ドアが閉まらない、排水口からドブのような臭い…住人が語る、築50年「ヴィンテージマンション」暮らしのリアル

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住まいは新築・築浅がいい――、日本人の心には、長らくそんな“新築信仰”が根付いていた。しかし近年は築年数を経ていても、管理が行き届き、リフォームされた築古マンションを選ぶ人も増えているという。「ヴィンテージマンション」と呼ばれることもある築古マンションでは、どのような暮らしが待っているのだろうか。
【画像】桃木さん(仮名)宅の間取り図を見る※画像はイメージです :iStock.com広々としているが、閉まらないドア、水周りトラブル…桃木さん(仮名)の住まいを見る(全9枚)◆◆◆内見してみたら、想像以上の広さに好印象「年代物」を意味する“ヴィンテージ”という言葉は、時間の経過とともに価値が上がるアイテムを指す。ワインや古着、腕時計などに使われる言葉だが、マンションに使われるケースもある。とくに、80年代に建てられた「広尾ガーデンヒルズ」や「麻布霞町パークマンション」「秀和レジデンスシリーズ」など、有名なヴィンテージマンションは、令和の今も物件の価値がまったく下がっていないという。

不動産専門のデータ会社・東京カンテイでは、ヴィンテージマンションを「少なくとも築10年以上経過」「物件の平均専有面積が100崛宛紂廖崢300万円以上」と定義しているが、これらの条件に当てはまらなくても、不動産サイトで「ヴィンテージマンション」として紹介されているケースも多い。今のところワインやジーンズとは違い、マンションには明確な定義はないようだ。 今年2月、桃木彩絵さん(仮名・30代)は都心の駅から徒歩3分の場所にある、築50年のヴィンテージマンションに引っ越したという。「家族3人で暮らすので、初めは築浅で2LDK以上のマンションを探していました。でもその場合、家賃が30万円を超えるものばかりで、完全に予算オーバー。そこで築年数の条件を緩めてネットで検索したところ、今住んでいるこの部屋が出てきたんです」 当初、自分よりも20歳も年上の物件に興味は湧かなかったが、そのマンションは2LDKで駅チカ、家賃は23万円と好条件。念のため内見に行くと、居室空間が想像以上に広く開放的で好印象を抱いた。そして彼女は部屋の印象を「シティだと感じた」と話す。どういうことだろうか。「そのときちょうど、雑誌『POPEYE』(マガジンハウス)でシティボーイの部屋を特集していたんです。特集のタイトル通り、世界中のシティボーイたちのお部屋を紹介していて、みんなレトロな雰囲気の味のある部屋でおしゃれに暮らしていました。 この物件も古さはあれど、しっかり管理されているし、窓から東京タワーが見えてシティど真ん中。やり方次第では自分もシティボーイのような暮らしができるかもと感じて夫と相談して入居を決めました。 それと以前、女優の蒼井優さんご夫婦が築50年のヴィンテージマンションに住んでいる、というニュース記事を読んだのも決め手になりましたね。本当かどうかはわかりませんが(笑)」 内見の際、不動産屋の担当者に「この物件ってヴィンテージマンションですか?」と尋ねたところ「そうとも言えますね」と返されたという。ドアが閉まらない、排水口がクサい…入居直後からトラブル 満を持して新居での生活がスタートしたが、入居から数日で3つほど不具合が発生したという。最初に判明したのが、扉とドア枠のサイズのズレ。玄関からリビングにつながる扉のサイズが合わず、戸を閉めることができないという。「すぐにドアが閉まらないことを管理会社に連絡すると、リフォームで床を張り替えたところ床に厚みが出てしまい、扉が枠にはまらなくなってしまった、と説明されました。『とりあえず、隙間風が寒いので直してほしい』とお願いしているのですが、まだ修理が来ず、2カ月経った今もドアは閉まらないです」 次に桃木さんを悩ませたのが、排水口のニオイだった。「脱衣所にある独立洗面台や、お風呂場の排水口からドブのようなニオイがするというか……。ずっとクサイわけではなく、1日のうちに何度か異臭がします。排水管を掃除する液体洗剤や、消臭剤を流しましたが、なかなかニオイが消えません。これも管理会社の人に相談したところ、古い物件は排水管が古くなっているので修繕が難しいそうです」 現在は、置型の消臭剤を洗面台の下に設置して、脱衣所のニオイをやりすごしているという。入居から一週間後、給湯器が壊れた さらにそれから1週間後、今度は給湯器が壊れてしまった。「元々調子が悪かったのか、私たちが壊したのか不明ですが、ある日、給湯器のリモコンにエラーが表示されてお湯が出なくなったんです。