「子どもに言っても効果なし!」意外なNGワード10

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子どもの耳にはまったく響いていない!?「ほぼ効き目のない10の声かけ」をご紹介(写真:tomcat/PIXTA)一部上場企業の社長や企業幹部、政治家など、「トップエリートを対象としたプレゼン・スピーチなどのプライベートコーチング」に携わり、これまでに1000人の話し方を変えてきた岡本純子氏。たった2時間のコーチングで、「棒読み・棒立ち」のエグゼクティブを、会場を「総立ち」にさせるほどの堂々とした話し手に変える「劇的な話し方の改善ぶり」と実績から「伝説の家庭教師」と呼ばれている。

その岡本氏が、全メソッドを公開し、累計20万部のベストセラーとなっている『世界最高の話し方』『世界最高の雑談力』に続き、待望の新刊『世界最高の伝え方── 人間関係のモヤモヤ、ストレスがいっきに消える!「伝説の家庭教師」が教える「7つの言い換え」の魔法』がついに発売された。コミュニケーション戦略研究家でもある岡本氏が「『子どもに言っても効果なし!』意外な一言、10選」について解説する。子どもへの声かけ、じつはまったく響いていなかった!?子育て中のみなさん、毎日、大変ご苦労様です。「子どもに何を言っても上の空」「反抗的」「暖簾に腕押し」「勉強しない」「兄弟げんかがやまない」……。本当に悩みは尽きませんよね。私も2人の子どもを育てるなかで、怒鳴り散らし、叱りつけ、数多くの修羅場をくぐりぬけてきました。こうした試行錯誤が、コミュニケーション研究家として「よりよい伝え方」について考え、研究を進める原動力になってきたと言えるかもしれません。みなさんが、なんとなく自己流でやっている「ほめ方」「叱り方」「伝え方」ですが、じつはもっと「相手が聞き」「相手に効く」言葉に変える方法があることをご存じでしょうか。海外の最先端のコミュニケーション研究を紐解き、明らかになった、人がガンガン動き、グングン育つ伝え方。その方程式に基づき、『「効果なし!」上司の”ダメな声かけ”超意外な20選』では、伝えてもまったく効果のない上司から部下への声かけ20選を紹介しました。今回は、みなさんが何気なく使っているけれど、じつは子どもの耳にはまったく響いていないかもしれない「ほぼ効き目のない10の声かけ」をお教えしましょう。まずは、私もよく使っていた「気をつけて」。親なら誰でもついつい口にしてしまうこの言葉も、じつは要注意です。子どもに「恐怖心」を植え付けてしまう可能性もある【NGな声かけ】「気をつけて」ジャングルジムを登る子どもに、自転車で出かける子どもに、走る子どもに、ついつい言ってしまうこの言葉。しかし、みなさんだって、この言葉を投げかけられても「よし、しっかりとバーを持とう」「安全運転しよう」「ゆっくり歩こう」などと、行動を変えようという気にはなりませんよね。また、子どもに「危ない」という恐怖心を植え付け、挑戦する気持ちをくじく可能性があります。子どもには「安全第一」であってはほしいものの、「チャレンジ」も大切です。こういうときは、ビビらせるよりも「慎重に、かつ前向きに取り組んでもらう言葉」に変えていくといいのです。たとえば、次のような言葉です。【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】×「気をつけて」 ↓〇「そこの岩は滑りやすいよ」 「目の前のことに集中して」 「自転車はスピードを出しすぎないで」具体的な言葉ほど、相手の頭の中にイメージが湧きやすくなり、相手は行動しやすくなります。【NGな声かけ】「緊張しないで」/「落ち着いて」「緊張しないで」。こう言われて、緊張がほどける人などいないでしょう。「緊張」というネガティブワードが逆に意識に強く刻み込まれて、より緊張してしまいます。「ネガティブワード」を否定しても、ポジティブにはならないのです。また、「落ち着いて」と言われても、落ち着く人などいませんね。逆に「自分は落ち着かなければならない状態なのだ」と、より焦ってしまいます。実際に何をすればいいのかも伝わりません。こうした抽象的な言葉は、ただ呼びかけるより、「実践」を通して教えるのが一番なのです。たとえば、緊張している状態に気持ちを集中させないように、一緒に呼吸を整えるエクササイズをやってみる、不安の「ドキドキ」感を「わくわく」感に置き換える「リフレーミング」の手法などが効果的と考えられています。【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】×「緊張しないで」「落ち着いて」 ↓〇「一緒に深呼吸してみよう。