【独占告白120分】三浦瑠麗が「夫の逮捕」を初めて語った

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3月7日、東京地検特捜部は、投資会社「トライベイキャピタル」代表取締役・三浦清志容疑者を業務上横領の疑いで逮捕した。2019年にトライベイキャピタル社が代表社員を務める合同会社が、兵庫県福崎町で太陽光発電投資事業を始めるための資金として、東京都内の不動産会社から出資を受けた10億円のうち、4億2000万円を横領したとの容疑だった。
【画像】三浦瑠麗氏、家族3人で食事に 三浦氏は「夫を支えながら推移を見守りたい」とコメントを出し、マスコミの取材には一切沈黙を貫いてきた。だが今回、月刊「文藝春秋」の取材に対し、120分間にわたり自身の心境を明かした。

三浦瑠麗氏 文藝春秋 清志氏が逮捕された3月7日、夫婦はそろって永田町のオフィスに出勤した。〈私のオフィスと夫の会社は同じ建物内で隣接しているんですが、午前11時頃、夫のスタッフの一人がスマホを見ながら「なんか、ちょっと……」と気まずそうに声を上げると、他のスタッフも集まり「えーっ!」と騒ぎになったのです。ニュース速報で「三浦瑠麗氏の夫を逮捕」と流れていました。「誤報であってくれ」と祈りましたが、間もなく弁護士の先生から確認の連絡があり、「あっ、本当なんだな」と。検察が「4億2000万円の業務上横領」などと被疑事実をメディアに説明しているとのことでした。在宅での捜査を望んでいたが、身柄を拘束されて拘置所へ 検察から私たちに逮捕にかんする説明はなく、被疑事実についてもメディアの報道で初めて詳細を知った。「なるほど、逮捕はこういう手筈で進むのか」と妙に冷静だったのを覚えていますね。 ただ、検察の捜査に夫は全面的に協力してきたし、罪証隠滅の恐れもないはずで、在宅での捜査が続くことを望んでいました。しかし、結局は身柄を拘束され、拘置所に入れられてしまった。そのことは非常に残念です〉「あの日は不思議な一日でした」と逮捕当日を振り返る三浦氏。この日は、「文藝春秋」のオンライン配信番組の対談企画で落語家の立川談春師匠と打ち合わせをする予定だった。〈師匠は(オフィスに到着すると)すぐさま「もうあれだな。話になんねえな。打ち合わせどころじゃないな」と状況を察していた。当然ですよね。じゃあ、どうするか。なぜか「飲みますか」という話になったんです。不謹慎に思われるかもしれませんが、正直、飲まなきゃ、やってられない気分もありましたね。スタッフの一人が机にドンッとウイスキー瓶を用意して、うちのオフィスの冷凍庫には丸氷があるので、みんなでロックで飲み続けたんです。一歩外に出ればカメラの放列が敷かれているというのに、まるで台風の目にいるようでした。普段はあまりお酒を嗜まない師匠も私たちに付き合ってくれて、何時間経ったか覚えていませんが、午後3時頃に帰って行かれました。 家宅捜索があった1月以降、夫が逮捕される可能性については少なからず覚悟していました。事情聴取は頻繁に行われるし、弁護士の先生からも「準備はしておいてください」と言われていた。ただそうは言っても、気持ちはずっと揺れ動いていました。人間というのは不思議なもので、どちらに転ぶかわからないという不確実性の中にいるときに一番恐怖を感じます。そのことがよく分かりました。 逮捕の事実が伝えられた瞬間、そうでない方の道は閉ざされた。「ああ、夫は行ってしまった」と悲しいのですが、心のどこかで自然と諦めの境地に達したんです〉メール等も提出し、検察には全面的に協力 一部マスコミでは三浦氏が夫の事件に関与しているのではないかという疑惑を報じているが、三浦氏はそうした疑惑を否定している。〈私が何も反論を口にしないのは、第一に事件について、投資家との間でトラブルが生じ、横領の疑いをかけられている以上のことを本当に知らないからです。1月に私が出した《まったく夫の会社経営には関与しておらず、一切知り得ない》というコメントの通りです。 