一度電源を切って再起動すれば燃焼モードになるものの、少し経つと再びエラー。入浴中にシャワーから水しか出なくなり、諦めてお風呂の中で体を洗って髪も洗いましたよ。加えて、風呂場の排水口から硫黄のようなニオイも漂ってきたんです」 給湯器の故障はさすがに生活に支障が出る、と感じた桃木さんは管理会社に電話をかけた。すると、連絡した翌日には新しい給湯器に替えてくれたそうだ。「相当古い給湯器だったので、むしろ入居後すぐに取り替えてもらえてラッキーだったかもしれません。ドアの修理はしてもらえていませんが、給湯器はすぐに対応してもらえてよかったです」 入居1カ月目にして、さまざまな住居トラブルに見舞われたが「これも経験」と割り切って生活しているという。 そのほかクレームとはいかないまでも、実際に住んではじめて気づく“古い物件あるある”も多数見つかった、と桃木さん。「窓がやたらと大きいのが気になりますね。カーテンは既製品のものだと幅が足りなかったので、レースカーテンと併用して使っています。風通しはとてもいいのですが『引き違い窓』であることに加えて、窓を開けると網戸も柵もありません。うちには小さい子どもがいるので、窓に近づかないように教えています。高層階に住んでいるので、とくに注意が必要な部分ですね」 入居前にリフォーム業者が張り替えたという床には、かつて使われていた設備が残されているという。「今どき珍しいガスストーブの残骸が床に残されているのも、古さを感じますね。内見のときに、不動産屋さんが『これは床下収納ですね』と言いながら開けてくれたのですが、そこにはガスストーブを接続するための元栓が入っていました。かなり老朽化しているので絶対に使用しないでくれ、と念を押されています」 また、入居前からわかっていたことだが、マンションには光回線が通っておらず、工事もできない仕様になっているという。「この点は、最後まで悩みました。今どきそんなマンションがあるのか、と築50年の実力を感じましたね……。いまのところポケットWi-Fiを使ってネットをつないでいますが、それほど不便は感じていません。なんとかなるものですね」 そのほかにも、壁に神棚があったり、クローゼットの中が押入れ仕様の二段になっていたりと、部屋の端々に歴史と渋さを感じる作りになっている。古さを活かしつつ、落ち着く空間にアップデートしていきたい 短い間にトラブルは続いたものの「生活は気に入っている」と、桃木さんは話す。「大きい窓から東京タワーが見えるし、駅チカだし、とにかく広い。今回の引っ越しで何軒か内見をしましたが、予算オーバーの物件でもこれほど広い部屋はありませんでした。これから5年は住む予定なので、今後はヴィンテージマンションの古さを活かしつつ、落ち着く空間にアップデートしていきたいです」 桃木さんのシティライフははじまったばかりだ。(清談社)
※画像はイメージです :iStock.com
広々としているが、閉まらないドア、水周りトラブル…桃木さん(仮名)の住まいを見る(全9枚)◆◆◆内見してみたら、想像以上の広さに好印象「年代物」を意味する“ヴィンテージ”という言葉は、時間の経過とともに価値が上がるアイテムを指す。ワインや古着、腕時計などに使われる言葉だが、マンションに使われるケースもある。とくに、80年代に建てられた「広尾ガーデンヒルズ」や「麻布霞町パークマンション」「秀和レジデンスシリーズ」など、有名なヴィンテージマンションは、令和の今も物件の価値がまったく下がっていないという。

不動産専門のデータ会社・東京カンテイでは、ヴィンテージマンションを「少なくとも築10年以上経過」「物件の平均専有面積が100崛宛紂廖崢300万円以上」と定義しているが、これらの条件に当てはまらなくても、不動産サイトで「ヴィンテージマンション」として紹介されているケースも多い。今のところワインやジーンズとは違い、マンションには明確な定義はないようだ。 今年2月、桃木彩絵さん(仮名・30代)は都心の駅から徒歩3分の場所にある、築50年のヴィンテージマンションに引っ越したという。「家族3人で暮らすので、初めは築浅で2LDK以上のマンションを探していました。でもその場合、家賃が30万円を超えるものばかりで、完全に予算オーバー。そこで築年数の条件を緩めてネットで検索したところ、今住んでいるこの部屋が出てきたんです」 当初、自分よりも20歳も年上の物件に興味は湧かなかったが、そのマンションは2LDKで駅チカ、家賃は23万円と好条件。念のため内見に行くと、居室空間が想像以上に広く開放的で好印象を抱いた。そして彼女は部屋の印象を「シティだと感じた」と話す。どういうことだろうか。「そのときちょうど、雑誌『POPEYE』(マガジンハウス)でシティボーイの部屋を特集していたんです。