まず、4つ息を吸って……」言われて「きっちり答えを返す子ども」は、そういない【NGな声かけ】「なんで〇〇したの(しないの)」何か悪いことをした子どもや部下に、「なんで」「なぜ」と問いつめてしまうことはよくあるのではないでしょうか。「ちゃんと反省を促すために、理詰めで問いただし、きっちりと分析してもらうべきである」という思いかもしれません。しかし、こう問われて「その原因はこういうことで、ここが悪かったので、こう直します。ごめんなさい」などと、きっちり答えてくれる子どもはそういないでしょう。どちらかといえば、言い逃れをしたり、適当な言い訳をしたりして、「その場を何とかやり過ごすこと」しか、相手の頭の中にはないはずです。生産現場などでは、5回「なぜ」を繰り返すと発生した問題事象の根本的な原因にたどり着くことができる「なぜなぜ分析」という手法があります。しかし、これを部下や子どもにやれば、メンタルを破壊してしまいます。「なぜ」「なんで」と冷静に問うているつもりでも、じつは、相手を攻撃するために言っている可能性は大です。不必要な「なぜなぜ」攻撃に気をつけましょう。【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】×「なんで〇〇したの?」「なんで〇〇しないの?」 ↓〇「どうしたらいいのかな」「どうしたいかな」公園で遊ぶ子どもたちがなかなか帰ろうとしない。そこで、ついつい、次のような言葉をかけていないでしょうか。ポジティブな語りかけで「自ら動く」ように仕向ける【NGな声かけ】「早くして」/「急いで」/「もう行っちゃうよ」とくに、幼い子どもたちは衝動のコントロールができないので、「せっかく楽しんでいるのに、なぜ、それをやめなければいけないのか」ということを理解できません。そんなときに、突き放したり、脅したりしても、なかなか言うことは聞いてくれないものです。では、どうすればいいのか。あるイギリスの記事のなかで、教育問題の専門家が次のように回答していました。「『あと5分よ』とか『もう行くわよ』と言う代わりに、『帰る前にしておきたい最後の3つのことは何かな』と尋ね、答えてもらって、やってもらう。もしくは、子どもたちが好きな歌を歌いながら、『この歌が終わるまでブランコに乗っていいよ』と伝えるほうが、効果が高い」「そうすることで、子どもたちは時間の経過をよりよく把握し、終着点を見定めることができる」こちらのほうが子どもにとっては、よりゲーム感覚で楽しめ、達成感もありますよね。つまり、「もう、帰らなくちゃダメ」ではなくて、「あともう少し、これができるよ」とポジティブな語りかけで、自ら動くように仕向けるほうがいい、ということです。【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】×「早くして」「急いで」「もう行っちゃうよ」 ↓〇「あと3つ、好きなものやってみようか」次の言葉は、『「効果なし!」上司の”ダメな声かけ”超意外な20選』でも紹介した、「漠然」「あいまい」な声かけの代表例です。【NGな声かけ】「勉強しなさい」/「片づけなさい」/「ケンカやめなさい」「勉強って何を?」「片づけってどうやって何を?」「ケンカ、簡単にやめられるぐらいなら、もうやめているはず」こういった対象範囲が広く、抽象的な言葉はもう少し対象範囲を狭め、相手の頭の中にイメージが描きやすい、具体的な指示や問いかけにしたほうが効果的です。【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】×「勉強しなさい」 ↓〇「古文の活用のところ、復習してみる?」【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】×「片づけなさい」 ↓〇「机の上を、今日の午後10時までにきれいにしてくれる?」【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】×「ケンカをやめなさい」 ↓〇「ひとりずつ言い分を聞いてみようか」「言い換え」を身につけて育児の悩みも解消おかげさまでベストセラーになっている最新刊『世界最高の伝え方』では、今回紹介した「言い換え」のほかにも、たくさんの「言い換え事例」を紹介しています。ぜひ、参考にして、育児の悩みを少しでも解消していただけたらうれしいです。(岡本 純子 : コミュニケーション戦略研究家・コミュ力伝道師)
子どもの耳にはまったく響いていない!?「ほぼ効き目のない10の声かけ」をご紹介(写真:tomcat/PIXTA)
一部上場企業の社長や企業幹部、政治家など、「トップエリートを対象としたプレゼン・スピーチなどのプライベートコーチング」に携わり、これまでに1000人の話し方を変えてきた岡本純子氏。
