〈夜も食べんと「しんどい」って言って寝とき〉
〈食うなよ。吐いたら大変やで〉
母親は入院する幼い娘に対し、電話で絶食を強要していたーー。
7月18日、大阪府警捜査1課は共済金などを騙しとったとして同府大東市のパート従業員・縄田佳純容疑者(34)を逮捕した。縄田容疑者が逮捕されるのは今回で4度目。9歳の娘Aさんに下剤を飲ませるなどして、傷害や強要未遂の疑いがあるのだ。
「今回捕まったのは、今年1月22日から27日の6日間Aさんに食事を与えず低血糖症状態にし入院させ共済金6万円を搾取した疑いです。Aさんは入院するまでの3日間で、93キロカロリーの梅菓子を食べただけだったとか。Aさんは小学生とは思えないほど身体が小さく、やせ細っていたといいます。
縄田容疑者が娘を入院させたのは、今回が初めてではありません。’18年2月ごろから下剤を処方し、Aさんに入退院を繰り返させています。嘔吐や下痢などの症状で、これまでにAさんが入退院した回数は43回。その間に縄田容疑者は、共済金や保険金など約570万円を受けとっていたんです」(全国紙社会部記者)
縄田容疑者は、入院中のAさんにリモートで食事をとらないよう強要。Aさんが「お腹すいた」と訴えても、電話で〈食べんとき〉などと制止していたという。
今年2月、母子がスマートフォンのスピーカーでしていたこうした会話を看護師が聞く。報告を受けた病院が、警察に相談したことから事件が発覚した。
「給食を食べさせず、血糖値を低下させようとしていたのでしょう。縄田容疑者は、Aさんが通う小学校に対し『(娘は)難病指定の持病を抱えているので入退院を繰り返している』などと説明し、あまり通わせていなかったそうです。
しかしAさんが入院した医療機関によると、難病は確認できなかったとか。たまに学校へ行ったAさんは、給食を食べる際にも母親へ〈トマトを食べていい〉などとメッセージを送信。縄田容疑者は〈やめときや。吐いたら大変やで〉と指示していたといいます」(同前)
警察の調べに対し、Aさんは「ママに食べたらしんどくなると言われた」と話しているという。呆れるのは、縄田容疑者の騙しとった多額のカネの使い道だ。
「Aさんが入院した後、交際男性を旅行に誘っていたことがわかっています。交際相手と遊ぶカネに使っていたのでしょう。縄田容疑者は、頻繁に繁華街へ飲みに出かけてもいます。外食費やエステ代にもあてていたようです」(別の社会部記者)
’22年10月には、縄田容疑者とAさんが暮らす大東市に匿名で虐待を疑う通報が2件届いていた。しかし市は母子との面会で虐待はないと判断。警察への情報提供を見送っていたという。
調べに対し、縄田容疑者は「故意に低血糖にさせていない。騙そうとは思っていない」と犯行を否認している。