特集のタイトル通り、世界中のシティボーイたちのお部屋を紹介していて、みんなレトロな雰囲気の味のある部屋でおしゃれに暮らしていました。 この物件も古さはあれど、しっかり管理されているし、窓から東京タワーが見えてシティど真ん中。やり方次第では自分もシティボーイのような暮らしができるかもと感じて夫と相談して入居を決めました。 それと以前、女優の蒼井優さんご夫婦が築50年のヴィンテージマンションに住んでいる、というニュース記事を読んだのも決め手になりましたね。本当かどうかはわかりませんが(笑)」 内見の際、不動産屋の担当者に「この物件ってヴィンテージマンションですか?」と尋ねたところ「そうとも言えますね」と返されたという。ドアが閉まらない、排水口がクサい…入居直後からトラブル 満を持して新居での生活がスタートしたが、入居から数日で3つほど不具合が発生したという。最初に判明したのが、扉とドア枠のサイズのズレ。玄関からリビングにつながる扉のサイズが合わず、戸を閉めることができないという。「すぐにドアが閉まらないことを管理会社に連絡すると、リフォームで床を張り替えたところ床に厚みが出てしまい、扉が枠にはまらなくなってしまった、と説明されました。『とりあえず、隙間風が寒いので直してほしい』とお願いしているのですが、まだ修理が来ず、2カ月経った今もドアは閉まらないです」 次に桃木さんを悩ませたのが、排水口のニオイだった。「脱衣所にある独立洗面台や、お風呂場の排水口からドブのようなニオイがするというか……。ずっとクサイわけではなく、1日のうちに何度か異臭がします。排水管を掃除する液体洗剤や、消臭剤を流しましたが、なかなかニオイが消えません。これも管理会社の人に相談したところ、古い物件は排水管が古くなっているので修繕が難しいそうです」 現在は、置型の消臭剤を洗面台の下に設置して、脱衣所のニオイをやりすごしているという。入居から一週間後、給湯器が壊れた さらにそれから1週間後、今度は給湯器が壊れてしまった。「元々調子が悪かったのか、私たちが壊したのか不明ですが、ある日、給湯器のリモコンにエラーが表示されてお湯が出なくなったんです。一度電源を切って再起動すれば燃焼モードになるものの、少し経つと再びエラー。入浴中にシャワーから水しか出なくなり、諦めてお風呂の中で体を洗って髪も洗いましたよ。加えて、風呂場の排水口から硫黄のようなニオイも漂ってきたんです」 給湯器の故障はさすがに生活に支障が出る、と感じた桃木さんは管理会社に電話をかけた。すると、連絡した翌日には新しい給湯器に替えてくれたそうだ。「相当古い給湯器だったので、むしろ入居後すぐに取り替えてもらえてラッキーだったかもしれません。ドアの修理はしてもらえていませんが、給湯器はすぐに対応してもらえてよかったです」 入居1カ月目にして、さまざまな住居トラブルに見舞われたが「これも経験」と割り切って生活しているという。 そのほかクレームとはいかないまでも、実際に住んではじめて気づく“古い物件あるある”も多数見つかった、と桃木さん。「窓がやたらと大きいのが気になりますね。カーテンは既製品のものだと幅が足りなかったので、レースカーテンと併用して使っています。風通しはとてもいいのですが『引き違い窓』であることに加えて、窓を開けると網戸も柵もありません。うちには小さい子どもがいるので、窓に近づかないように教えています。高層階に住んでいるので、とくに注意が必要な部分ですね」 入居前にリフォーム業者が張り替えたという床には、かつて使われていた設備が残されているという。「今どき珍しいガスストーブの残骸が床に残されているのも、古さを感じますね。内見のときに、不動産屋さんが『これは床下収納ですね』と言いながら開けてくれたのですが、そこにはガスストーブを接続するための元栓が入っていました。かなり老朽化しているので絶対に使用しないでくれ、と念を押されています」 また、入居前からわかっていたことだが、マンションには光回線が通っておらず、工事もできない仕様になっているという。「この点は、最後まで悩みました。今どきそんなマンションがあるのか、と築50年の実力を感じましたね……。いまのところポケットWi-Fiを使ってネットをつないでいますが、それほど不便は感じていません。なんとかなるものですね」 そのほかにも、壁に神棚があったり、クローゼットの中が押入れ仕様の二段になっていたりと、部屋の端々に歴史と渋さを感じる作りになっている。古さを活かしつつ、落ち着く空間にアップデートしていきたい 短い間にトラブルは続いたものの「生活は気に入っている」と、桃木さんは話す。「大きい窓から東京タワーが見えるし、駅チカだし、とにかく広い。今回の引っ越しで何軒か内見をしましたが、予算オーバーの物件でもこれほど広い部屋はありませんでした。これから5年は住む予定なので、今後はヴィンテージマンションの古さを活かしつつ、落ち着く空間にアップデートしていきたいです」 桃木さんのシティライフははじまったばかりだ。(清談社)