たった2時間のコーチングで、「棒読み・棒立ち」のエグゼクティブを、会場を「総立ち」にさせるほどの堂々とした話し手に変える「劇的な話し方の改善ぶり」と実績から「伝説の家庭教師」と呼ばれている。
その岡本氏が、全メソッドを公開し、累計20万部のベストセラーとなっている『世界最高の話し方』『世界最高の雑談力』に続き、待望の新刊『世界最高の伝え方── 人間関係のモヤモヤ、ストレスがいっきに消える!「伝説の家庭教師」が教える「7つの言い換え」の魔法』がついに発売された。
コミュニケーション戦略研究家でもある岡本氏が「『子どもに言っても効果なし!』意外な一言、10選」について解説する。
子育て中のみなさん、毎日、大変ご苦労様です。「子どもに何を言っても上の空」「反抗的」「暖簾に腕押し」「勉強しない」「兄弟げんかがやまない」……。本当に悩みは尽きませんよね。
私も2人の子どもを育てるなかで、怒鳴り散らし、叱りつけ、数多くの修羅場をくぐりぬけてきました。こうした試行錯誤が、コミュニケーション研究家として「よりよい伝え方」について考え、研究を進める原動力になってきたと言えるかもしれません。みなさんが、なんとなく自己流でやっている「ほめ方」「叱り方」「伝え方」ですが、じつはもっと「相手が聞き」「相手に効く」言葉に変える方法があることをご存じでしょうか。海外の最先端のコミュニケーション研究を紐解き、明らかになった、人がガンガン動き、グングン育つ伝え方。その方程式に基づき、『「効果なし!」上司の”ダメな声かけ”超意外な20選』では、伝えてもまったく効果のない上司から部下への声かけ20選を紹介しました。今回は、みなさんが何気なく使っているけれど、じつは子どもの耳にはまったく響いていないかもしれない「ほぼ効き目のない10の声かけ」をお教えしましょう。まずは、私もよく使っていた「気をつけて」。親なら誰でもついつい口にしてしまうこの言葉も、じつは要注意です。子どもに「恐怖心」を植え付けてしまう可能性もある【NGな声かけ】「気をつけて」ジャングルジムを登る子どもに、自転車で出かける子どもに、走る子どもに、ついつい言ってしまうこの言葉。しかし、みなさんだって、この言葉を投げかけられても「よし、しっかりとバーを持とう」「安全運転しよう」「ゆっくり歩こう」などと、行動を変えようという気にはなりませんよね。また、子どもに「危ない」という恐怖心を植え付け、挑戦する気持ちをくじく可能性があります。子どもには「安全第一」であってはほしいものの、「チャレンジ」も大切です。こういうときは、ビビらせるよりも「慎重に、かつ前向きに取り組んでもらう言葉」に変えていくといいのです。たとえば、次のような言葉です。【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】×「気をつけて」 ↓〇「そこの岩は滑りやすいよ」 「目の前のことに集中して」 「自転車はスピードを出しすぎないで」具体的な言葉ほど、相手の頭の中にイメージが湧きやすくなり、相手は行動しやすくなります。【NGな声かけ】「緊張しないで」/「落ち着いて」「緊張しないで」。こう言われて、緊張がほどける人などいないでしょう。「緊張」というネガティブワードが逆に意識に強く刻み込まれて、より緊張してしまいます。「ネガティブワード」を否定しても、ポジティブにはならないのです。また、「落ち着いて」と言われても、落ち着く人などいませんね。逆に「自分は落ち着かなければならない状態なのだ」と、より焦ってしまいます。実際に何をすればいいのかも伝わりません。こうした抽象的な言葉は、ただ呼びかけるより、「実践」を通して教えるのが一番なのです。たとえば、緊張している状態に気持ちを集中させないように、一緒に呼吸を整えるエクササイズをやってみる、不安の「ドキドキ」感を「わくわく」感に置き換える「リフレーミング」の手法などが効果的と考えられています。【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】×「緊張しないで」「落ち着いて」 ↓〇「一緒に深呼吸してみよう。まず、4つ息を吸って……」言われて「きっちり答えを返す子ども」は、そういない【NGな声かけ】「なんで〇〇したの(しないの)」何か悪いことをした子どもや部下に、「なんで」「なぜ」と問いつめてしまうことはよくあるのではないでしょうか。「ちゃんと反省を促すために、理詰めで問いただし、きっちりと分析してもらうべきである」という思いかもしれません。しかし、こう問われて「その原因はこういうことで、ここが悪かったので、こう直します。ごめんなさい」などと、きっちり答えてくれる子どもはそういないでしょう。どちらかといえば、言い逃れをしたり、適当な言い訳をしたりして、「その場を何とかやり過ごすこと」しか、相手の頭の中にはないはずです。