大谷でも、ダルビッシュでも、村神様でもなく…WBCで一番知名度を上げた「ヌートバーゆかりの地」で起きた“炎上騒動”その一部始終

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街中のいたるところに“ラーズ・ヌートバー選手”と書かれた幟が立ち、商店のウィンドウには同選手の顔写真がプリントされたポスターが貼られている。そんな景色が広がるのは埼玉県東松山市。WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で活躍したヌートバー選手ゆかりの地だ。
【画像】駅の改札を出るとすぐにヌートバー地元商店街はSNSて猛アヒール「東松山市はヌートバー選手のお母さん、久美子さんの出身地です。久美子さんのお父さんである達治さんは地元の市議会議員も務めた名士。市はWBCの盛り上がりを少しでも町の活性化につなげようと躍起になっています。ただ、盛り上がりの一方でヌートバー選手の肖像権を心配する声が上がったり、転売屋が現れたり、順調とは言えない状況のようです」(東松山市民)

日本中が燃え上がったWBCの残り火は、妙なくすぶりかたをしていた――。ペッパーミル・パフォーマンスも話題 知名度爆上げのヌートバー選手 ラーズ・ヌートバー選手はアメリカのカリフォルニアの生まれ。現在MLBのカージナルスに所属している。つい2カ月前までの日本人は名前すら知らなかったその選手が、いまやそこらのプロ野球選手をしのぐ有名人になった。「大谷翔平選手やダルビッシュ有選手といった大スターと違い、大会の前後で最も人気が高騰したのは間違いなくヌートバー選手でしょう。国籍はアメリカながら、母親が日本国籍を持っているため代表に選ばれ、WBC初となる日系人の代表選手になりました。チームへの貢献はもちろん、特に彼の愛嬌のあるしぐさが日本ファンの心をつかみました」(スポーツ紙記者) 特に日本中を席巻したのは、ヒットを打ったあとに見せる胡椒を挽くようなしぐさ。ヌートバーが持ち込んだこのペッパーミル・パフォーマンスは代表チームにあっという間に浸透し、メンバーたちに強い結束をもたらした。優勝の原動力のひとつといっても言い過ぎではないかもしれない。 だが日本代表とはいえ、ヌートバーは生まれも育ちも海の向こう。本人と日本の縁はそれほど深くない。埼玉県の中部に位置する東松山市。母の久美子さんの出身地であるこの街だけが、ヌートバーと日本をつなぐ唯一重大な絆と言えるかもしれない。ヌートバーが活躍するほど熱く燃えた“ゆかりの地”東松山 大会日程が進み、代表チームが勝ちを重ねるにつれ、小さな街は一躍その名を全国に広めていった。ヌートバーが活躍すればするほど、東松山の街も熱く燃えた。駅のホームには活躍をたたえるポスターがでかでかと貼りだされている。地元の熱狂ぶりをタクシー運転手は語る。「うちの社長が久美子さんの小学校の同級生だから、つい最近まで車体のうしろにヌートバーの写真を貼っていたよ。予選でヌートバーが活躍しだしてからにわかに町が活気づいてね。久美子さんの親父さん、達治さんが市議会議員を務めていたからといって、市役所には親父さんの写真を展示してたりしていたね。東松山なんてあまり知られていなかったのに、一気に有名になって観光客も増えたんじゃないかな」 東松山駅から出ると、すぐにWBC優勝を祝う幟が並ぶ通りが見える。街中には、地元高校の書道部が書いたメッセージが掲示されるスペースが設けられ、いたるところに“ヌートバー・フィーバー”の名残が今でも感じられる。行政も町おこしに乗り出し、市役所にはメッセージのボードも 行政もこれを機に町おこしを、と考えているのだろう。市役所にはメッセージカードを貼り付けたボードが今もなお設置され、庁舎をつなぐ渡り廊下にも侍ジャパンの優勝をたたえるメッセージが掲げられていた。市内の商店会では「プレゼント用のエコバッグ」を作成 市内の「まるひろ通り商店会」では、ヌートバー選手の活躍にあやかった商品を開発し、購入者には特別なエコバッグをプレゼントするというキャンペーンを行っていた。その様子はスポーツ紙などで取り上げられ、多くのファンがエコバッグ目当てに押し寄せたという。布団屋を営む商店会副会長はその効果をこう語る。「商店会のみんなでアイディアを出し合ってポスターとかエコバッグを考えました。おかげで多くのファンが訪れてくれました。エコバッグも100個しか作らなかったので、すぐになくなってしまいました。もちろん、ご実家の方にはしっかり仁義をきっています」 流石、栗山英樹監督をして「みんなが好きになる」と言わしめたヌートバー選手。その集客力もホームラン級のようだ。しかし、このお祭り騒ぎはやや過熱する。商店会に名を連ねるある専門店の店主はこう告白する。「実は、“ヌートバー選手フェア”の達治さんへの報告は事後報告だったんです。当初はこれくらい大丈夫だろうと思って始めたのですが、報道されてから予想以上に盛り上がってしまい、慌ててご親族に説明にうかがいました。ところが見立てが甘かったせいで、今度はネットで炎上してしまって……」商店会の様子に「肖像権は問題ないのか」という指摘も ヌートバーの人気にあやかった商店会の様子は、優勝直後からスポーツ紙やネットニュースで大々的に報じられた。そこには選手の写真を使ったポスターやエコバッグに対し、「肖像権は問題ないのか」といった権利問題を指摘するコメントが多く寄せられた。「エコバッグはまずかったと思います……。ヌートバー選手は本国で自分の名前を商標登録しているようなのですが、それも指摘されるまで知りませんでした。エコバッグはすぐに配布をやめましたが、ネットの記事を見た人たちが商店会のメンバーに電話で苦情を入れることもあったようです」(同前) 前出の商店会副会長にエコバッグのトラブルについて聞くと、確かに実家が難色を示したことがあったという。