【宮本 まき子】品川区の超高級タワマンで「クレーム続出」「住民総会大モメ」…!“パーティールーム”の予約が絶対に取れないヤバすぎるバトルの顛末

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「子どもでいっぱい」状態はタワマンに限らず、ここ数年来、どこのマンションにもみられる現象らしい。「人間関係の希薄化から、自宅によその子を入れたがらない親が増えたことが原因だ」と専門家は推測する。
前編『高級タワマン住み40歳男性の大誤算!「カフェは“ママ友たち”に占領される」「エントランスホールでは子どもたちが“追いかけっこ”」』では、タワマン・ライフの暗黙の了解が子供たちやその両親には通用しないことがあるということを紹介した。
現代では、漫画『ドラえもん』の世界のように、気軽に仲間の部屋に行くのは難しくなっている。同級生の家に行くにしても、前もって親同士が電話で訪問の予約を取り合うのが常識とされ、子どもの怪我や家庭内の器物損壊を懸念して保険をかけあう時代である。
PHOTO:iStock
下校時に不在の共働きの親たちは、子どもにビルの入り口を通過するオートロックキーは持たせても、自宅の鍵を与えたがらない。鍵の紛失を心配したり、仕事から帰宅した時に室内が乱雑にされているのが嫌なのだろう。部屋にこもってテレビゲームやネット依存にさせないよう、大人の視線があるオープンスペースにわが子を置いておきたいのである。
それにはコンシェルジュがいるカフェが最適だし、元々、居間の延長のつもりで共用施設が充実しているところを買ったのだから有効利用しようと思いつく。幼稚園親子らと入れ替わるようにして小学生が入り、飲み物を注文して居場所を占拠。閉店の21時まで宿題や読書、スマホでアニメを見る子らもいて「バータイム」は霞んでしまった。住人でない親子もたむろし「無料待合室」状態に飲食の金を持たされていない子どもたちは、ロビー横の応接スペースや共用施設のジムやプールのロッカールーム、休憩コーナーにたむろして、おしゃべりやゲームで親が帰宅するまでの時間を過ごす。外部から来た子らも加わるから大人数になるが、その子どもたちの親たちも「冷暖房完備、大人の目が行き届くタワマン無料待合室」をあてにしているのではと勘繰る向きもあるらしい。目に余って、一度、よく見かける5年生くらいの子に「きみ、名前と号室は?」と尋ねたら、「個人情報だから言えません」と即答されたと、田中さんは苦笑する。世代交代は既成事実で、問題はより複雑になっているのだとも嘆く。 「価格補助を管理費から出しているのに、タワマンの住人でもない親子たちがカフェを占拠するのは納得できない」と言うクレームが続出し、住民総会に議案が出されたが、談論風発の末、「住む権利、共同生活の常識、子育て支援」の意味合いを巡って世代ごとに意見の分断があり、結論は先送りになった。「いっそカフェを廃止したら」との意見も出たというから、まだ一波乱おきそうである。品川区の主要駅近くに15年ほど前に建てられた38階建1000戸ほどのタワマンでも、よく似た問題が起きていた。予約が取れない共用部人気の理由このタワマンは1階と2階にテナントが入っているので、カフェもジムも無い。しかも周囲はビルだらけで公園も遊び場も無く、タワマンの中には3歳児以下のプレイルームがあるだけだ。そこで子どもを持つ親たちは、2時間1000円で借りられるパーティールームや会議室、ゲストルーム、和室等を午後遅くから予約して数家族でシェアし、子どもの遊び場や放課後のたむろ場にする「裏技」を思いついたらしい。「何度もフロントで予約を申し込んでも、一度も取れたことがない」とそのタワマンに住む筆者の知人が嘆いていたが、蓋を開ければ簡単な理由だったのだ。 ここまできたら施設使用に年齢制限を設け、住民限定で有料の軽食付き・家庭教師付き「学童保育もどき」を作ったほうが、管理事務所も親たちも心安らかでいられるのではないかと筆者は思う。夢を見させてくれたタワマンだが時間の経過とともに居住者の暮らし方に合わなくなることもある。これからはタワマンのライフスタイルを住人に強要するのではなく、住人のライフスタイルにアメーバーのように変身して対応できる柔軟なソフトが、真の価値となる日が来るだろう。化けの皮が剥がれた「憧れのタワマン」建物の内外のハリボテ・インテリアで魅惑する時代はもう終わりかけていて、経済が上向かない中、重視されるのは見てくれより生活の質である。そしてタワマンでの生活に必須なのは、生活者として「孤独にならないこと」なのだ。