生産現場などでは、5回「なぜ」を繰り返すと発生した問題事象の根本的な原因にたどり着くことができる「なぜなぜ分析」という手法があります。しかし、これを部下や子どもにやれば、メンタルを破壊してしまいます。「なぜ」「なんで」と冷静に問うているつもりでも、じつは、相手を攻撃するために言っている可能性は大です。不必要な「なぜなぜ」攻撃に気をつけましょう。【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】×「なんで〇〇したの?」「なんで〇〇しないの?」 ↓〇「どうしたらいいのかな」「どうしたいかな」公園で遊ぶ子どもたちがなかなか帰ろうとしない。そこで、ついつい、次のような言葉をかけていないでしょうか。ポジティブな語りかけで「自ら動く」ように仕向ける【NGな声かけ】「早くして」/「急いで」/「もう行っちゃうよ」とくに、幼い子どもたちは衝動のコントロールができないので、「せっかく楽しんでいるのに、なぜ、それをやめなければいけないのか」ということを理解できません。そんなときに、突き放したり、脅したりしても、なかなか言うことは聞いてくれないものです。では、どうすればいいのか。あるイギリスの記事のなかで、教育問題の専門家が次のように回答していました。「『あと5分よ』とか『もう行くわよ』と言う代わりに、『帰る前にしておきたい最後の3つのことは何かな』と尋ね、答えてもらって、やってもらう。もしくは、子どもたちが好きな歌を歌いながら、『この歌が終わるまでブランコに乗っていいよ』と伝えるほうが、効果が高い」「そうすることで、子どもたちは時間の経過をよりよく把握し、終着点を見定めることができる」こちらのほうが子どもにとっては、よりゲーム感覚で楽しめ、達成感もありますよね。つまり、「もう、帰らなくちゃダメ」ではなくて、「あともう少し、これができるよ」とポジティブな語りかけで、自ら動くように仕向けるほうがいい、ということです。【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】×「早くして」「急いで」「もう行っちゃうよ」 ↓〇「あと3つ、好きなものやってみようか」次の言葉は、『「効果なし!」上司の”ダメな声かけ”超意外な20選』でも紹介した、「漠然」「あいまい」な声かけの代表例です。【NGな声かけ】「勉強しなさい」/「片づけなさい」/「ケンカやめなさい」「勉強って何を?」「片づけってどうやって何を?」「ケンカ、簡単にやめられるぐらいなら、もうやめているはず」こういった対象範囲が広く、抽象的な言葉はもう少し対象範囲を狭め、相手の頭の中にイメージが描きやすい、具体的な指示や問いかけにしたほうが効果的です。【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】×「勉強しなさい」 ↓〇「古文の活用のところ、復習してみる?」【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】×「片づけなさい」 ↓〇「机の上を、今日の午後10時までにきれいにしてくれる?」【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】×「ケンカをやめなさい」 ↓〇「ひとりずつ言い分を聞いてみようか」「言い換え」を身につけて育児の悩みも解消おかげさまでベストセラーになっている最新刊『世界最高の伝え方』では、今回紹介した「言い換え」のほかにも、たくさんの「言い換え事例」を紹介しています。ぜひ、参考にして、育児の悩みを少しでも解消していただけたらうれしいです。(岡本 純子 : コミュニケーション戦略研究家・コミュ力伝道師)
私も2人の子どもを育てるなかで、怒鳴り散らし、叱りつけ、数多くの修羅場をくぐりぬけてきました。
こうした試行錯誤が、コミュニケーション研究家として「よりよい伝え方」について考え、研究を進める原動力になってきたと言えるかもしれません。
みなさんが、なんとなく自己流でやっている「ほめ方」「叱り方」「伝え方」ですが、じつはもっと「相手が聞き」「相手に効く」言葉に変える方法があることをご存じでしょうか。
海外の最先端のコミュニケーション研究を紐解き、明らかになった、人がガンガン動き、グングン育つ伝え方。
その方程式に基づき、『「効果なし!」上司の”ダメな声かけ”超意外な20選』では、伝えてもまったく効果のない上司から部下への声かけ20選を紹介しました。
今回は、みなさんが何気なく使っているけれど、じつは子どもの耳にはまったく響いていないかもしれない「ほぼ効き目のない10の声かけ」をお教えしましょう。
まずは、私もよく使っていた「気をつけて」。
