市長、市議選前に現職11人に現金…「法律的に大丈夫だろうという認識だった」

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茨城県龍ヶ崎市の萩原勇市長(47)が、23日に投開票された同市議選の告示前、立候補を予定する市議11人に「陣中見舞い」として現金を配っていたことがわかった。
公職者が選挙区内で現金や物品を寄付することを原則禁じている公職選挙法に抵触する可能性があり、その後、全員から返金を受けた。萩原市長は28日の定例記者会見で「法律順守に対する認識が甘かった。市民におわびしたい」と述べた。
萩原市長によると、市議選告示前の4月上旬、立候補を予定する市議の自宅や事務所を訪れ、「萩原勇」名義で現金約1万~2万円を入れたのし袋を本人や陣営関係者に渡した。いずれも私費で賄ったという。
11人のうち3人は自主的に返金。その後、周囲から「公選法違反に該当するのでは」などと指摘され、告示前に残り8人からも返金を受けたという。
萩原市長は意図について、「激励の意を込めて贈った。(市長就任前の)県議時代から選挙区外の政治団体などに寄付しており、法律的に大丈夫だろうという認識だった」と釈明した。萩原市長は県議などを経て2021年12月に初当選した。現時点で辞職は考えていないという。
岩井奉信・日本大名誉教授(政治学)は「寄付の総額自体は少なく、全員が返金しているとはいえ、軽率だったと言わざるを得ない。寄付を受けた側の認識によっては違法になる可能性がある」としている。

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