◆◆◆
「年代物」を意味する“ヴィンテージ”という言葉は、時間の経過とともに価値が上がるアイテムを指す。ワインや古着、腕時計などに使われる言葉だが、マンションに使われるケースもある。とくに、80年代に建てられた「広尾ガーデンヒルズ」や「麻布霞町パークマンション」「秀和レジデンスシリーズ」など、有名なヴィンテージマンションは、令和の今も物件の価値がまったく下がっていないという。
不動産専門のデータ会社・東京カンテイでは、ヴィンテージマンションを「少なくとも築10年以上経過」「物件の平均専有面積が100崛宛紂廖崢300万円以上」と定義しているが、これらの条件に当てはまらなくても、不動産サイトで「ヴィンテージマンション」として紹介されているケースも多い。今のところワインやジーンズとは違い、マンションには明確な定義はないようだ。
今年2月、桃木彩絵さん(仮名・30代)は都心の駅から徒歩3分の場所にある、築50年のヴィンテージマンションに引っ越したという。
「家族3人で暮らすので、初めは築浅で2LDK以上のマンションを探していました。でもその場合、家賃が30万円を超えるものばかりで、完全に予算オーバー。そこで築年数の条件を緩めてネットで検索したところ、今住んでいるこの部屋が出てきたんです」
当初、自分よりも20歳も年上の物件に興味は湧かなかったが、そのマンションは2LDKで駅チカ、家賃は23万円と好条件。念のため内見に行くと、居室空間が想像以上に広く開放的で好印象を抱いた。そして彼女は部屋の印象を「シティだと感じた」と話す。どういうことだろうか。
「そのときちょうど、雑誌『POPEYE』(マガジンハウス)でシティボーイの部屋を特集していたんです。特集のタイトル通り、世界中のシティボーイたちのお部屋を紹介していて、みんなレトロな雰囲気の味のある部屋でおしゃれに暮らしていました。 この物件も古さはあれど、しっかり管理されているし、窓から東京タワーが見えてシティど真ん中。やり方次第では自分もシティボーイのような暮らしができるかもと感じて夫と相談して入居を決めました。 それと以前、女優の蒼井優さんご夫婦が築50年のヴィンテージマンションに住んでいる、というニュース記事を読んだのも決め手になりましたね。本当かどうかはわかりませんが(笑)」 内見の際、不動産屋の担当者に「この物件ってヴィンテージマンションですか?」と尋ねたところ「そうとも言えますね」と返されたという。ドアが閉まらない、排水口がクサい…入居直後からトラブル 満を持して新居での生活がスタートしたが、入居から数日で3つほど不具合が発生したという。最初に判明したのが、扉とドア枠のサイズのズレ。玄関からリビングにつながる扉のサイズが合わず、戸を閉めることができないという。「すぐにドアが閉まらないことを管理会社に連絡すると、リフォームで床を張り替えたところ床に厚みが出てしまい、扉が枠にはまらなくなってしまった、と説明されました。『とりあえず、隙間風が寒いので直してほしい』とお願いしているのですが、まだ修理が来ず、2カ月経った今もドアは閉まらないです」 次に桃木さんを悩ませたのが、排水口のニオイだった。「脱衣所にある独立洗面台や、お風呂場の排水口からドブのようなニオイがするというか……。ずっとクサイわけではなく、1日のうちに何度か異臭がします。排水管を掃除する液体洗剤や、消臭剤を流しましたが、なかなかニオイが消えません。これも管理会社の人に相談したところ、古い物件は排水管が古くなっているので修繕が難しいそうです」 現在は、置型の消臭剤を洗面台の下に設置して、脱衣所のニオイをやりすごしているという。入居から一週間後、給湯器が壊れた さらにそれから1週間後、今度は給湯器が壊れてしまった。「元々調子が悪かったのか、私たちが壊したのか不明ですが、ある日、給湯器のリモコンにエラーが表示されてお湯が出なくなったんです。一度電源を切って再起動すれば燃焼モードになるものの、少し経つと再びエラー。入浴中にシャワーから水しか出なくなり、諦めてお風呂の中で体を洗って髪も洗いましたよ。加えて、風呂場の排水口から硫黄のようなニオイも漂ってきたんです」 給湯器の故障はさすがに生活に支障が出る、と感じた桃木さんは管理会社に電話をかけた。すると、連絡した翌日には新しい給湯器に替えてくれたそうだ。「相当古い給湯器だったので、むしろ入居後すぐに取り替えてもらえてラッキーだったかもしれません。ドアの修理はしてもらえていませんが、給湯器はすぐに対応してもらえてよかったです」 入居1カ月目にして、さまざまな住居トラブルに見舞われたが「これも経験」と割り切って生活しているという。 