親なら誰でもついつい口にしてしまうこの言葉も、じつは要注意です。
【NGな声かけ】「気をつけて」
ジャングルジムを登る子どもに、自転車で出かける子どもに、走る子どもに、ついつい言ってしまうこの言葉。
しかし、みなさんだって、この言葉を投げかけられても「よし、しっかりとバーを持とう」「安全運転しよう」「ゆっくり歩こう」などと、行動を変えようという気にはなりませんよね。
また、子どもに「危ない」という恐怖心を植え付け、挑戦する気持ちをくじく可能性があります。
子どもには「安全第一」であってはほしいものの、「チャレンジ」も大切です。
こういうときは、ビビらせるよりも「慎重に、かつ前向きに取り組んでもらう言葉」に変えていくといいのです。
たとえば、次のような言葉です。
【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】
×「気をつけて」 ↓〇「そこの岩は滑りやすいよ」 「目の前のことに集中して」 「自転車はスピードを出しすぎないで」
具体的な言葉ほど、相手の頭の中にイメージが湧きやすくなり、相手は行動しやすくなります。【NGな声かけ】「緊張しないで」/「落ち着いて」「緊張しないで」。こう言われて、緊張がほどける人などいないでしょう。「緊張」というネガティブワードが逆に意識に強く刻み込まれて、より緊張してしまいます。「ネガティブワード」を否定しても、ポジティブにはならないのです。また、「落ち着いて」と言われても、落ち着く人などいませんね。逆に「自分は落ち着かなければならない状態なのだ」と、より焦ってしまいます。実際に何をすればいいのかも伝わりません。こうした抽象的な言葉は、ただ呼びかけるより、「実践」を通して教えるのが一番なのです。たとえば、緊張している状態に気持ちを集中させないように、一緒に呼吸を整えるエクササイズをやってみる、不安の「ドキドキ」感を「わくわく」感に置き換える「リフレーミング」の手法などが効果的と考えられています。【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】×「緊張しないで」「落ち着いて」 ↓〇「一緒に深呼吸してみよう。まず、4つ息を吸って……」言われて「きっちり答えを返す子ども」は、そういない【NGな声かけ】「なんで〇〇したの(しないの)」何か悪いことをした子どもや部下に、「なんで」「なぜ」と問いつめてしまうことはよくあるのではないでしょうか。「ちゃんと反省を促すために、理詰めで問いただし、きっちりと分析してもらうべきである」という思いかもしれません。しかし、こう問われて「その原因はこういうことで、ここが悪かったので、こう直します。ごめんなさい」などと、きっちり答えてくれる子どもはそういないでしょう。どちらかといえば、言い逃れをしたり、適当な言い訳をしたりして、「その場を何とかやり過ごすこと」しか、相手の頭の中にはないはずです。生産現場などでは、5回「なぜ」を繰り返すと発生した問題事象の根本的な原因にたどり着くことができる「なぜなぜ分析」という手法があります。しかし、これを部下や子どもにやれば、メンタルを破壊してしまいます。「なぜ」「なんで」と冷静に問うているつもりでも、じつは、相手を攻撃するために言っている可能性は大です。不必要な「なぜなぜ」攻撃に気をつけましょう。【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】×「なんで〇〇したの?」「なんで〇〇しないの?」 ↓〇「どうしたらいいのかな」「どうしたいかな」公園で遊ぶ子どもたちがなかなか帰ろうとしない。そこで、ついつい、次のような言葉をかけていないでしょうか。ポジティブな語りかけで「自ら動く」ように仕向ける【NGな声かけ】「早くして」/「急いで」/「もう行っちゃうよ」とくに、幼い子どもたちは衝動のコントロールができないので、「せっかく楽しんでいるのに、なぜ、それをやめなければいけないのか」ということを理解できません。そんなときに、突き放したり、脅したりしても、なかなか言うことは聞いてくれないものです。では、どうすればいいのか。あるイギリスの記事のなかで、教育問題の専門家が次のように回答していました。「『あと5分よ』とか『もう行くわよ』と言う代わりに、『帰る前にしておきたい最後の3つのことは何かな』と尋ね、答えてもらって、やってもらう。もしくは、子どもたちが好きな歌を歌いながら、『この歌が終わるまでブランコに乗っていいよ』と伝えるほうが、効果が高い」「そうすることで、子どもたちは時間の経過をよりよく把握し、終着点を見定めることができる」こちらのほうが子どもにとっては、よりゲーム感覚で楽しめ、達成感もありますよね。