配布したエコバッグがメルカリなどで転売されたことが問題になったようだ。「エコバッグが転売されたことが分かった時は、商店会からあらためてご実家に説明をしました。さすがに転売についてはいい気分ではなかったと思います。市内の神社で数量限定で出していた絵馬も転売されていると言いますし、困ったものです」「再開する時は専門家に監修してもらって…」 チャンスとばかりにWBCの盛り上がりに乗っかった東松山市であるが、いささか勇み足が過ぎたようだ。地元住民が語る。「ヌートバー選手はアメリカ生まれのアメリカ育ち。正直言えば、ほとんど東松山市とは関係がない。それなのに、ファンが毎日のように聖地巡礼としてご実家近くに現れて写真を撮ったり、マスコミが久美子さんに繋がろうと押し寄せて迷惑しているようです。ご家族は商店会のお祭り騒ぎも、自分たちのあずかり知らぬところで孫の活躍に便乗しているようで快く思っていないんじゃないでしょうか」 目に入れても痛くない孫の活躍が皮肉にも地元を狂わせた。ヌートバー・フィーバーの聖地になっているという久美子さんの実家を訪ねたが、「取材には応えられません」という返答だった。 “ヌートバー選手フェア”の今後について、前出の店主は肩を落とした。「実はポスターの掲示も3月31日限りでやめることになっているんです。再開する時は専門家に監修してもらってから、と考えています」(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
地元商店街はSNSて猛アヒール
「東松山市はヌートバー選手のお母さん、久美子さんの出身地です。久美子さんのお父さんである達治さんは地元の市議会議員も務めた名士。市はWBCの盛り上がりを少しでも町の活性化につなげようと躍起になっています。ただ、盛り上がりの一方でヌートバー選手の肖像権を心配する声が上がったり、転売屋が現れたり、順調とは言えない状況のようです」(東松山市民)

日本中が燃え上がったWBCの残り火は、妙なくすぶりかたをしていた――。ペッパーミル・パフォーマンスも話題 知名度爆上げのヌートバー選手 ラーズ・ヌートバー選手はアメリカのカリフォルニアの生まれ。現在MLBのカージナルスに所属している。つい2カ月前までの日本人は名前すら知らなかったその選手が、いまやそこらのプロ野球選手をしのぐ有名人になった。「大谷翔平選手やダルビッシュ有選手といった大スターと違い、大会の前後で最も人気が高騰したのは間違いなくヌートバー選手でしょう。国籍はアメリカながら、母親が日本国籍を持っているため代表に選ばれ、WBC初となる日系人の代表選手になりました。チームへの貢献はもちろん、特に彼の愛嬌のあるしぐさが日本ファンの心をつかみました」(スポーツ紙記者) 特に日本中を席巻したのは、ヒットを打ったあとに見せる胡椒を挽くようなしぐさ。ヌートバーが持ち込んだこのペッパーミル・パフォーマンスは代表チームにあっという間に浸透し、メンバーたちに強い結束をもたらした。優勝の原動力のひとつといっても言い過ぎではないかもしれない。 だが日本代表とはいえ、ヌートバーは生まれも育ちも海の向こう。本人と日本の縁はそれほど深くない。埼玉県の中部に位置する東松山市。母の久美子さんの出身地であるこの街だけが、ヌートバーと日本をつなぐ唯一重大な絆と言えるかもしれない。ヌートバーが活躍するほど熱く燃えた“ゆかりの地”東松山 大会日程が進み、代表チームが勝ちを重ねるにつれ、小さな街は一躍その名を全国に広めていった。ヌートバーが活躍すればするほど、東松山の街も熱く燃えた。駅のホームには活躍をたたえるポスターがでかでかと貼りだされている。地元の熱狂ぶりをタクシー運転手は語る。「うちの社長が久美子さんの小学校の同級生だから、つい最近まで車体のうしろにヌートバーの写真を貼っていたよ。予選でヌートバーが活躍しだしてからにわかに町が活気づいてね。久美子さんの親父さん、達治さんが市議会議員を務めていたからといって、市役所には親父さんの写真を展示してたりしていたね。東松山なんてあまり知られていなかったのに、一気に有名になって観光客も増えたんじゃないかな」 東松山駅から出ると、すぐにWBC優勝を祝う幟が並ぶ通りが見える。街中には、地元高校の書道部が書いたメッセージが掲示されるスペースが設けられ、いたるところに“ヌートバー・フィーバー”の名残が今でも感じられる。行政も町おこしに乗り出し、市役所にはメッセージのボードも 行政もこれを機に町おこしを、と考えているのだろう。市役所にはメッセージカードを貼り付けたボードが今もなお設置され、庁舎をつなぐ渡り廊下にも侍ジャパンの優勝をたたえるメッセージが掲げられていた。市内の商店会では「プレゼント用のエコバッグ」を作成 市内の「まるひろ通り商店会」では、ヌートバー選手の活躍にあやかった商品を開発し、購入者には特別なエコバッグをプレゼントするというキャンペーンを行っていた。その様子はスポーツ紙などで取り上げられ、多くのファンがエコバッグ目当てに押し寄せたという。布団屋を営む商店会副会長はその効果をこう語る。「商店会のみんなでアイディアを出し合ってポスターとかエコバッグを考えました。おかげで多くのファンが訪れてくれました。エコバッグも100個しか作らなかったので、すぐになくなってしまいました。もちろん、ご実家の方にはしっかり仁義をきっています」 流石、栗山英樹監督をして「みんなが好きになる」と言わしめたヌートバー選手。その集客力もホームラン級のようだ。しかし、このお祭り騒ぎはやや過熱する。商店会に名を連ねるある専門店の店主はこう告白する。「実は、“ヌートバー選手フェア”の達治さんへの報告は事後報告だったんです。当初はこれくらい大丈夫だろうと思って始めたのですが、報道されてから予想以上に盛り上がってしまい、慌ててご親族に説明にうかがいました。