そのほかクレームとはいかないまでも、実際に住んではじめて気づく“古い物件あるある”も多数見つかった、と桃木さん。「窓がやたらと大きいのが気になりますね。カーテンは既製品のものだと幅が足りなかったので、レースカーテンと併用して使っています。風通しはとてもいいのですが『引き違い窓』であることに加えて、窓を開けると網戸も柵もありません。うちには小さい子どもがいるので、窓に近づかないように教えています。高層階に住んでいるので、とくに注意が必要な部分ですね」 入居前にリフォーム業者が張り替えたという床には、かつて使われていた設備が残されているという。「今どき珍しいガスストーブの残骸が床に残されているのも、古さを感じますね。内見のときに、不動産屋さんが『これは床下収納ですね』と言いながら開けてくれたのですが、そこにはガスストーブを接続するための元栓が入っていました。かなり老朽化しているので絶対に使用しないでくれ、と念を押されています」 また、入居前からわかっていたことだが、マンションには光回線が通っておらず、工事もできない仕様になっているという。「この点は、最後まで悩みました。今どきそんなマンションがあるのか、と築50年の実力を感じましたね……。いまのところポケットWi-Fiを使ってネットをつないでいますが、それほど不便は感じていません。なんとかなるものですね」 そのほかにも、壁に神棚があったり、クローゼットの中が押入れ仕様の二段になっていたりと、部屋の端々に歴史と渋さを感じる作りになっている。古さを活かしつつ、落ち着く空間にアップデートしていきたい 短い間にトラブルは続いたものの「生活は気に入っている」と、桃木さんは話す。「大きい窓から東京タワーが見えるし、駅チカだし、とにかく広い。今回の引っ越しで何軒か内見をしましたが、予算オーバーの物件でもこれほど広い部屋はありませんでした。これから5年は住む予定なので、今後はヴィンテージマンションの古さを活かしつつ、落ち着く空間にアップデートしていきたいです」 桃木さんのシティライフははじまったばかりだ。(清談社)
「そのときちょうど、雑誌『POPEYE』(マガジンハウス)でシティボーイの部屋を特集していたんです。特集のタイトル通り、世界中のシティボーイたちのお部屋を紹介していて、みんなレトロな雰囲気の味のある部屋でおしゃれに暮らしていました。
この物件も古さはあれど、しっかり管理されているし、窓から東京タワーが見えてシティど真ん中。やり方次第では自分もシティボーイのような暮らしができるかもと感じて夫と相談して入居を決めました。
それと以前、女優の蒼井優さんご夫婦が築50年のヴィンテージマンションに住んでいる、というニュース記事を読んだのも決め手になりましたね。本当かどうかはわかりませんが(笑)」
内見の際、不動産屋の担当者に「この物件ってヴィンテージマンションですか?」と尋ねたところ「そうとも言えますね」と返されたという。
満を持して新居での生活がスタートしたが、入居から数日で3つほど不具合が発生したという。最初に判明したのが、扉とドア枠のサイズのズレ。玄関からリビングにつながる扉のサイズが合わず、戸を閉めることができないという。
「すぐにドアが閉まらないことを管理会社に連絡すると、リフォームで床を張り替えたところ床に厚みが出てしまい、扉が枠にはまらなくなってしまった、と説明されました。『とりあえず、隙間風が寒いので直してほしい』とお願いしているのですが、まだ修理が来ず、2カ月経った今もドアは閉まらないです」
次に桃木さんを悩ませたのが、排水口のニオイだった。「脱衣所にある独立洗面台や、お風呂場の排水口からドブのようなニオイがするというか……。ずっとクサイわけではなく、1日のうちに何度か異臭がします。排水管を掃除する液体洗剤や、消臭剤を流しましたが、なかなかニオイが消えません。これも管理会社の人に相談したところ、古い物件は排水管が古くなっているので修繕が難しいそうです」 現在は、置型の消臭剤を洗面台の下に設置して、脱衣所のニオイをやりすごしているという。入居から一週間後、給湯器が壊れた さらにそれから1週間後、今度は給湯器が壊れてしまった。「元々調子が悪かったのか、私たちが壊したのか不明ですが、ある日、給湯器のリモコンにエラーが表示されてお湯が出なくなったんです。一度電源を切って再起動すれば燃焼モードになるものの、少し経つと再びエラー。入浴中にシャワーから水しか出なくなり、諦めてお風呂の中で体を洗って髪も洗いましたよ。加えて、風呂場の排水口から硫黄のようなニオイも漂ってきたんです」 給湯器の故障はさすがに生活に支障が出る、と感じた桃木さんは管理会社に電話をかけた。