つまり、「もう、帰らなくちゃダメ」ではなくて、「あともう少し、これができるよ」とポジティブな語りかけで、自ら動くように仕向けるほうがいい、ということです。【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】×「早くして」「急いで」「もう行っちゃうよ」 ↓〇「あと3つ、好きなものやってみようか」次の言葉は、『「効果なし!」上司の”ダメな声かけ”超意外な20選』でも紹介した、「漠然」「あいまい」な声かけの代表例です。【NGな声かけ】「勉強しなさい」/「片づけなさい」/「ケンカやめなさい」「勉強って何を?」「片づけってどうやって何を?」「ケンカ、簡単にやめられるぐらいなら、もうやめているはず」こういった対象範囲が広く、抽象的な言葉はもう少し対象範囲を狭め、相手の頭の中にイメージが描きやすい、具体的な指示や問いかけにしたほうが効果的です。【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】×「勉強しなさい」 ↓〇「古文の活用のところ、復習してみる?」【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】×「片づけなさい」 ↓〇「机の上を、今日の午後10時までにきれいにしてくれる?」【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】×「ケンカをやめなさい」 ↓〇「ひとりずつ言い分を聞いてみようか」「言い換え」を身につけて育児の悩みも解消おかげさまでベストセラーになっている最新刊『世界最高の伝え方』では、今回紹介した「言い換え」のほかにも、たくさんの「言い換え事例」を紹介しています。ぜひ、参考にして、育児の悩みを少しでも解消していただけたらうれしいです。(岡本 純子 : コミュニケーション戦略研究家・コミュ力伝道師)
具体的な言葉ほど、相手の頭の中にイメージが湧きやすくなり、相手は行動しやすくなります。
【NGな声かけ】「緊張しないで」/「落ち着いて」
「緊張しないで」。こう言われて、緊張がほどける人などいないでしょう。「緊張」というネガティブワードが逆に意識に強く刻み込まれて、より緊張してしまいます。「ネガティブワード」を否定しても、ポジティブにはならないのです。また、「落ち着いて」と言われても、落ち着く人などいませんね。逆に「自分は落ち着かなければならない状態なのだ」と、より焦ってしまいます。実際に何をすればいいのかも伝わりません。こうした抽象的な言葉は、ただ呼びかけるより、「実践」を通して教えるのが一番なのです。たとえば、緊張している状態に気持ちを集中させないように、一緒に呼吸を整えるエクササイズをやってみる、不安の「ドキドキ」感を「わくわく」感に置き換える「リフレーミング」の手法などが効果的と考えられています。【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】×「緊張しないで」「落ち着いて」 ↓〇「一緒に深呼吸してみよう。まず、4つ息を吸って……」言われて「きっちり答えを返す子ども」は、そういない【NGな声かけ】「なんで〇〇したの(しないの)」何か悪いことをした子どもや部下に、「なんで」「なぜ」と問いつめてしまうことはよくあるのではないでしょうか。「ちゃんと反省を促すために、理詰めで問いただし、きっちりと分析してもらうべきである」という思いかもしれません。しかし、こう問われて「その原因はこういうことで、ここが悪かったので、こう直します。ごめんなさい」などと、きっちり答えてくれる子どもはそういないでしょう。どちらかといえば、言い逃れをしたり、適当な言い訳をしたりして、「その場を何とかやり過ごすこと」しか、相手の頭の中にはないはずです。生産現場などでは、5回「なぜ」を繰り返すと発生した問題事象の根本的な原因にたどり着くことができる「なぜなぜ分析」という手法があります。しかし、これを部下や子どもにやれば、メンタルを破壊してしまいます。「なぜ」「なんで」と冷静に問うているつもりでも、じつは、相手を攻撃するために言っている可能性は大です。不必要な「なぜなぜ」攻撃に気をつけましょう。【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】×「なんで〇〇したの?」「なんで〇〇しないの?」 ↓〇「どうしたらいいのかな」「どうしたいかな」公園で遊ぶ子どもたちがなかなか帰ろうとしない。そこで、ついつい、次のような言葉をかけていないでしょうか。ポジティブな語りかけで「自ら動く」ように仕向ける【NGな声かけ】「早くして」/「急いで」/「もう行っちゃうよ」とくに、幼い子どもたちは衝動のコントロールができないので、「せっかく楽しんでいるのに、なぜ、それをやめなければいけないのか」ということを理解できません。