ところが見立てが甘かったせいで、今度はネットで炎上してしまって……」商店会の様子に「肖像権は問題ないのか」という指摘も ヌートバーの人気にあやかった商店会の様子は、優勝直後からスポーツ紙やネットニュースで大々的に報じられた。そこには選手の写真を使ったポスターやエコバッグに対し、「肖像権は問題ないのか」といった権利問題を指摘するコメントが多く寄せられた。「エコバッグはまずかったと思います……。ヌートバー選手は本国で自分の名前を商標登録しているようなのですが、それも指摘されるまで知りませんでした。エコバッグはすぐに配布をやめましたが、ネットの記事を見た人たちが商店会のメンバーに電話で苦情を入れることもあったようです」(同前) 前出の商店会副会長にエコバッグのトラブルについて聞くと、確かに実家が難色を示したことがあったという。配布したエコバッグがメルカリなどで転売されたことが問題になったようだ。「エコバッグが転売されたことが分かった時は、商店会からあらためてご実家に説明をしました。さすがに転売についてはいい気分ではなかったと思います。市内の神社で数量限定で出していた絵馬も転売されていると言いますし、困ったものです」「再開する時は専門家に監修してもらって…」 チャンスとばかりにWBCの盛り上がりに乗っかった東松山市であるが、いささか勇み足が過ぎたようだ。地元住民が語る。「ヌートバー選手はアメリカ生まれのアメリカ育ち。正直言えば、ほとんど東松山市とは関係がない。それなのに、ファンが毎日のように聖地巡礼としてご実家近くに現れて写真を撮ったり、マスコミが久美子さんに繋がろうと押し寄せて迷惑しているようです。ご家族は商店会のお祭り騒ぎも、自分たちのあずかり知らぬところで孫の活躍に便乗しているようで快く思っていないんじゃないでしょうか」 目に入れても痛くない孫の活躍が皮肉にも地元を狂わせた。ヌートバー・フィーバーの聖地になっているという久美子さんの実家を訪ねたが、「取材には応えられません」という返答だった。 “ヌートバー選手フェア”の今後について、前出の店主は肩を落とした。「実はポスターの掲示も3月31日限りでやめることになっているんです。再開する時は専門家に監修してもらってから、と考えています」(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
「東松山市はヌートバー選手のお母さん、久美子さんの出身地です。久美子さんのお父さんである達治さんは地元の市議会議員も務めた名士。市はWBCの盛り上がりを少しでも町の活性化につなげようと躍起になっています。ただ、盛り上がりの一方でヌートバー選手の肖像権を心配する声が上がったり、転売屋が現れたり、順調とは言えない状況のようです」(東松山市民)
日本中が燃え上がったWBCの残り火は、妙なくすぶりかたをしていた――。
ラーズ・ヌートバー選手はアメリカのカリフォルニアの生まれ。現在MLBのカージナルスに所属している。つい2カ月前までの日本人は名前すら知らなかったその選手が、いまやそこらのプロ野球選手をしのぐ有名人になった。
「大谷翔平選手やダルビッシュ有選手といった大スターと違い、大会の前後で最も人気が高騰したのは間違いなくヌートバー選手でしょう。国籍はアメリカながら、母親が日本国籍を持っているため代表に選ばれ、WBC初となる日系人の代表選手になりました。チームへの貢献はもちろん、特に彼の愛嬌のあるしぐさが日本ファンの心をつかみました」(スポーツ紙記者)
特に日本中を席巻したのは、ヒットを打ったあとに見せる胡椒を挽くようなしぐさ。ヌートバーが持ち込んだこのペッパーミル・パフォーマンスは代表チームにあっという間に浸透し、メンバーたちに強い結束をもたらした。優勝の原動力のひとつといっても言い過ぎではないかもしれない。 だが日本代表とはいえ、ヌートバーは生まれも育ちも海の向こう。本人と日本の縁はそれほど深くない。埼玉県の中部に位置する東松山市。母の久美子さんの出身地であるこの街だけが、ヌートバーと日本をつなぐ唯一重大な絆と言えるかもしれない。ヌートバーが活躍するほど熱く燃えた“ゆかりの地”東松山 大会日程が進み、代表チームが勝ちを重ねるにつれ、小さな街は一躍その名を全国に広めていった。ヌートバーが活躍すればするほど、東松山の街も熱く燃えた。駅のホームには活躍をたたえるポスターがでかでかと貼りだされている。地元の熱狂ぶりをタクシー運転手は語る。「うちの社長が久美子さんの小学校の同級生だから、つい最近まで車体のうしろにヌートバーの写真を貼っていたよ。予選でヌートバーが活躍しだしてからにわかに町が活気づいてね。久美子さんの親父さん、達治さんが市議会議員を務めていたからといって、市役所には親父さんの写真を展示してたりしていたね。東松山なんてあまり知られていなかったのに、一気に有名になって観光客も増えたんじゃないかな」 東松山駅から出ると、すぐにWBC優勝を祝う幟が並ぶ通りが見える。街中には、地元高校の書道部が書いたメッセージが掲示されるスペースが設けられ、いたるところに“ヌートバー・フィーバー”の名残が今でも感じられる。行政も町おこしに乗り出し、市役所にはメッセージのボードも 行政もこれを機に町おこしを、と考えているのだろう。市役所にはメッセージカードを貼り付けたボードが今もなお設置され、庁舎をつなぐ渡り廊下にも侍ジャパンの優勝をたたえるメッセージが掲げられていた。市内の商店会では「プレゼント用のエコバッグ」を作成 市内の「まるひろ通り商店会」では、ヌートバー選手の活躍にあやかった商品を開発し、購入者には特別なエコバッグをプレゼントするというキャンペーンを行っていた。その様子はスポーツ紙などで取り上げられ、多くのファンがエコバッグ目当てに押し寄せたという。