すると、連絡した翌日には新しい給湯器に替えてくれたそうだ。「相当古い給湯器だったので、むしろ入居後すぐに取り替えてもらえてラッキーだったかもしれません。ドアの修理はしてもらえていませんが、給湯器はすぐに対応してもらえてよかったです」 入居1カ月目にして、さまざまな住居トラブルに見舞われたが「これも経験」と割り切って生活しているという。 そのほかクレームとはいかないまでも、実際に住んではじめて気づく“古い物件あるある”も多数見つかった、と桃木さん。「窓がやたらと大きいのが気になりますね。カーテンは既製品のものだと幅が足りなかったので、レースカーテンと併用して使っています。風通しはとてもいいのですが『引き違い窓』であることに加えて、窓を開けると網戸も柵もありません。うちには小さい子どもがいるので、窓に近づかないように教えています。高層階に住んでいるので、とくに注意が必要な部分ですね」 入居前にリフォーム業者が張り替えたという床には、かつて使われていた設備が残されているという。「今どき珍しいガスストーブの残骸が床に残されているのも、古さを感じますね。内見のときに、不動産屋さんが『これは床下収納ですね』と言いながら開けてくれたのですが、そこにはガスストーブを接続するための元栓が入っていました。かなり老朽化しているので絶対に使用しないでくれ、と念を押されています」 また、入居前からわかっていたことだが、マンションには光回線が通っておらず、工事もできない仕様になっているという。「この点は、最後まで悩みました。今どきそんなマンションがあるのか、と築50年の実力を感じましたね……。いまのところポケットWi-Fiを使ってネットをつないでいますが、それほど不便は感じていません。なんとかなるものですね」 そのほかにも、壁に神棚があったり、クローゼットの中が押入れ仕様の二段になっていたりと、部屋の端々に歴史と渋さを感じる作りになっている。古さを活かしつつ、落ち着く空間にアップデートしていきたい 短い間にトラブルは続いたものの「生活は気に入っている」と、桃木さんは話す。「大きい窓から東京タワーが見えるし、駅チカだし、とにかく広い。今回の引っ越しで何軒か内見をしましたが、予算オーバーの物件でもこれほど広い部屋はありませんでした。これから5年は住む予定なので、今後はヴィンテージマンションの古さを活かしつつ、落ち着く空間にアップデートしていきたいです」 桃木さんのシティライフははじまったばかりだ。(清談社)
次に桃木さんを悩ませたのが、排水口のニオイだった。
「脱衣所にある独立洗面台や、お風呂場の排水口からドブのようなニオイがするというか……。ずっとクサイわけではなく、1日のうちに何度か異臭がします。排水管を掃除する液体洗剤や、消臭剤を流しましたが、なかなかニオイが消えません。これも管理会社の人に相談したところ、古い物件は排水管が古くなっているので修繕が難しいそうです」
現在は、置型の消臭剤を洗面台の下に設置して、脱衣所のニオイをやりすごしているという。
入居から一週間後、給湯器が壊れた さらにそれから1週間後、今度は給湯器が壊れてしまった。「元々調子が悪かったのか、私たちが壊したのか不明ですが、ある日、給湯器のリモコンにエラーが表示されてお湯が出なくなったんです。一度電源を切って再起動すれば燃焼モードになるものの、少し経つと再びエラー。入浴中にシャワーから水しか出なくなり、諦めてお風呂の中で体を洗って髪も洗いましたよ。加えて、風呂場の排水口から硫黄のようなニオイも漂ってきたんです」 給湯器の故障はさすがに生活に支障が出る、と感じた桃木さんは管理会社に電話をかけた。すると、連絡した翌日には新しい給湯器に替えてくれたそうだ。「相当古い給湯器だったので、むしろ入居後すぐに取り替えてもらえてラッキーだったかもしれません。ドアの修理はしてもらえていませんが、給湯器はすぐに対応してもらえてよかったです」 入居1カ月目にして、さまざまな住居トラブルに見舞われたが「これも経験」と割り切って生活しているという。 そのほかクレームとはいかないまでも、実際に住んではじめて気づく“古い物件あるある”も多数見つかった、と桃木さん。「窓がやたらと大きいのが気になりますね。カーテンは既製品のものだと幅が足りなかったので、レースカーテンと併用して使っています。風通しはとてもいいのですが『引き違い窓』であることに加えて、窓を開けると網戸も柵もありません。うちには小さい子どもがいるので、窓に近づかないように教えています。高層階に住んでいるので、とくに注意が必要な部分ですね」 入居前にリフォーム業者が張り替えたという床には、かつて使われていた設備が残されているという。「今どき珍しいガスストーブの残骸が床に残されているのも、古さを感じますね。