対向車の母娘死亡…26歳男「飲酒で猛スピード運転」の呆れた理由

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日曜日の朝のため交通量は少ない。その閑散とした道路を、1台のワンボックスカーが速度をグングン上げ走っている。法定速度をはるかに超えた猛スピード。勢い余って対向車線にはみ出すと、正面からは軽乗用車が近づいてきた――。
9月11日、茨城県警高萩署は自動車運転処罰法違反(過失致死)と道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで北茨城市に住む会社員・小林翔容疑者(26)を逮捕した。事故が起きたのは同日朝8時半ごろ。高萩市内の市道で小林容疑者の運転するワンボックスカーがセンターラインを越え、対向車線を走っていた軽乗用車と正面衝突したのだ。
「軽乗用車は日立市に住む小原幸子さん(53)が運転し、助手席には母親のテイ子さん(79)が乗っていました。小林容疑者の車と衝突したことで、2人とも全身を強く打ち死亡。近くの病院に搬送されましたが、即死状態だったようです。死因は出血性ショックだった。小林容疑者は、頭部の打撲と軽傷でした」(全国紙社会部記者)
現場の道路は片側1車線の緩いカーブ。見通しも悪くない。なぜ悲劇が起きたのだろうか。
「小林容疑者の車は、法定速度(時速50km)を超える猛スピードで走っていたようです。衝突した軽自動車のフロント部分は大破し、ガラスは粉々。搬送先の病院で小林容疑者の呼気検査を行うと、基準値(1リットル当たり0.15ミリグラム)をはるかに超えるアルコールが検出されました」(同前)
警察の調べに対し、小林容疑者は「酒を飲んで運転したことは間違いない」と容疑を認めている。酒を飲み猛スピードで運転していた理由とは……。
「小林容疑者は、高萩市内の球場で行われる草野球の試合に参加する予定だったそうです。明け方まで飲んで寝過ごしたのか、朝から飲んで時間を忘れてしまったのか不明ですが、試合に遅刻しそうだったとか。小林容疑者はユニフォーム姿でした」(同前)
事故現場は、小林容疑者の自宅から10km近く離れた地点だ。飲酒で、しかも長い距離の運転など言語道断だろう。元神奈川県警刑事で、犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が語る。
「いくら公共の移動手段の少ない地方とはいえ、飲酒運転は絶対に許されません。猛スピードでセンターラインを越えたという状況から考えると、容疑者は正常な判断ができないほど酒を飲んでいたのでしょう。急いでいたとしても、人の命の重さを考えれば運転などできなかったはずです。亡くなった母娘の遺族からすれば、単なる死亡事故ではない。容疑者に『殺された』という意識だと思います」
飲酒運転による事故件数は減少傾向にあるとはいえ、いまだに年間2000件ほどあるという。悲劇を繰り返さないためにも、ドライバーの意識向上と取り締まりの徹底が求められる。

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