布団屋を営む商店会副会長はその効果をこう語る。「商店会のみんなでアイディアを出し合ってポスターとかエコバッグを考えました。おかげで多くのファンが訪れてくれました。エコバッグも100個しか作らなかったので、すぐになくなってしまいました。もちろん、ご実家の方にはしっかり仁義をきっています」 流石、栗山英樹監督をして「みんなが好きになる」と言わしめたヌートバー選手。その集客力もホームラン級のようだ。しかし、このお祭り騒ぎはやや過熱する。商店会に名を連ねるある専門店の店主はこう告白する。「実は、“ヌートバー選手フェア”の達治さんへの報告は事後報告だったんです。当初はこれくらい大丈夫だろうと思って始めたのですが、報道されてから予想以上に盛り上がってしまい、慌ててご親族に説明にうかがいました。ところが見立てが甘かったせいで、今度はネットで炎上してしまって……」商店会の様子に「肖像権は問題ないのか」という指摘も ヌートバーの人気にあやかった商店会の様子は、優勝直後からスポーツ紙やネットニュースで大々的に報じられた。そこには選手の写真を使ったポスターやエコバッグに対し、「肖像権は問題ないのか」といった権利問題を指摘するコメントが多く寄せられた。「エコバッグはまずかったと思います……。ヌートバー選手は本国で自分の名前を商標登録しているようなのですが、それも指摘されるまで知りませんでした。エコバッグはすぐに配布をやめましたが、ネットの記事を見た人たちが商店会のメンバーに電話で苦情を入れることもあったようです」(同前) 前出の商店会副会長にエコバッグのトラブルについて聞くと、確かに実家が難色を示したことがあったという。配布したエコバッグがメルカリなどで転売されたことが問題になったようだ。「エコバッグが転売されたことが分かった時は、商店会からあらためてご実家に説明をしました。さすがに転売についてはいい気分ではなかったと思います。市内の神社で数量限定で出していた絵馬も転売されていると言いますし、困ったものです」「再開する時は専門家に監修してもらって…」 チャンスとばかりにWBCの盛り上がりに乗っかった東松山市であるが、いささか勇み足が過ぎたようだ。地元住民が語る。「ヌートバー選手はアメリカ生まれのアメリカ育ち。正直言えば、ほとんど東松山市とは関係がない。それなのに、ファンが毎日のように聖地巡礼としてご実家近くに現れて写真を撮ったり、マスコミが久美子さんに繋がろうと押し寄せて迷惑しているようです。ご家族は商店会のお祭り騒ぎも、自分たちのあずかり知らぬところで孫の活躍に便乗しているようで快く思っていないんじゃないでしょうか」 目に入れても痛くない孫の活躍が皮肉にも地元を狂わせた。ヌートバー・フィーバーの聖地になっているという久美子さんの実家を訪ねたが、「取材には応えられません」という返答だった。 “ヌートバー選手フェア”の今後について、前出の店主は肩を落とした。「実はポスターの掲示も3月31日限りでやめることになっているんです。再開する時は専門家に監修してもらってから、と考えています」(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
特に日本中を席巻したのは、ヒットを打ったあとに見せる胡椒を挽くようなしぐさ。ヌートバーが持ち込んだこのペッパーミル・パフォーマンスは代表チームにあっという間に浸透し、メンバーたちに強い結束をもたらした。優勝の原動力のひとつといっても言い過ぎではないかもしれない。
だが日本代表とはいえ、ヌートバーは生まれも育ちも海の向こう。本人と日本の縁はそれほど深くない。埼玉県の中部に位置する東松山市。母の久美子さんの出身地であるこの街だけが、ヌートバーと日本をつなぐ唯一重大な絆と言えるかもしれない。
大会日程が進み、代表チームが勝ちを重ねるにつれ、小さな街は一躍その名を全国に広めていった。ヌートバーが活躍すればするほど、東松山の街も熱く燃えた。駅のホームには活躍をたたえるポスターがでかでかと貼りだされている。地元の熱狂ぶりをタクシー運転手は語る。
「うちの社長が久美子さんの小学校の同級生だから、つい最近まで車体のうしろにヌートバーの写真を貼っていたよ。予選でヌートバーが活躍しだしてからにわかに町が活気づいてね。久美子さんの親父さん、達治さんが市議会議員を務めていたからといって、市役所には親父さんの写真を展示してたりしていたね。東松山なんてあまり知られていなかったのに、一気に有名になって観光客も増えたんじゃないかな」
東松山駅から出ると、すぐにWBC優勝を祝う幟が並ぶ通りが見える。街中には、地元高校の書道部が書いたメッセージが掲示されるスペースが設けられ、いたるところに“ヌートバー・フィーバー”の名残が今でも感じられる。行政も町おこしに乗り出し、市役所にはメッセージのボードも 行政もこれを機に町おこしを、と考えているのだろう。市役所にはメッセージカードを貼り付けたボードが今もなお設置され、庁舎をつなぐ渡り廊下にも侍ジャパンの優勝をたたえるメッセージが掲げられていた。市内の商店会では「プレゼント用のエコバッグ」を作成 市内の「まるひろ通り商店会」では、ヌートバー選手の活躍にあやかった商品を開発し、購入者には特別なエコバッグをプレゼントするというキャンペーンを行っていた。その様子はスポーツ紙などで取り上げられ、多くのファンがエコバッグ目当てに押し寄せたという。布団屋を営む商店会副会長はその効果をこう語る。「商店会のみんなでアイディアを出し合ってポスターとかエコバッグを考えました。おかげで多くのファンが訪れてくれました。エコバッグも100個しか作らなかったので、すぐになくなってしまいました。もちろん、ご実家の方にはしっかり仁義をきっています」 流石、栗山英樹監督をして「みんなが好きになる」と言わしめたヌートバー選手。