内見のときに、不動産屋さんが『これは床下収納ですね』と言いながら開けてくれたのですが、そこにはガスストーブを接続するための元栓が入っていました。かなり老朽化しているので絶対に使用しないでくれ、と念を押されています」 また、入居前からわかっていたことだが、マンションには光回線が通っておらず、工事もできない仕様になっているという。「この点は、最後まで悩みました。今どきそんなマンションがあるのか、と築50年の実力を感じましたね……。いまのところポケットWi-Fiを使ってネットをつないでいますが、それほど不便は感じていません。なんとかなるものですね」 そのほかにも、壁に神棚があったり、クローゼットの中が押入れ仕様の二段になっていたりと、部屋の端々に歴史と渋さを感じる作りになっている。古さを活かしつつ、落ち着く空間にアップデートしていきたい 短い間にトラブルは続いたものの「生活は気に入っている」と、桃木さんは話す。「大きい窓から東京タワーが見えるし、駅チカだし、とにかく広い。今回の引っ越しで何軒か内見をしましたが、予算オーバーの物件でもこれほど広い部屋はありませんでした。これから5年は住む予定なので、今後はヴィンテージマンションの古さを活かしつつ、落ち着く空間にアップデートしていきたいです」 桃木さんのシティライフははじまったばかりだ。(清談社)
さらにそれから1週間後、今度は給湯器が壊れてしまった。
「元々調子が悪かったのか、私たちが壊したのか不明ですが、ある日、給湯器のリモコンにエラーが表示されてお湯が出なくなったんです。一度電源を切って再起動すれば燃焼モードになるものの、少し経つと再びエラー。入浴中にシャワーから水しか出なくなり、諦めてお風呂の中で体を洗って髪も洗いましたよ。加えて、風呂場の排水口から硫黄のようなニオイも漂ってきたんです」
給湯器の故障はさすがに生活に支障が出る、と感じた桃木さんは管理会社に電話をかけた。すると、連絡した翌日には新しい給湯器に替えてくれたそうだ。
「相当古い給湯器だったので、むしろ入居後すぐに取り替えてもらえてラッキーだったかもしれません。ドアの修理はしてもらえていませんが、給湯器はすぐに対応してもらえてよかったです」
入居1カ月目にして、さまざまな住居トラブルに見舞われたが「これも経験」と割り切って生活しているという。
そのほかクレームとはいかないまでも、実際に住んではじめて気づく“古い物件あるある”も多数見つかった、と桃木さん。
「窓がやたらと大きいのが気になりますね。カーテンは既製品のものだと幅が足りなかったので、レースカーテンと併用して使っています。風通しはとてもいいのですが『引き違い窓』であることに加えて、窓を開けると網戸も柵もありません。うちには小さい子どもがいるので、窓に近づかないように教えています。高層階に住んでいるので、とくに注意が必要な部分ですね」
入居前にリフォーム業者が張り替えたという床には、かつて使われていた設備が残されているという。「今どき珍しいガスストーブの残骸が床に残されているのも、古さを感じますね。内見のときに、不動産屋さんが『これは床下収納ですね』と言いながら開けてくれたのですが、そこにはガスストーブを接続するための元栓が入っていました。かなり老朽化しているので絶対に使用しないでくれ、と念を押されています」 また、入居前からわかっていたことだが、マンションには光回線が通っておらず、工事もできない仕様になっているという。「この点は、最後まで悩みました。今どきそんなマンションがあるのか、と築50年の実力を感じましたね……。いまのところポケットWi-Fiを使ってネットをつないでいますが、それほど不便は感じていません。なんとかなるものですね」 そのほかにも、壁に神棚があったり、クローゼットの中が押入れ仕様の二段になっていたりと、部屋の端々に歴史と渋さを感じる作りになっている。古さを活かしつつ、落ち着く空間にアップデートしていきたい 短い間にトラブルは続いたものの「生活は気に入っている」と、桃木さんは話す。「大きい窓から東京タワーが見えるし、駅チカだし、とにかく広い。今回の引っ越しで何軒か内見をしましたが、予算オーバーの物件でもこれほど広い部屋はありませんでした。これから5年は住む予定なので、今後はヴィンテージマンションの古さを活かしつつ、落ち着く空間にアップデートしていきたいです」 桃木さんのシティライフははじまったばかりだ。(清談社)
入居前にリフォーム業者が張り替えたという床には、かつて使われていた設備が残されているという。
「今どき珍しいガスストーブの残骸が床に残されているのも、古さを感じますね。内見のときに、不動産屋さんが『これは床下収納ですね』と言いながら開けてくれたのですが、そこにはガスストーブを接続するための元栓が入っていました。かなり老朽化しているので絶対に使用しないでくれ、と念を押されています」