肉体的、精神的に弱くなって、一人で街中に外出するのが難しい高齢者は部屋に引きこもりがちである。 運動のためにと一人黙々と廊下を歩く人もいれば、ドアの外に出たものの、自室がわからなくなって徘徊する人もいる。100m以内の行動半径で暮らす住人のための居場所づくりも帰宅困難学童と同じく検討、改良すべき課題だろう。共用施設の一部に独自の「タワマン・デイサービス」を作って、出勤ごっこでも体操でも麻雀でもルーレットでもボッチャでもいいから、ボランティアや高齢者がふらりと集まって、たとえ噛み合わない会話でも談笑できる場があったらどんなに助かるだろう。高齢者用スペースと、学童用スペースを設置すべき豪華なインテリアも贅沢な家具もいらない。麻雀牌をガラガラと手で詰む旧式の卓が置いてあって、手で弾くパチンコ台やフォークギターも常備されていて、歌声喫茶の真似ができて、「健さん、裕ちゃん、小百合」のポスターが貼ってあるような、青春を彷彿とさせる昭和レトロの部屋を提供しようという構想はないだろうか?子どもらには周囲に気兼ねせずに「ただいまぁ」と入っていける私設学童保育のスペース(有料)と、相談役も兼ねた教師(もどき)を側に置いてあげたい。photp by iStock これから新築するタワマンなら、最初から高齢者用スペースと、学童用スペースを設計計画に入れてアピールの目玉にしてほしい。さもないと「憧れのタワマン」はただのカプセル住宅の積み木にすぎないと見抜かれ、早晩、化けの皮が剥がれてしまいそうな予感がしている。
それにはコンシェルジュがいるカフェが最適だし、元々、居間の延長のつもりで共用施設が充実しているところを買ったのだから有効利用しようと思いつく。幼稚園親子らと入れ替わるようにして小学生が入り、飲み物を注文して居場所を占拠。閉店の21時まで宿題や読書、スマホでアニメを見る子らもいて「バータイム」は霞んでしまった。
飲食の金を持たされていない子どもたちは、ロビー横の応接スペースや共用施設のジムやプールのロッカールーム、休憩コーナーにたむろして、おしゃべりやゲームで親が帰宅するまでの時間を過ごす。外部から来た子らも加わるから大人数になるが、その子どもたちの親たちも「冷暖房完備、大人の目が行き届くタワマン無料待合室」をあてにしているのではと勘繰る向きもあるらしい。
目に余って、一度、よく見かける5年生くらいの子に「きみ、名前と号室は?」と尋ねたら、「個人情報だから言えません」と即答されたと、田中さんは苦笑する。世代交代は既成事実で、問題はより複雑になっているのだとも嘆く。
「価格補助を管理費から出しているのに、タワマンの住人でもない親子たちがカフェを占拠するのは納得できない」と言うクレームが続出し、住民総会に議案が出されたが、談論風発の末、「住む権利、共同生活の常識、子育て支援」の意味合いを巡って世代ごとに意見の分断があり、結論は先送りになった。「いっそカフェを廃止したら」との意見も出たというから、まだ一波乱おきそうである。品川区の主要駅近くに15年ほど前に建てられた38階建1000戸ほどのタワマンでも、よく似た問題が起きていた。予約が取れない共用部人気の理由このタワマンは1階と2階にテナントが入っているので、カフェもジムも無い。しかも周囲はビルだらけで公園も遊び場も無く、タワマンの中には3歳児以下のプレイルームがあるだけだ。そこで子どもを持つ親たちは、2時間1000円で借りられるパーティールームや会議室、ゲストルーム、和室等を午後遅くから予約して数家族でシェアし、子どもの遊び場や放課後のたむろ場にする「裏技」を思いついたらしい。「何度もフロントで予約を申し込んでも、一度も取れたことがない」とそのタワマンに住む筆者の知人が嘆いていたが、蓋を開ければ簡単な理由だったのだ。 ここまできたら施設使用に年齢制限を設け、住民限定で有料の軽食付き・家庭教師付き「学童保育もどき」を作ったほうが、管理事務所も親たちも心安らかでいられるのではないかと筆者は思う。夢を見させてくれたタワマンだが時間の経過とともに居住者の暮らし方に合わなくなることもある。これからはタワマンのライフスタイルを住人に強要するのではなく、住人のライフスタイルにアメーバーのように変身して対応できる柔軟なソフトが、真の価値となる日が来るだろう。化けの皮が剥がれた「憧れのタワマン」建物の内外のハリボテ・インテリアで魅惑する時代はもう終わりかけていて、経済が上向かない中、重視されるのは見てくれより生活の質である。そしてタワマンでの生活に必須なのは、生活者として「孤独にならないこと」なのだ。