その集客力もホームラン級のようだ。しかし、このお祭り騒ぎはやや過熱する。商店会に名を連ねるある専門店の店主はこう告白する。「実は、“ヌートバー選手フェア”の達治さんへの報告は事後報告だったんです。当初はこれくらい大丈夫だろうと思って始めたのですが、報道されてから予想以上に盛り上がってしまい、慌ててご親族に説明にうかがいました。ところが見立てが甘かったせいで、今度はネットで炎上してしまって……」商店会の様子に「肖像権は問題ないのか」という指摘も ヌートバーの人気にあやかった商店会の様子は、優勝直後からスポーツ紙やネットニュースで大々的に報じられた。そこには選手の写真を使ったポスターやエコバッグに対し、「肖像権は問題ないのか」といった権利問題を指摘するコメントが多く寄せられた。「エコバッグはまずかったと思います……。ヌートバー選手は本国で自分の名前を商標登録しているようなのですが、それも指摘されるまで知りませんでした。エコバッグはすぐに配布をやめましたが、ネットの記事を見た人たちが商店会のメンバーに電話で苦情を入れることもあったようです」(同前) 前出の商店会副会長にエコバッグのトラブルについて聞くと、確かに実家が難色を示したことがあったという。配布したエコバッグがメルカリなどで転売されたことが問題になったようだ。「エコバッグが転売されたことが分かった時は、商店会からあらためてご実家に説明をしました。さすがに転売についてはいい気分ではなかったと思います。市内の神社で数量限定で出していた絵馬も転売されていると言いますし、困ったものです」「再開する時は専門家に監修してもらって…」 チャンスとばかりにWBCの盛り上がりに乗っかった東松山市であるが、いささか勇み足が過ぎたようだ。地元住民が語る。「ヌートバー選手はアメリカ生まれのアメリカ育ち。正直言えば、ほとんど東松山市とは関係がない。それなのに、ファンが毎日のように聖地巡礼としてご実家近くに現れて写真を撮ったり、マスコミが久美子さんに繋がろうと押し寄せて迷惑しているようです。ご家族は商店会のお祭り騒ぎも、自分たちのあずかり知らぬところで孫の活躍に便乗しているようで快く思っていないんじゃないでしょうか」 目に入れても痛くない孫の活躍が皮肉にも地元を狂わせた。ヌートバー・フィーバーの聖地になっているという久美子さんの実家を訪ねたが、「取材には応えられません」という返答だった。 “ヌートバー選手フェア”の今後について、前出の店主は肩を落とした。「実はポスターの掲示も3月31日限りでやめることになっているんです。再開する時は専門家に監修してもらってから、と考えています」(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
東松山駅から出ると、すぐにWBC優勝を祝う幟が並ぶ通りが見える。街中には、地元高校の書道部が書いたメッセージが掲示されるスペースが設けられ、いたるところに“ヌートバー・フィーバー”の名残が今でも感じられる。
行政も町おこしに乗り出し、市役所にはメッセージのボードも 行政もこれを機に町おこしを、と考えているのだろう。市役所にはメッセージカードを貼り付けたボードが今もなお設置され、庁舎をつなぐ渡り廊下にも侍ジャパンの優勝をたたえるメッセージが掲げられていた。市内の商店会では「プレゼント用のエコバッグ」を作成 市内の「まるひろ通り商店会」では、ヌートバー選手の活躍にあやかった商品を開発し、購入者には特別なエコバッグをプレゼントするというキャンペーンを行っていた。その様子はスポーツ紙などで取り上げられ、多くのファンがエコバッグ目当てに押し寄せたという。布団屋を営む商店会副会長はその効果をこう語る。「商店会のみんなでアイディアを出し合ってポスターとかエコバッグを考えました。おかげで多くのファンが訪れてくれました。エコバッグも100個しか作らなかったので、すぐになくなってしまいました。もちろん、ご実家の方にはしっかり仁義をきっています」 流石、栗山英樹監督をして「みんなが好きになる」と言わしめたヌートバー選手。その集客力もホームラン級のようだ。しかし、このお祭り騒ぎはやや過熱する。商店会に名を連ねるある専門店の店主はこう告白する。「実は、“ヌートバー選手フェア”の達治さんへの報告は事後報告だったんです。当初はこれくらい大丈夫だろうと思って始めたのですが、報道されてから予想以上に盛り上がってしまい、慌ててご親族に説明にうかがいました。ところが見立てが甘かったせいで、今度はネットで炎上してしまって……」商店会の様子に「肖像権は問題ないのか」という指摘も ヌートバーの人気にあやかった商店会の様子は、優勝直後からスポーツ紙やネットニュースで大々的に報じられた。そこには選手の写真を使ったポスターやエコバッグに対し、「肖像権は問題ないのか」といった権利問題を指摘するコメントが多く寄せられた。「エコバッグはまずかったと思います……。ヌートバー選手は本国で自分の名前を商標登録しているようなのですが、それも指摘されるまで知りませんでした。エコバッグはすぐに配布をやめましたが、ネットの記事を見た人たちが商店会のメンバーに電話で苦情を入れることもあったようです」(同前) 前出の商店会副会長にエコバッグのトラブルについて聞くと、確かに実家が難色を示したことがあったという。配布したエコバッグがメルカリなどで転売されたことが問題になったようだ。「エコバッグが転売されたことが分かった時は、商店会からあらためてご実家に説明をしました。さすがに転売についてはいい気分ではなかったと思います。市内の神社で数量限定で出していた絵馬も転売されていると言いますし、困ったものです」「再開する時は専門家に監修してもらって…」 チャンスとばかりにWBCの盛り上がりに乗っかった東松山市であるが、いささか勇み足が過ぎたようだ。