夫の会社の売り上げも知らなければ、問題となっている資金の流れや、それが何に使われたのかも知らない。投資計画を見たこともないので、私自身、意見を言うことも何の判断もできない状態だったんです。 一方で、夫の出張の行き先などは把握していました。事前に「今日は大阪泊まりだよ」などと教えてもらわないと、子供の面倒を見る上で、夫婦間のスケジュールが調整できないからです。 私の会社が夫の会社と同じフロアに入居し、受付や電話係の業務を委託するなどしており、かつ夫婦ということで、私のスマホもいったんは押収されましたし、メール等も提出することで検察には全面的に協力しました。夫の配偶者としてそれ以外にできたのは、無駄な雑音を立てないように黙っていることくらいです〉今の夫へのメッセージも込めて本を差し入れ 逮捕後、三浦氏は拘置所にいる夫に差し入れをしている。〈1日に3冊だけ本の差し入れも認められており、弁護士を通じて渡しています。そのうちの2冊は夫がずっと「読みたい」と言っていた『レオナルド・ダ・ヴィンチ』の上下巻。今か4年くらい前の本ですが、スティーブ・ジョブズの評伝で話題になったバイオグラファーが、ダヴィンチの膨大な自筆メモを読み解いて書かれている。 残りの1冊は、夫が好きだった、E・H・カーの『危機の二十年』です。外交についての古典ですね。 ちなみにその翌日も本を送っていて、1冊はカミュの『シーシュポスの神話』にしました。神々の罰により、何度岩を山頂まで運んでも転がり落ちる、それでも生き続けなければいけない人生の不条理を説いた本です。今の夫へのメッセージも多分に込めています〉 4月10日発売の「文藝春秋」5月号では、「三浦瑠麗 独占告白120分『夫の逮捕で考えたこと』」と題して三浦氏の独白を10ページにわたり掲載する。東大時代に出会った夫との20年にわたる結婚生活や、娘と2人での生活ぶり、太陽光発電について自身の考えも詳細に語っている。(「文藝春秋 電子版」では4月9日に公開)。(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2023年5月号)
三浦氏は「夫を支えながら推移を見守りたい」とコメントを出し、マスコミの取材には一切沈黙を貫いてきた。だが今回、月刊「文藝春秋」の取材に対し、120分間にわたり自身の心境を明かした。
三浦瑠麗氏 文藝春秋
清志氏が逮捕された3月7日、夫婦はそろって永田町のオフィスに出勤した。
〈私のオフィスと夫の会社は同じ建物内で隣接しているんですが、午前11時頃、夫のスタッフの一人がスマホを見ながら「なんか、ちょっと……」と気まずそうに声を上げると、他のスタッフも集まり「えーっ!」と騒ぎになったのです。ニュース速報で「三浦瑠麗氏の夫を逮捕」と流れていました。
「誤報であってくれ」と祈りましたが、間もなく弁護士の先生から確認の連絡があり、「あっ、本当なんだな」と。検察が「4億2000万円の業務上横領」などと被疑事実をメディアに説明しているとのことでした。
検察から私たちに逮捕にかんする説明はなく、被疑事実についてもメディアの報道で初めて詳細を知った。「なるほど、逮捕はこういう手筈で進むのか」と妙に冷静だったのを覚えていますね。
ただ、検察の捜査に夫は全面的に協力してきたし、罪証隠滅の恐れもないはずで、在宅での捜査が続くことを望んでいました。しかし、結局は身柄を拘束され、拘置所に入れられてしまった。そのことは非常に残念です〉
「あの日は不思議な一日でした」と逮捕当日を振り返る三浦氏。この日は、「文藝春秋」のオンライン配信番組の対談企画で落語家の立川談春師匠と打ち合わせをする予定だった。
