ヘリから緊急事態情報の受信なし 燃料タンクか、漂流物回収

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陸自ヘリが行方不明となった沖縄県・宮古島沖に浮かぶ円筒形の物体=9日午後(第11管区海上保安本部提供)
沖縄県の宮古島付近で10人が搭乗した陸上自衛隊UH60JAヘリコプターが行方不明となった事故で、周辺にある空港の管制レーダーが、ヘリにある「トランスポンダ」と呼ばれる装置を通じて緊急事態を示す情報を受信していなかったことが9日、陸自への取材で分かった。異変を知らせる間もないほど短時間でトラブルに遭った可能性がある。無線機から自動で出る救難信号が受信されなかったことも判明している。
第8師団の坂本雄一師団長(55)ら10人は依然不明で、自衛隊と海上保安庁は9日も捜索を続行した。海保が円筒形の漂流物を発見し回収。ヘリの左右に一つずつ取り付ける燃料タンクとみられ、切断されたような跡があった。ヘリが海面に激しく衝突した可能性があり、陸自が調べている。
捜索には自衛隊の航空機や艦艇、海保の巡視船が入っており、陸上からも自衛隊員が約380人態勢で手がかりを捜した。海底を調査できる海上自衛隊の潜水艦救難艦も加わった。
陸自によると、トランスポンダは、ヘリが外部に緊急事態を知らせる手段の一つとして使う。
陸自ヘリが行方不明となった、沖縄県・宮古島沖の海域を捜索する海上自衛隊の潜水艦救難艦「ちはや」=9日午後

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