地元住民が語る。「ヌートバー選手はアメリカ生まれのアメリカ育ち。正直言えば、ほとんど東松山市とは関係がない。それなのに、ファンが毎日のように聖地巡礼としてご実家近くに現れて写真を撮ったり、マスコミが久美子さんに繋がろうと押し寄せて迷惑しているようです。ご家族は商店会のお祭り騒ぎも、自分たちのあずかり知らぬところで孫の活躍に便乗しているようで快く思っていないんじゃないでしょうか」 目に入れても痛くない孫の活躍が皮肉にも地元を狂わせた。ヌートバー・フィーバーの聖地になっているという久美子さんの実家を訪ねたが、「取材には応えられません」という返答だった。 “ヌートバー選手フェア”の今後について、前出の店主は肩を落とした。「実はポスターの掲示も3月31日限りでやめることになっているんです。再開する時は専門家に監修してもらってから、と考えています」(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
行政も町おこしに乗り出し、市役所にはメッセージのボードも 行政もこれを機に町おこしを、と考えているのだろう。市役所にはメッセージカードを貼り付けたボードが今もなお設置され、庁舎をつなぐ渡り廊下にも侍ジャパンの優勝をたたえるメッセージが掲げられていた。市内の商店会では「プレゼント用のエコバッグ」を作成 市内の「まるひろ通り商店会」では、ヌートバー選手の活躍にあやかった商品を開発し、購入者には特別なエコバッグをプレゼントするというキャンペーンを行っていた。その様子はスポーツ紙などで取り上げられ、多くのファンがエコバッグ目当てに押し寄せたという。布団屋を営む商店会副会長はその効果をこう語る。「商店会のみんなでアイディアを出し合ってポスターとかエコバッグを考えました。おかげで多くのファンが訪れてくれました。エコバッグも100個しか作らなかったので、すぐになくなってしまいました。もちろん、ご実家の方にはしっかり仁義をきっています」 流石、栗山英樹監督をして「みんなが好きになる」と言わしめたヌートバー選手。その集客力もホームラン級のようだ。しかし、このお祭り騒ぎはやや過熱する。商店会に名を連ねるある専門店の店主はこう告白する。「実は、“ヌートバー選手フェア”の達治さんへの報告は事後報告だったんです。当初はこれくらい大丈夫だろうと思って始めたのですが、報道されてから予想以上に盛り上がってしまい、慌ててご親族に説明にうかがいました。ところが見立てが甘かったせいで、今度はネットで炎上してしまって……」商店会の様子に「肖像権は問題ないのか」という指摘も ヌートバーの人気にあやかった商店会の様子は、優勝直後からスポーツ紙やネットニュースで大々的に報じられた。そこには選手の写真を使ったポスターやエコバッグに対し、「肖像権は問題ないのか」といった権利問題を指摘するコメントが多く寄せられた。「エコバッグはまずかったと思います……。ヌートバー選手は本国で自分の名前を商標登録しているようなのですが、それも指摘されるまで知りませんでした。エコバッグはすぐに配布をやめましたが、ネットの記事を見た人たちが商店会のメンバーに電話で苦情を入れることもあったようです」(同前) 前出の商店会副会長にエコバッグのトラブルについて聞くと、確かに実家が難色を示したことがあったという。配布したエコバッグがメルカリなどで転売されたことが問題になったようだ。「エコバッグが転売されたことが分かった時は、商店会からあらためてご実家に説明をしました。さすがに転売についてはいい気分ではなかったと思います。市内の神社で数量限定で出していた絵馬も転売されていると言いますし、困ったものです」「再開する時は専門家に監修してもらって…」 チャンスとばかりにWBCの盛り上がりに乗っかった東松山市であるが、いささか勇み足が過ぎたようだ。地元住民が語る。「ヌートバー選手はアメリカ生まれのアメリカ育ち。正直言えば、ほとんど東松山市とは関係がない。それなのに、ファンが毎日のように聖地巡礼としてご実家近くに現れて写真を撮ったり、マスコミが久美子さんに繋がろうと押し寄せて迷惑しているようです。ご家族は商店会のお祭り騒ぎも、自分たちのあずかり知らぬところで孫の活躍に便乗しているようで快く思っていないんじゃないでしょうか」 目に入れても痛くない孫の活躍が皮肉にも地元を狂わせた。ヌートバー・フィーバーの聖地になっているという久美子さんの実家を訪ねたが、「取材には応えられません」という返答だった。 “ヌートバー選手フェア”の今後について、前出の店主は肩を落とした。「実はポスターの掲示も3月31日限りでやめることになっているんです。再開する時は専門家に監修してもらってから、と考えています」(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
行政もこれを機に町おこしを、と考えているのだろう。市役所にはメッセージカードを貼り付けたボードが今もなお設置され、庁舎をつなぐ渡り廊下にも侍ジャパンの優勝をたたえるメッセージが掲げられていた。