〈師匠は(オフィスに到着すると)すぐさま「もうあれだな。話になんねえな。打ち合わせどころじゃないな」と状況を察していた。当然ですよね。じゃあ、どうするか。なぜか「飲みますか」という話になったんです。不謹慎に思われるかもしれませんが、正直、飲まなきゃ、やってられない気分もありましたね。スタッフの一人が机にドンッとウイスキー瓶を用意して、うちのオフィスの冷凍庫には丸氷があるので、みんなでロックで飲み続けたんです。一歩外に出ればカメラの放列が敷かれているというのに、まるで台風の目にいるようでした。普段はあまりお酒を嗜まない師匠も私たちに付き合ってくれて、何時間経ったか覚えていませんが、午後3時頃に帰って行かれました。
家宅捜索があった1月以降、夫が逮捕される可能性については少なからず覚悟していました。事情聴取は頻繁に行われるし、弁護士の先生からも「準備はしておいてください」と言われていた。ただそうは言っても、気持ちはずっと揺れ動いていました。人間というのは不思議なもので、どちらに転ぶかわからないという不確実性の中にいるときに一番恐怖を感じます。そのことがよく分かりました。
逮捕の事実が伝えられた瞬間、そうでない方の道は閉ざされた。「ああ、夫は行ってしまった」と悲しいのですが、心のどこかで自然と諦めの境地に達したんです〉
メール等も提出し、検察には全面的に協力 一部マスコミでは三浦氏が夫の事件に関与しているのではないかという疑惑を報じているが、三浦氏はそうした疑惑を否定している。〈私が何も反論を口にしないのは、第一に事件について、投資家との間でトラブルが生じ、横領の疑いをかけられている以上のことを本当に知らないからです。1月に私が出した《まったく夫の会社経営には関与しておらず、一切知り得ない》というコメントの通りです。 夫の会社の売り上げも知らなければ、問題となっている資金の流れや、それが何に使われたのかも知らない。投資計画を見たこともないので、私自身、意見を言うことも何の判断もできない状態だったんです。 一方で、夫の出張の行き先などは把握していました。事前に「今日は大阪泊まりだよ」などと教えてもらわないと、子供の面倒を見る上で、夫婦間のスケジュールが調整できないからです。 私の会社が夫の会社と同じフロアに入居し、受付や電話係の業務を委託するなどしており、かつ夫婦ということで、私のスマホもいったんは押収されましたし、メール等も提出することで検察には全面的に協力しました。夫の配偶者としてそれ以外にできたのは、無駄な雑音を立てないように黙っていることくらいです〉今の夫へのメッセージも込めて本を差し入れ 逮捕後、三浦氏は拘置所にいる夫に差し入れをしている。〈1日に3冊だけ本の差し入れも認められており、弁護士を通じて渡しています。そのうちの2冊は夫がずっと「読みたい」と言っていた『レオナルド・ダ・ヴィンチ』の上下巻。今か4年くらい前の本ですが、スティーブ・ジョブズの評伝で話題になったバイオグラファーが、ダヴィンチの膨大な自筆メモを読み解いて書かれている。 残りの1冊は、夫が好きだった、E・H・カーの『危機の二十年』です。外交についての古典ですね。 ちなみにその翌日も本を送っていて、1冊はカミュの『シーシュポスの神話』にしました。神々の罰により、何度岩を山頂まで運んでも転がり落ちる、それでも生き続けなければいけない人生の不条理を説いた本です。今の夫へのメッセージも多分に込めています〉 4月10日発売の「文藝春秋」5月号では、「三浦瑠麗 独占告白120分『夫の逮捕で考えたこと』」と題して三浦氏の独白を10ページにわたり掲載する。東大時代に出会った夫との20年にわたる結婚生活や、娘と2人での生活ぶり、太陽光発電について自身の考えも詳細に語っている。(「文藝春秋 電子版」では4月9日に公開)。(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2023年5月号)
一部マスコミでは三浦氏が夫の事件に関与しているのではないかという疑惑を報じているが、三浦氏はそうした疑惑を否定している。
〈私が何も反論を口にしないのは、第一に事件について、投資家との間でトラブルが生じ、横領の疑いをかけられている以上のことを本当に知らないからです。1月に私が出した《まったく夫の会社経営には関与しておらず、一切知り得ない》というコメントの通りです。
