏家さんは、7時間にわたり集団暴行を受けていたとか。
午後3時前、近くのビルにいた女性が暴行を目撃し110番通報します。スグに警察官が駆けつけ氏家さんは病院に運ばれましたが、約1時間後に死亡が確認されました。氏家さんの胸には大きなアザがあり、肋骨などが折れていたそうです」(全国紙社会部記者)
警察は、現場付近にいた関口被告の身柄を確保する。さらに防犯カメラの映像解析や目撃情報から当時18歳だった少年2人を呼び出し、いずれも傷害致死容疑で逮捕した。
「関口被告は調べに対し『知りません』と容疑を否認する一方で、氏家さんとトラブルになり『恨みがあった』と供述していたそうです。少年2人は『死んでしまうほど蹴ってはいない』と話していました」(同前)
前述の初公判で検察が明かしたのは、集団暴行の凄まじい内容だった。
「正座を命じて何度も蹴った」
「氏家さんが倒れると無理やり起こして殴打した」
「氏家さんが『すみません』と言っても『ふざけるな! ちゃんと話を聞け』と言って暴行を続けた」
弁護側は「(関口被告は)最初は助けようとしたが、なりゆきで暴行を加えてしまった。事件の主犯格ではない」と訴えている。
「『トー横』では暴行事件や詐欺、家出した少女への性的暴行、薬物の過剰摂取など、トラブルが多発しています。警察も摘発に乗り出していますが、しばらくすると人が戻ってくるというイタチごっこの状態。民間団体も警察に協力し、見回りやパトロールを繰り返し犯罪抑止に動いています」(同前)
なぜ関口被告らは、知り合いである氏家さんをリンチし命を奪ったのか。今後の公判で、事件の詳しい背景が明らかになるだろう。

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