肉体的、精神的に弱くなって、一人で街中に外出するのが難しい高齢者は部屋に引きこもりがちである。 運動のためにと一人黙々と廊下を歩く人もいれば、ドアの外に出たものの、自室がわからなくなって徘徊する人もいる。100m以内の行動半径で暮らす住人のための居場所づくりも帰宅困難学童と同じく検討、改良すべき課題だろう。共用施設の一部に独自の「タワマン・デイサービス」を作って、出勤ごっこでも体操でも麻雀でもルーレットでもボッチャでもいいから、ボランティアや高齢者がふらりと集まって、たとえ噛み合わない会話でも談笑できる場があったらどんなに助かるだろう。高齢者用スペースと、学童用スペースを設置すべき豪華なインテリアも贅沢な家具もいらない。麻雀牌をガラガラと手で詰む旧式の卓が置いてあって、手で弾くパチンコ台やフォークギターも常備されていて、歌声喫茶の真似ができて、「健さん、裕ちゃん、小百合」のポスターが貼ってあるような、青春を彷彿とさせる昭和レトロの部屋を提供しようという構想はないだろうか?子どもらには周囲に気兼ねせずに「ただいまぁ」と入っていける私設学童保育のスペース(有料)と、相談役も兼ねた教師(もどき)を側に置いてあげたい。photp by iStock これから新築するタワマンなら、最初から高齢者用スペースと、学童用スペースを設計計画に入れてアピールの目玉にしてほしい。さもないと「憧れのタワマン」はただのカプセル住宅の積み木にすぎないと見抜かれ、早晩、化けの皮が剥がれてしまいそうな予感がしている。
「価格補助を管理費から出しているのに、タワマンの住人でもない親子たちがカフェを占拠するのは納得できない」と言うクレームが続出し、住民総会に議案が出されたが、談論風発の末、「住む権利、共同生活の常識、子育て支援」の意味合いを巡って世代ごとに意見の分断があり、結論は先送りになった。
「いっそカフェを廃止したら」との意見も出たというから、まだ一波乱おきそうである。
品川区の主要駅近くに15年ほど前に建てられた38階建1000戸ほどのタワマンでも、よく似た問題が起きていた。
このタワマンは1階と2階にテナントが入っているので、カフェもジムも無い。しかも周囲はビルだらけで公園も遊び場も無く、タワマンの中には3歳児以下のプレイルームがあるだけだ。そこで子どもを持つ親たちは、2時間1000円で借りられるパーティールームや会議室、ゲストルーム、和室等を午後遅くから予約して数家族でシェアし、子どもの遊び場や放課後のたむろ場にする「裏技」を思いついたらしい。
「何度もフロントで予約を申し込んでも、一度も取れたことがない」とそのタワマンに住む筆者の知人が嘆いていたが、蓋を開ければ簡単な理由だったのだ。
ここまできたら施設使用に年齢制限を設け、住民限定で有料の軽食付き・家庭教師付き「学童保育もどき」を作ったほうが、管理事務所も親たちも心安らかでいられるのではないかと筆者は思う。夢を見させてくれたタワマンだが時間の経過とともに居住者の暮らし方に合わなくなることもある。これからはタワマンのライフスタイルを住人に強要するのではなく、住人のライフスタイルにアメーバーのように変身して対応できる柔軟なソフトが、真の価値となる日が来るだろう。化けの皮が剥がれた「憧れのタワマン」建物の内外のハリボテ・インテリアで魅惑する時代はもう終わりかけていて、経済が上向かない中、重視されるのは見てくれより生活の質である。そしてタワマンでの生活に必須なのは、生活者として「孤独にならないこと」なのだ。肉体的、精神的に弱くなって、一人で街中に外出するのが難しい高齢者は部屋に引きこもりがちである。 運動のためにと一人黙々と廊下を歩く人もいれば、ドアの外に出たものの、自室がわからなくなって徘徊する人もいる。100m以内の行動半径で暮らす住人のための居場所づくりも帰宅困難学童と同じく検討、改良すべき課題だろう。共用施設の一部に独自の「タワマン・デイサービス」を作って、出勤ごっこでも体操でも麻雀でもルーレットでもボッチャでもいいから、ボランティアや高齢者がふらりと集まって、たとえ噛み合わない会話でも談笑できる場があったらどんなに助かるだろう。高齢者用スペースと、学童用スペースを設置すべき豪華なインテリアも贅沢な家具もいらない。麻雀牌をガラガラと手で詰む旧式の卓が置いてあって、手で弾くパチンコ台やフォークギターも常備されていて、歌声喫茶の真似ができて、「健さん、裕ちゃん、小百合」のポスターが貼ってあるような、青春を彷彿とさせる昭和レトロの部屋を提供しようという構想はないだろうか?子どもらには周囲に気兼ねせずに「ただいまぁ」と入っていける私設学童保育のスペース(有料)と、相談役も兼ねた教師(もどき)を側に置いてあげたい。photp by iStock これから新築するタワマンなら、最初から高齢者用スペースと、学童用スペースを設計計画に入れてアピールの目玉にしてほしい。さもないと「憧れのタワマン」はただのカプセル住宅の積み木にすぎないと見抜かれ、早晩、化けの皮が剥がれてしまいそうな予感がしている。