そんなときに、突き放したり、脅したりしても、なかなか言うことは聞いてくれないものです。では、どうすればいいのか。あるイギリスの記事のなかで、教育問題の専門家が次のように回答していました。「『あと5分よ』とか『もう行くわよ』と言う代わりに、『帰る前にしておきたい最後の3つのことは何かな』と尋ね、答えてもらって、やってもらう。もしくは、子どもたちが好きな歌を歌いながら、『この歌が終わるまでブランコに乗っていいよ』と伝えるほうが、効果が高い」「そうすることで、子どもたちは時間の経過をよりよく把握し、終着点を見定めることができる」こちらのほうが子どもにとっては、よりゲーム感覚で楽しめ、達成感もありますよね。つまり、「もう、帰らなくちゃダメ」ではなくて、「あともう少し、これができるよ」とポジティブな語りかけで、自ら動くように仕向けるほうがいい、ということです。【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】×「早くして」「急いで」「もう行っちゃうよ」 ↓〇「あと3つ、好きなものやってみようか」次の言葉は、『「効果なし!」上司の”ダメな声かけ”超意外な20選』でも紹介した、「漠然」「あいまい」な声かけの代表例です。【NGな声かけ】「勉強しなさい」/「片づけなさい」/「ケンカやめなさい」「勉強って何を?」「片づけってどうやって何を?」「ケンカ、簡単にやめられるぐらいなら、もうやめているはず」こういった対象範囲が広く、抽象的な言葉はもう少し対象範囲を狭め、相手の頭の中にイメージが描きやすい、具体的な指示や問いかけにしたほうが効果的です。【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】×「勉強しなさい」 ↓〇「古文の活用のところ、復習してみる?」【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】×「片づけなさい」 ↓〇「机の上を、今日の午後10時までにきれいにしてくれる?」【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】×「ケンカをやめなさい」 ↓〇「ひとりずつ言い分を聞いてみようか」「言い換え」を身につけて育児の悩みも解消おかげさまでベストセラーになっている最新刊『世界最高の伝え方』では、今回紹介した「言い換え」のほかにも、たくさんの「言い換え事例」を紹介しています。ぜひ、参考にして、育児の悩みを少しでも解消していただけたらうれしいです。(岡本 純子 : コミュニケーション戦略研究家・コミュ力伝道師)
「緊張しないで」。こう言われて、緊張がほどける人などいないでしょう。
「緊張」というネガティブワードが逆に意識に強く刻み込まれて、より緊張してしまいます。「ネガティブワード」を否定しても、ポジティブにはならないのです。
また、「落ち着いて」と言われても、落ち着く人などいませんね。
逆に「自分は落ち着かなければならない状態なのだ」と、より焦ってしまいます。実際に何をすればいいのかも伝わりません。
こうした抽象的な言葉は、ただ呼びかけるより、「実践」を通して教えるのが一番なのです。
たとえば、緊張している状態に気持ちを集中させないように、一緒に呼吸を整えるエクササイズをやってみる、不安の「ドキドキ」感を「わくわく」感に置き換える「リフレーミング」の手法などが効果的と考えられています。
【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】
×「緊張しないで」「落ち着いて」 ↓〇「一緒に深呼吸してみよう。まず、4つ息を吸って……」
【NGな声かけ】「なんで〇〇したの(しないの)」
何か悪いことをした子どもや部下に、「なんで」「なぜ」と問いつめてしまうことはよくあるのではないでしょうか。
「ちゃんと反省を促すために、理詰めで問いただし、きっちりと分析してもらうべきである」という思いかもしれません。
しかし、こう問われて「その原因はこういうことで、ここが悪かったので、こう直します。ごめんなさい」などと、きっちり答えてくれる子どもはそういないでしょう。
どちらかといえば、言い逃れをしたり、適当な言い訳をしたりして、「その場を何とかやり過ごすこと」しか、相手の頭の中にはないはずです。
生産現場などでは、5回「なぜ」を繰り返すと発生した問題事象の根本的な原因にたどり着くことができる「なぜなぜ分析」という手法があります。
しかし、これを部下や子どもにやれば、メンタルを破壊してしまいます。
「なぜ」「なんで」と冷静に問うているつもりでも、じつは、相手を攻撃するために言っている可能性は大です。