また、入居前からわかっていたことだが、マンションには光回線が通っておらず、工事もできない仕様になっているという。「この点は、最後まで悩みました。今どきそんなマンションがあるのか、と築50年の実力を感じましたね……。いまのところポケットWi-Fiを使ってネットをつないでいますが、それほど不便は感じていません。なんとかなるものですね」 そのほかにも、壁に神棚があったり、クローゼットの中が押入れ仕様の二段になっていたりと、部屋の端々に歴史と渋さを感じる作りになっている。古さを活かしつつ、落ち着く空間にアップデートしていきたい 短い間にトラブルは続いたものの「生活は気に入っている」と、桃木さんは話す。「大きい窓から東京タワーが見えるし、駅チカだし、とにかく広い。今回の引っ越しで何軒か内見をしましたが、予算オーバーの物件でもこれほど広い部屋はありませんでした。これから5年は住む予定なので、今後はヴィンテージマンションの古さを活かしつつ、落ち着く空間にアップデートしていきたいです」 桃木さんのシティライフははじまったばかりだ。(清談社)
また、入居前からわかっていたことだが、マンションには光回線が通っておらず、工事もできない仕様になっているという。「この点は、最後まで悩みました。今どきそんなマンションがあるのか、と築50年の実力を感じましたね……。いまのところポケットWi-Fiを使ってネットをつないでいますが、それほど不便は感じていません。なんとかなるものですね」 そのほかにも、壁に神棚があったり、クローゼットの中が押入れ仕様の二段になっていたりと、部屋の端々に歴史と渋さを感じる作りになっている。古さを活かしつつ、落ち着く空間にアップデートしていきたい 短い間にトラブルは続いたものの「生活は気に入っている」と、桃木さんは話す。「大きい窓から東京タワーが見えるし、駅チカだし、とにかく広い。今回の引っ越しで何軒か内見をしましたが、予算オーバーの物件でもこれほど広い部屋はありませんでした。これから5年は住む予定なので、今後はヴィンテージマンションの古さを活かしつつ、落ち着く空間にアップデートしていきたいです」 桃木さんのシティライフははじまったばかりだ。(清談社)
また、入居前からわかっていたことだが、マンションには光回線が通っておらず、工事もできない仕様になっているという。
「この点は、最後まで悩みました。今どきそんなマンションがあるのか、と築50年の実力を感じましたね……。いまのところポケットWi-Fiを使ってネットをつないでいますが、それほど不便は感じていません。なんとかなるものですね」
そのほかにも、壁に神棚があったり、クローゼットの中が押入れ仕様の二段になっていたりと、部屋の端々に歴史と渋さを感じる作りになっている。古さを活かしつつ、落ち着く空間にアップデートしていきたい 短い間にトラブルは続いたものの「生活は気に入っている」と、桃木さんは話す。「大きい窓から東京タワーが見えるし、駅チカだし、とにかく広い。今回の引っ越しで何軒か内見をしましたが、予算オーバーの物件でもこれほど広い部屋はありませんでした。これから5年は住む予定なので、今後はヴィンテージマンションの古さを活かしつつ、落ち着く空間にアップデートしていきたいです」 桃木さんのシティライフははじまったばかりだ。(清談社)
そのほかにも、壁に神棚があったり、クローゼットの中が押入れ仕様の二段になっていたりと、部屋の端々に歴史と渋さを感じる作りになっている。
古さを活かしつつ、落ち着く空間にアップデートしていきたい 短い間にトラブルは続いたものの「生活は気に入っている」と、桃木さんは話す。「大きい窓から東京タワーが見えるし、駅チカだし、とにかく広い。今回の引っ越しで何軒か内見をしましたが、予算オーバーの物件でもこれほど広い部屋はありませんでした。これから5年は住む予定なので、今後はヴィンテージマンションの古さを活かしつつ、落ち着く空間にアップデートしていきたいです」 桃木さんのシティライフははじまったばかりだ。(清談社)
短い間にトラブルは続いたものの「生活は気に入っている」と、桃木さんは話す。
「大きい窓から東京タワーが見えるし、駅チカだし、とにかく広い。今回の引っ越しで何軒か内見をしましたが、予算オーバーの物件でもこれほど広い部屋はありませんでした。これから5年は住む予定なので、今後はヴィンテージマンションの古さを活かしつつ、落ち着く空間にアップデートしていきたいです」
桃木さんのシティライフははじまったばかりだ。
(清談社)

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