市内の商店会では「プレゼント用のエコバッグ」を作成 市内の「まるひろ通り商店会」では、ヌートバー選手の活躍にあやかった商品を開発し、購入者には特別なエコバッグをプレゼントするというキャンペーンを行っていた。その様子はスポーツ紙などで取り上げられ、多くのファンがエコバッグ目当てに押し寄せたという。布団屋を営む商店会副会長はその効果をこう語る。「商店会のみんなでアイディアを出し合ってポスターとかエコバッグを考えました。おかげで多くのファンが訪れてくれました。エコバッグも100個しか作らなかったので、すぐになくなってしまいました。もちろん、ご実家の方にはしっかり仁義をきっています」 流石、栗山英樹監督をして「みんなが好きになる」と言わしめたヌートバー選手。その集客力もホームラン級のようだ。しかし、このお祭り騒ぎはやや過熱する。商店会に名を連ねるある専門店の店主はこう告白する。「実は、“ヌートバー選手フェア”の達治さんへの報告は事後報告だったんです。当初はこれくらい大丈夫だろうと思って始めたのですが、報道されてから予想以上に盛り上がってしまい、慌ててご親族に説明にうかがいました。ところが見立てが甘かったせいで、今度はネットで炎上してしまって……」商店会の様子に「肖像権は問題ないのか」という指摘も ヌートバーの人気にあやかった商店会の様子は、優勝直後からスポーツ紙やネットニュースで大々的に報じられた。そこには選手の写真を使ったポスターやエコバッグに対し、「肖像権は問題ないのか」といった権利問題を指摘するコメントが多く寄せられた。「エコバッグはまずかったと思います……。ヌートバー選手は本国で自分の名前を商標登録しているようなのですが、それも指摘されるまで知りませんでした。エコバッグはすぐに配布をやめましたが、ネットの記事を見た人たちが商店会のメンバーに電話で苦情を入れることもあったようです」(同前) 前出の商店会副会長にエコバッグのトラブルについて聞くと、確かに実家が難色を示したことがあったという。配布したエコバッグがメルカリなどで転売されたことが問題になったようだ。「エコバッグが転売されたことが分かった時は、商店会からあらためてご実家に説明をしました。さすがに転売についてはいい気分ではなかったと思います。市内の神社で数量限定で出していた絵馬も転売されていると言いますし、困ったものです」「再開する時は専門家に監修してもらって…」 チャンスとばかりにWBCの盛り上がりに乗っかった東松山市であるが、いささか勇み足が過ぎたようだ。地元住民が語る。「ヌートバー選手はアメリカ生まれのアメリカ育ち。正直言えば、ほとんど東松山市とは関係がない。それなのに、ファンが毎日のように聖地巡礼としてご実家近くに現れて写真を撮ったり、マスコミが久美子さんに繋がろうと押し寄せて迷惑しているようです。ご家族は商店会のお祭り騒ぎも、自分たちのあずかり知らぬところで孫の活躍に便乗しているようで快く思っていないんじゃないでしょうか」 目に入れても痛くない孫の活躍が皮肉にも地元を狂わせた。ヌートバー・フィーバーの聖地になっているという久美子さんの実家を訪ねたが、「取材には応えられません」という返答だった。 “ヌートバー選手フェア”の今後について、前出の店主は肩を落とした。「実はポスターの掲示も3月31日限りでやめることになっているんです。再開する時は専門家に監修してもらってから、と考えています」(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
市内の商店会では「プレゼント用のエコバッグ」を作成 市内の「まるひろ通り商店会」では、ヌートバー選手の活躍にあやかった商品を開発し、購入者には特別なエコバッグをプレゼントするというキャンペーンを行っていた。その様子はスポーツ紙などで取り上げられ、多くのファンがエコバッグ目当てに押し寄せたという。布団屋を営む商店会副会長はその効果をこう語る。「商店会のみんなでアイディアを出し合ってポスターとかエコバッグを考えました。おかげで多くのファンが訪れてくれました。エコバッグも100個しか作らなかったので、すぐになくなってしまいました。もちろん、ご実家の方にはしっかり仁義をきっています」 流石、栗山英樹監督をして「みんなが好きになる」と言わしめたヌートバー選手。その集客力もホームラン級のようだ。しかし、このお祭り騒ぎはやや過熱する。商店会に名を連ねるある専門店の店主はこう告白する。「実は、“ヌートバー選手フェア”の達治さんへの報告は事後報告だったんです。当初はこれくらい大丈夫だろうと思って始めたのですが、報道されてから予想以上に盛り上がってしまい、慌ててご親族に説明にうかがいました。ところが見立てが甘かったせいで、今度はネットで炎上してしまって……」商店会の様子に「肖像権は問題ないのか」という指摘も ヌートバーの人気にあやかった商店会の様子は、優勝直後からスポーツ紙やネットニュースで大々的に報じられた。そこには選手の写真を使ったポスターやエコバッグに対し、「肖像権は問題ないのか」といった権利問題を指摘するコメントが多く寄せられた。「エコバッグはまずかったと思います……。ヌートバー選手は本国で自分の名前を商標登録しているようなのですが、それも指摘されるまで知りませんでした。エコバッグはすぐに配布をやめましたが、ネットの記事を見た人たちが商店会のメンバーに電話で苦情を入れることもあったようです」(同前) 前出の商店会副会長にエコバッグのトラブルについて聞くと、確かに実家が難色を示したことがあったという。配布したエコバッグがメルカリなどで転売されたことが問題になったようだ。「エコバッグが転売されたことが分かった時は、商店会からあらためてご実家に説明をしました。さすがに転売についてはいい気分ではなかったと思います。市内の神社で数量限定で出していた絵馬も転売されていると言いますし、困ったものです」「再開する時は専門家に監修してもらって…」 チャンスとばかりにWBCの盛り上がりに乗っかった東松山市であるが、いささか勇み足が過ぎたようだ。地元住民が語る。「ヌートバー選手はアメリカ生まれのアメリカ育ち。正直言えば、ほとんど東松山市とは関係がない。それなのに、ファンが毎日のように聖地巡礼としてご実家近くに現れて写真を撮ったり、マスコミが久美子さんに繋がろうと押し寄せて迷惑しているようです。ご家族は商店会のお祭り騒ぎも、自分たちのあずかり知らぬところで孫の活躍に便乗しているようで快く思っていないんじゃないでしょうか」 目に入れても痛くない孫の活躍が皮肉にも地元を狂わせた。ヌートバー・フィーバーの聖地になっているという久美子さんの実家を訪ねたが、「取材には応えられません」という返答だった。 “ヌートバー選手フェア”の今後について、前出の店主は肩を落とした。「実はポスターの掲示も3月31日限りでやめることになっているんです。再開する時は専門家に監修してもらってから、と考えています」(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