不必要な「なぜなぜ」攻撃に気をつけましょう。
【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】
×「なんで〇〇したの?」「なんで〇〇しないの?」 ↓〇「どうしたらいいのかな」「どうしたいかな」
公園で遊ぶ子どもたちがなかなか帰ろうとしない。そこで、ついつい、次のような言葉をかけていないでしょうか。
【NGな声かけ】「早くして」/「急いで」/「もう行っちゃうよ」
とくに、幼い子どもたちは衝動のコントロールができないので、「せっかく楽しんでいるのに、なぜ、それをやめなければいけないのか」ということを理解できません。
そんなときに、突き放したり、脅したりしても、なかなか言うことは聞いてくれないものです。
では、どうすればいいのか。あるイギリスの記事のなかで、教育問題の専門家が次のように回答していました。
「『あと5分よ』とか『もう行くわよ』と言う代わりに、『帰る前にしておきたい最後の3つのことは何かな』と尋ね、答えてもらって、やってもらう。もしくは、子どもたちが好きな歌を歌いながら、『この歌が終わるまでブランコに乗っていいよ』と伝えるほうが、効果が高い」
「そうすることで、子どもたちは時間の経過をよりよく把握し、終着点を見定めることができる」
こちらのほうが子どもにとっては、よりゲーム感覚で楽しめ、達成感もありますよね。
つまり、「もう、帰らなくちゃダメ」ではなくて、「あともう少し、これができるよ」とポジティブな語りかけで、自ら動くように仕向けるほうがいい、ということです。
【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】
×「早くして」「急いで」「もう行っちゃうよ」 ↓〇「あと3つ、好きなものやってみようか」
次の言葉は、『「効果なし!」上司の”ダメな声かけ”超意外な20選』でも紹介した、「漠然」「あいまい」な声かけの代表例です。
【NGな声かけ】「勉強しなさい」/「片づけなさい」/「ケンカやめなさい」
「勉強って何を?」「片づけってどうやって何を?」「ケンカ、簡単にやめられるぐらいなら、もうやめているはず」
こういった対象範囲が広く、抽象的な言葉はもう少し対象範囲を狭め、相手の頭の中にイメージが描きやすい、具体的な指示や問いかけにしたほうが効果的です。
【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】
×「勉強しなさい」 ↓〇「古文の活用のところ、復習してみる?」
【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】×「片づけなさい」 ↓〇「机の上を、今日の午後10時までにきれいにしてくれる?」【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】×「ケンカをやめなさい」 ↓〇「ひとりずつ言い分を聞いてみようか」「言い換え」を身につけて育児の悩みも解消おかげさまでベストセラーになっている最新刊『世界最高の伝え方』では、今回紹介した「言い換え」のほかにも、たくさんの「言い換え事例」を紹介しています。ぜひ、参考にして、育児の悩みを少しでも解消していただけたらうれしいです。(岡本 純子 : コミュニケーション戦略研究家・コミュ力伝道師)
【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】
×「片づけなさい」 ↓〇「机の上を、今日の午後10時までにきれいにしてくれる?」
【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】×「ケンカをやめなさい」 ↓〇「ひとりずつ言い分を聞いてみようか」「言い換え」を身につけて育児の悩みも解消おかげさまでベストセラーになっている最新刊『世界最高の伝え方』では、今回紹介した「言い換え」のほかにも、たくさんの「言い換え事例」を紹介しています。ぜひ、参考にして、育児の悩みを少しでも解消していただけたらうれしいです。(岡本 純子 : コミュニケーション戦略研究家・コミュ力伝道師)
【「伝説の家庭教師」による”言い換え”の魔法】
おかげさまでベストセラーになっている最新刊『世界最高の伝え方』では、今回紹介した「言い換え」のほかにも、たくさんの「言い換え事例」を紹介しています。
ぜひ、参考にして、育児の悩みを少しでも解消していただけたらうれしいです。
(岡本 純子 : コミュニケーション戦略研究家・コミュ力伝道師)

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