市川猿之助容疑者、逮捕判断の背景に「再び自殺を図る恐れも念頭にあった」捜査関係者が明かす

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歌舞伎俳優の市川猿之助容疑者(47)が27日、5月18日に東京・目黒の自宅で母・喜熨斗(きのし)延子さん(享年75)の自殺を手助けしたとして、自殺ほう助容疑で警視庁捜査1課に逮捕された。一家心中を図ったとみられ、「自殺する手助けをしたことは間違いない。私も両親の後を追って自殺するつもりでいた」などと容疑を認めている。警視庁は父・市川段四郎さん(享年76)の死亡に関与した疑いでも調べる。29日に送検される見通し。
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搬送から40日後の猿之助容疑者の逮捕となった。著名人が容疑者となる事件で「反響は大きい」(警視庁幹部)。両親が飲んだ睡眠薬と死亡との因果関係や致死量について、複数の専門家から意見を聴取。現場の状況と猿之助容疑者の供述に矛盾がないかどうか、慎重に裏付け捜査を進めてきた。
猿之助容疑者は病院に搬送された当初、薬の入れ物などについて警視庁に「捨てた」と説明。警視庁は捜査したが薬の入れ物は見つからず、証拠隠滅を図ったとみていた。
事件当時、自宅には両親と猿之助容疑者の3人しかおらず、経緯の解明には猿之助容疑者の供述は不可欠。精神的に不安定だったため、逃亡の恐れも踏まえ、警視庁は逮捕が必要だと判断した。ある捜査関係者は「猿之助容疑者が再び自殺を図る恐れも念頭にあった」と判断の背景を明かした。
司法解剖により、両親の死因は向精神薬中毒の疑いと判明。警視庁は両親が薬を飲むまでの経緯や、服用した量と致死量の関係を詳細に調べた。法医学や薬学など複数の有識者にも聴取した結果、自宅や遺体の状況と猿之助容疑者の説明に食い違う点は確認されず、自殺ほう助容疑での逮捕にこぎ着けた。
猿之助容疑者は27日に転院先の病院を退院した。体調が一定程度回復したことも考慮したとみられる。
集団自殺を図り、生き残った人が自殺ほう助罪などで摘発されるケースは過去にもある。昨年11月には山形県新庄市で母親に大量の錠剤を渡したとして自殺ほう助未遂の疑いで女性が逮捕され、その後不起訴処分となった。
◆厚生労働省のホームページで紹介している主な悩み相談窓口
▼いのちの電話 0570・783・556(午前10時~午後10時)、0120・783・556(午後4時~同9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)
▼こころの健康相談統一ダイヤル 0570・064・556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)
▼よりそいホットライン 0120・279・338(24時間対応)

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