ここまできたら施設使用に年齢制限を設け、住民限定で有料の軽食付き・家庭教師付き「学童保育もどき」を作ったほうが、管理事務所も親たちも心安らかでいられるのではないかと筆者は思う。
夢を見させてくれたタワマンだが時間の経過とともに居住者の暮らし方に合わなくなることもある。これからはタワマンのライフスタイルを住人に強要するのではなく、住人のライフスタイルにアメーバーのように変身して対応できる柔軟なソフトが、真の価値となる日が来るだろう。
建物の内外のハリボテ・インテリアで魅惑する時代はもう終わりかけていて、経済が上向かない中、重視されるのは見てくれより生活の質である。
そしてタワマンでの生活に必須なのは、生活者として「孤独にならないこと」なのだ。
肉体的、精神的に弱くなって、一人で街中に外出するのが難しい高齢者は部屋に引きこもりがちである。
運動のためにと一人黙々と廊下を歩く人もいれば、ドアの外に出たものの、自室がわからなくなって徘徊する人もいる。100m以内の行動半径で暮らす住人のための居場所づくりも帰宅困難学童と同じく検討、改良すべき課題だろう。共用施設の一部に独自の「タワマン・デイサービス」を作って、出勤ごっこでも体操でも麻雀でもルーレットでもボッチャでもいいから、ボランティアや高齢者がふらりと集まって、たとえ噛み合わない会話でも談笑できる場があったらどんなに助かるだろう。高齢者用スペースと、学童用スペースを設置すべき豪華なインテリアも贅沢な家具もいらない。麻雀牌をガラガラと手で詰む旧式の卓が置いてあって、手で弾くパチンコ台やフォークギターも常備されていて、歌声喫茶の真似ができて、「健さん、裕ちゃん、小百合」のポスターが貼ってあるような、青春を彷彿とさせる昭和レトロの部屋を提供しようという構想はないだろうか?子どもらには周囲に気兼ねせずに「ただいまぁ」と入っていける私設学童保育のスペース(有料)と、相談役も兼ねた教師(もどき)を側に置いてあげたい。photp by iStock これから新築するタワマンなら、最初から高齢者用スペースと、学童用スペースを設計計画に入れてアピールの目玉にしてほしい。さもないと「憧れのタワマン」はただのカプセル住宅の積み木にすぎないと見抜かれ、早晩、化けの皮が剥がれてしまいそうな予感がしている。
運動のためにと一人黙々と廊下を歩く人もいれば、ドアの外に出たものの、自室がわからなくなって徘徊する人もいる。
100m以内の行動半径で暮らす住人のための居場所づくりも帰宅困難学童と同じく検討、改良すべき課題だろう。
共用施設の一部に独自の「タワマン・デイサービス」を作って、出勤ごっこでも体操でも麻雀でもルーレットでもボッチャでもいいから、ボランティアや高齢者がふらりと集まって、たとえ噛み合わない会話でも談笑できる場があったらどんなに助かるだろう。
豪華なインテリアも贅沢な家具もいらない。
麻雀牌をガラガラと手で詰む旧式の卓が置いてあって、手で弾くパチンコ台やフォークギターも常備されていて、歌声喫茶の真似ができて、「健さん、裕ちゃん、小百合」のポスターが貼ってあるような、青春を彷彿とさせる昭和レトロの部屋を提供しようという構想はないだろうか?
子どもらには周囲に気兼ねせずに「ただいまぁ」と入っていける私設学童保育のスペース(有料)と、相談役も兼ねた教師(もどき)を側に置いてあげたい。
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これから新築するタワマンなら、最初から高齢者用スペースと、学童用スペースを設計計画に入れてアピールの目玉にしてほしい。さもないと「憧れのタワマン」はただのカプセル住宅の積み木にすぎないと見抜かれ、早晩、化けの皮が剥がれてしまいそうな予感がしている。
これから新築するタワマンなら、最初から高齢者用スペースと、学童用スペースを設計計画に入れてアピールの目玉にしてほしい。
さもないと「憧れのタワマン」はただのカプセル住宅の積み木にすぎないと見抜かれ、早晩、化けの皮が剥がれてしまいそうな予感がしている。

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