【片岡 亮】ビッグモーター、問題が起きたのに「退職者が6人」なのはなぜ…社員が語る「社内で起きている大騒動」

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中古車販売の大手ビッグモーターによる保険金不正請求の横行で、25日に創業者の兼重宏行社長らが会見、辞任を表明。顧客から預かった車を傷つけて修理代を水増し、損保会社に保険金を不正請求していたというのは、サービスの信頼が根底から崩壊する大問題だが、そもそも、この企業がかなりのブラック企業だという証言も続々と浮上している。
首都圏のある店舗に約2年ほど営業職で勤めた男性Aさんは、給与体系や仕事内容が入社前後で全く異なっていたとわかり退職を決意するも、その後、モラハラ的な扱いや嫌がらせを受けてしまう。
また、現役社員であるBさんに取材を申し込んだが、会社から、スマホの着信履歴などをチェックされるということで、思うように話を聞けずにいた。
【前の記事】『退職直前に“地方転勤”を言い渡され…ビッグモーター元社員が独白「黒すぎる企業の実態」』
中古車販売の大手ビッグモーターによる保険金不正請求問題は、他にもあらゆる手口の不正が続々と元社員から告発され、創業者である兼重宏行社長の辞任では収まらない様相だ。
息子である前副社長の宏一氏が前身企業に在籍していたことも報じられた損保ジャパンも、一部の不正を知りながら共犯関係にあった疑いが浮上、中古車業界から損保業界に不信感が広がり、いまや大きな社会問題となっている。
渦中のビッグモーターは、職場がかなりのブラック企業だったことも次々と露呈。当初は「記者に話しているのがバレたら…」と取材に慎重姿勢を見せていた現役社員Bさんは、早くも「近いうちに辞めようと思うので」と一転、また口を開いた。
「周囲で辞めるという人が増えている」と話した。
「たった数日でここまで変わるとは。アイツも辞める、俺も辞める、そんな話が聞かれるようになりました」
和泉伸二新社長は会見翌日、退職者が6名だったことを明かし、「もう少し想定としてはあるかなと思ってましたが、今後、会社が生まれ変わるという期待を持っているのではないか」と明るい捉え方をしていたが、Bさんに言わせれば、「状況を把握できていない」という。
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「単にしばらく様子を見てから退職するという人が多いだけです。なぜなら、いますぐ辞めちゃうと、いかにも不正に関わって辞めたみたいな感じで履歴書に残ってしまうので、数ヵ月は我慢してから辞めたほうがいいって、みんな時期を見るようなことを言っていますし、僕もそうします」
たしかに退職時が「23年7月」だと、まさに履歴書に「あの問題が起きたとき」というのが明確に記録されてしまう。
「営業にいる同期も近いうちに退職届の書類をもらっておいて、出す時期を見ると言っていました。彼は、倒産されてからでは急に転職先を探すのが大変だから事前に辞める準備をしておくようです。でも、あまり待っていると、給料の未払いとか起きる心配もあります」
まさに「泥船状態」のビッグモーター。
【後編】『ヤバいのはビッグモーターだけじゃない?…社員の「大規模転職」で出てくる「懸念」と「業界の闇」』では引き続き、社員の間で広がる懸念について詳しく解説する。

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