夫の会社の売り上げも知らなければ、問題となっている資金の流れや、それが何に使われたのかも知らない。投資計画を見たこともないので、私自身、意見を言うことも何の判断もできない状態だったんです。
一方で、夫の出張の行き先などは把握していました。事前に「今日は大阪泊まりだよ」などと教えてもらわないと、子供の面倒を見る上で、夫婦間のスケジュールが調整できないからです。
私の会社が夫の会社と同じフロアに入居し、受付や電話係の業務を委託するなどしており、かつ夫婦ということで、私のスマホもいったんは押収されましたし、メール等も提出することで検察には全面的に協力しました。夫の配偶者としてそれ以外にできたのは、無駄な雑音を立てないように黙っていることくらいです〉今の夫へのメッセージも込めて本を差し入れ 逮捕後、三浦氏は拘置所にいる夫に差し入れをしている。〈1日に3冊だけ本の差し入れも認められており、弁護士を通じて渡しています。そのうちの2冊は夫がずっと「読みたい」と言っていた『レオナルド・ダ・ヴィンチ』の上下巻。今か4年くらい前の本ですが、スティーブ・ジョブズの評伝で話題になったバイオグラファーが、ダヴィンチの膨大な自筆メモを読み解いて書かれている。 残りの1冊は、夫が好きだった、E・H・カーの『危機の二十年』です。外交についての古典ですね。 ちなみにその翌日も本を送っていて、1冊はカミュの『シーシュポスの神話』にしました。神々の罰により、何度岩を山頂まで運んでも転がり落ちる、それでも生き続けなければいけない人生の不条理を説いた本です。今の夫へのメッセージも多分に込めています〉 4月10日発売の「文藝春秋」5月号では、「三浦瑠麗 独占告白120分『夫の逮捕で考えたこと』」と題して三浦氏の独白を10ページにわたり掲載する。東大時代に出会った夫との20年にわたる結婚生活や、娘と2人での生活ぶり、太陽光発電について自身の考えも詳細に語っている。(「文藝春秋 電子版」では4月9日に公開)。(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2023年5月号)
私の会社が夫の会社と同じフロアに入居し、受付や電話係の業務を委託するなどしており、かつ夫婦ということで、私のスマホもいったんは押収されましたし、メール等も提出することで検察には全面的に協力しました。夫の配偶者としてそれ以外にできたのは、無駄な雑音を立てないように黙っていることくらいです〉
逮捕後、三浦氏は拘置所にいる夫に差し入れをしている。
〈1日に3冊だけ本の差し入れも認められており、弁護士を通じて渡しています。そのうちの2冊は夫がずっと「読みたい」と言っていた『レオナルド・ダ・ヴィンチ』の上下巻。今か4年くらい前の本ですが、スティーブ・ジョブズの評伝で話題になったバイオグラファーが、ダヴィンチの膨大な自筆メモを読み解いて書かれている。
残りの1冊は、夫が好きだった、E・H・カーの『危機の二十年』です。外交についての古典ですね。
ちなみにその翌日も本を送っていて、1冊はカミュの『シーシュポスの神話』にしました。神々の罰により、何度岩を山頂まで運んでも転がり落ちる、それでも生き続けなければいけない人生の不条理を説いた本です。今の夫へのメッセージも多分に込めています〉
4月10日発売の「文藝春秋」5月号では、「三浦瑠麗 独占告白120分『夫の逮捕で考えたこと』」と題して三浦氏の独白を10ページにわたり掲載する。東大時代に出会った夫との20年にわたる結婚生活や、娘と2人での生活ぶり、太陽光発電について自身の考えも詳細に語っている。(「文藝春秋 電子版」では4月9日に公開)。
(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2023年5月号)

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