市内の「まるひろ通り商店会」では、ヌートバー選手の活躍にあやかった商品を開発し、購入者には特別なエコバッグをプレゼントするというキャンペーンを行っていた。その様子はスポーツ紙などで取り上げられ、多くのファンがエコバッグ目当てに押し寄せたという。布団屋を営む商店会副会長はその効果をこう語る。
「商店会のみんなでアイディアを出し合ってポスターとかエコバッグを考えました。おかげで多くのファンが訪れてくれました。エコバッグも100個しか作らなかったので、すぐになくなってしまいました。もちろん、ご実家の方にはしっかり仁義をきっています」
流石、栗山英樹監督をして「みんなが好きになる」と言わしめたヌートバー選手。その集客力もホームラン級のようだ。しかし、このお祭り騒ぎはやや過熱する。商店会に名を連ねるある専門店の店主はこう告白する。
「実は、“ヌートバー選手フェア”の達治さんへの報告は事後報告だったんです。当初はこれくらい大丈夫だろうと思って始めたのですが、報道されてから予想以上に盛り上がってしまい、慌ててご親族に説明にうかがいました。ところが見立てが甘かったせいで、今度はネットで炎上してしまって……」
ヌートバーの人気にあやかった商店会の様子は、優勝直後からスポーツ紙やネットニュースで大々的に報じられた。そこには選手の写真を使ったポスターやエコバッグに対し、「肖像権は問題ないのか」といった権利問題を指摘するコメントが多く寄せられた。
「エコバッグはまずかったと思います……。ヌートバー選手は本国で自分の名前を商標登録しているようなのですが、それも指摘されるまで知りませんでした。エコバッグはすぐに配布をやめましたが、ネットの記事を見た人たちが商店会のメンバーに電話で苦情を入れることもあったようです」(同前)
前出の商店会副会長にエコバッグのトラブルについて聞くと、確かに実家が難色を示したことがあったという。配布したエコバッグがメルカリなどで転売されたことが問題になったようだ。
「エコバッグが転売されたことが分かった時は、商店会からあらためてご実家に説明をしました。さすがに転売についてはいい気分ではなかったと思います。市内の神社で数量限定で出していた絵馬も転売されていると言いますし、困ったものです」「再開する時は専門家に監修してもらって…」 チャンスとばかりにWBCの盛り上がりに乗っかった東松山市であるが、いささか勇み足が過ぎたようだ。地元住民が語る。「ヌートバー選手はアメリカ生まれのアメリカ育ち。正直言えば、ほとんど東松山市とは関係がない。それなのに、ファンが毎日のように聖地巡礼としてご実家近くに現れて写真を撮ったり、マスコミが久美子さんに繋がろうと押し寄せて迷惑しているようです。ご家族は商店会のお祭り騒ぎも、自分たちのあずかり知らぬところで孫の活躍に便乗しているようで快く思っていないんじゃないでしょうか」 目に入れても痛くない孫の活躍が皮肉にも地元を狂わせた。ヌートバー・フィーバーの聖地になっているという久美子さんの実家を訪ねたが、「取材には応えられません」という返答だった。 “ヌートバー選手フェア”の今後について、前出の店主は肩を落とした。「実はポスターの掲示も3月31日限りでやめることになっているんです。再開する時は専門家に監修してもらってから、と考えています」(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
「エコバッグが転売されたことが分かった時は、商店会からあらためてご実家に説明をしました。さすがに転売についてはいい気分ではなかったと思います。市内の神社で数量限定で出していた絵馬も転売されていると言いますし、困ったものです」
チャンスとばかりにWBCの盛り上がりに乗っかった東松山市であるが、いささか勇み足が過ぎたようだ。地元住民が語る。
「ヌートバー選手はアメリカ生まれのアメリカ育ち。正直言えば、ほとんど東松山市とは関係がない。それなのに、ファンが毎日のように聖地巡礼としてご実家近くに現れて写真を撮ったり、マスコミが久美子さんに繋がろうと押し寄せて迷惑しているようです。ご家族は商店会のお祭り騒ぎも、自分たちのあずかり知らぬところで孫の活躍に便乗しているようで快く思っていないんじゃないでしょうか」
目に入れても痛くない孫の活躍が皮肉にも地元を狂わせた。ヌートバー・フィーバーの聖地になっているという久美子さんの実家を訪ねたが、「取材には応えられません」という返答だった。
“ヌートバー選手フェア”の今後について、前出の店主は肩を落とした。「実はポスターの掲示も3月31日限りでやめることになっているんです。再開する時は専門家に監修してもらってから、と考えています」(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
“ヌートバー選手フェア”の今後について、前出の店主は肩を落とした。
「実はポスターの掲示も3月31日限りでやめることになっているんです。再開する時は専門家に監修してもらってから、と考えています」
(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))

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